【感想・ネタバレ】競争社会の歩き方 自分の「強み」を見つけるにはのレビュー

あらすじ

協力を否定し、利己的で、やられたらやり返す――。成績に順位をつけず、競争より協力を重視した教育を受けた子どもは、そうした価値観をもつという。それはなぜか。競争というと、日本では否定的にとられがちだが、自分の強みを見つけ、社会を活性化させる機会でもある。チケット転売問題から、政府が取り組む女性活躍推進、社会保障給付の問題まで、競争社会を生き抜くための大きなヒントを与える。

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Posted by ブクログ

信頼と経済成長
経済成長は相互信頼と強い相関関係があるそうです。
「情けは人の為ならず」
日本人のある年代を境に意味が変わって理解されてるようです
危険ですね
他人への信頼があるから人の為に動けるんですよね。
まあ個人的には僕が人の為にするのは回り回って社会が良くなると思ってるからです。
信頼こそが経済成長の基礎なんやと思います

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2020年04月06日

Posted by ブクログ

「競争社会」と聞くと、現在の格差社会を生み出している諸悪の根源のように
言われますが、この本を読むと考え方を改めることになります。

例えば運動会で徒競走の順位づけがされなかった教育を受けて育つと「利他性」
が低くなり、他人を思いやる心がなく、やられたらやり返すという価値観を持つ
傾向が高くなるそうです。

競争の中でもしっかりとした「ルール」があり、そのルールの中で競えば健全な
社会になるということを学べる本です。

中でも印象的なのは、マイケルジョーダンはメジャーリーグの「競争」で敗れた
がゆえに改めてバスケットボールという自分の居場所を見つけることができた
というくだりです。
これをを聞くと、競争が自分の長所を知る手段とも言えると理解できます。

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2019年03月13日

Posted by ブクログ

経済学者が、競争の重要性を説いた本。比較経済学を中心に現在の国内外の研究論文、データを基に、競争が経済力向上のみならず、社会性の向上、人格形成上においても重要であることを説明している。引用が多彩で、説得力ある面白い本であった。
「競争は勝者と敗者を生み、厳しく辛い面もあるが、競争が繰り返された結果、自分が真に活躍できる場を見つけられる確率が高まる。誰にでも得意不得意がある。不得意な分野で消耗戦を続けるのは、本人にとっても社会全体にとっても不利益でしかない」v
「(経済学者が批判する)非効率=無駄」p11
「(他店対抗「他店より価格が高ければ対抗します」)経済学者は、この広告を出している家電量販店は、競合店に対して価格競争をやめるよう呼びかけていると解釈している。「暗黙の共謀」とも呼ばれる」p21
「(オークションでの勝者の呪い)オークションで落札できる人は、その品物の価値を過大に評価した人だから、必ず損をする。(転売する気がなければ、勝者の呪いは発生しない)」p38
「幸福度が高まると生産性が高まる」p65
「(怒り)怒ってしまうと、私たちは、不確実なことでも確実に生じるように感じ、周囲のことを統制できるように感じるという。未知の危険や恐ろしい危険をあまり感じなくなり、その結果、リスクあるものでも受け入れるようになるのだ。また、問題の責任が他人にあるように感じる傾向があるともいう」p68
「(恐怖)対照的なのは、恐怖の感情であり、不確実性を大きく感じ、自分で統制している感覚が減少する。そのため、リスクに対して回避的な行動をとりやすくなる。直観的な意思決定よりも論理的意思決定を用いる傾向が強くなる」p68
「(悲しみ)悲しみを感じると、自分で統制できる感覚を減らすうえ、利益志向的になり短期的視野をもつようになる」p68
「清潔な暮らしをしている状態だと少しでも汚れがあるととても目立つが、不衛生な暮らしの中で少々汚れても平気でいられるというのが人間の特徴だ」p86
「寄付した人の幸福度は上がり、寄付する人は幸福度が高いということが研究で明らかにされている」p100
「(ピケティの世界)今のところ日本では、アメリカやイギリスで生じているような、トップ所得層による所得の集中は起こっていない」p107
「コロンビア大学の伊藤隆敏は、財政破綻は日本の家計貯蓄で日本国債を吸収できなくなる時と定義している」p108
「同じ提案であっても損失が目立つ提案の仕方をすると、反対されやすくなる」p122
「(経済学部は文系)経済学が数字を扱うことを考えると、不思議な現象だ」p125
「(数あてゲーム)「0~100までの好きな数字を書いてください。皆さんが書いた数字の平均値に0.7を掛けた数字を書いた人を当選者とします」この実験の当選者となるのは、どの数字を書いた人だろうか。最初に予想される答えは35だ。なぜかといえば、実験参加者全員がランダムに数字を書いたとすれば、平均が50になるはずで、そこに0.7を掛けたら35になるからだ。多くの人はここで思考をストップさせる。しかし、もう一歩先を考えてみるとどうだろう。答えを35だとあなたが予想したとすれば、他の人も同じことを考えているはずではないだろうか。あなただけが賢いわけではない。もし、他の人たちも一歩先を読むと平均が35になるはずだ。そう予想したら、あなたは35に0.7を掛けたものを選ぶべきだ。それと同じことを他の人が考えたとしたら、あなたは。」p126
「(最低賃金の引き上げ)多くの人は最低賃金が引き上げられると、自分の賃金も上がると考える。でも、よく考えてみれば、雇う側は生産性より高い賃金を払いたくはないから、最低賃金が高くなればそれに見合わない生産性の低い人たちは雇わなくなり、雇う数を減らす。運が悪ければ解雇されてしまうかもしれない。最低賃金ギリギリの人は最低賃金引き上げを喜んでいる場合ではないのだ」p127
「(反競争的教育(手をつないでゴール))反競争主義的で協力する心をもたらそうと考えた教育が、能力が同じという思想となって子供たちに伝わると、能力が同じなのだから、所得が低い人は怠けているといった発想を植え付ける。→ 努力主義、能力が同じなら助け合う必要もない、所得配分反対→ 競争激化」p143
「選挙で瀬戸際に立たされた政治家が、合理的無知につけ込む大衆迎合的な戦略をとるのは、残念ながら世界共通のようだ」p175
「(ねんきん定期便)年金給付額のうちいくらが(自分の払い込んだ額の)移転額なのかを明記したり、他の世代であればいくらの保険料を支払われないとその受給額がもらえないかを明記すれば、年金を受給する高齢者の意識も変わるかもしれない」p198
「(日本人の所得(2012年))上位10%は年収580万円以上、上位5%が年収750万円以上、上位1%が年収1270万円以上になる。日本のトップ1%はもっともらっていると思っている人が多いと思う」p202
「(医師には旧士族、旧華族の名字が多い)流動性が高く、平等社会であると思われてきた日本は、以外にも明治時代の格差をいまだに残している(子孫との所得と教育の相関:どの国でもかなり高い相関)」p208 

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2018年10月21日

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激しい競争に身を置けば、自らの強みを発見できる可能性が高まる。というメリットがあるという。
逆に言うと、自らの弱みに気づくこともあると思う。
競争の無い世界に身を置いていると、茹でカエルのごとく、いつか戦えない身になってしまうのではないか、という危機感を抱いた。

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2017年10月18日

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つくづく経済は人の心理で動いていると感じる。人気の歌手のチケットともなれば、ダフ屋が法外な金額でチケットを売ったり、最近は転売目的で希少な商品を買って、フリマアプリのような個人取引に倍以上の値段で売り出す人もいる。だが、その値付けでさえも欲しいという人がいて更に値段は跳ね上がる。オークションなどは価値のある絵画だから当然ではあるが、価格を決めるのはどうしても欲しい、という人の心理だ。古くはなるがドラゴンクエストというゲームが発売された当時は、それがニュースでも報じられるくらい小学生に混じって大人もおもちゃ屋さんに長蛇の列を作った。確かにゲームは面白いであろうが、中にはみんなが並ぶから並ぶ、人が買うから買うというつられる人も居たのではないか。
ここには欲しい人の数や欲求の大きさ(需要)と、物を作って売る側の生産能力や販売数(供給)の関係がある。当然前者が後者を上回れば、価格に換算した価値は上がるだろうが、物としての価値は同じはずだ。敢えて希少性を持たせるなど、供給側が「価値」をコントロールするケースもある。
近所に複数の家電量販店があるが、ここにも他店より一円でも安くします、という競争が発生しているが、互いに一円でも安くするなら、身を削っての壮絶な戦いになるだろうし、体力が持つなら、何度も店を往復したり交渉して、更に安くさせる事もできるかもしれない。値付けする方も、競合店の価格よりも安くすると言っておけば、楽なのか、それとも…。
本書はそうした人の心理や経済の関係性、タイトルにもあるように競争社外が社会の発展や技術の進歩などに如何にして影響を与えてきたかなど、主には行動経済学を中心に書かれている。現代社会の課題を例に挙げて、私のような経済学が嫌いだった人間にも分かりやすく伝えており、かなり読みやすい。今、日本が抱えている少子化や女性活躍推進、先ほど述べたようなチケット転売問題など身近にニュースで触れる課題を挙げ、人の行動心理を読みながら対策を打つことの重要性を述べている。
本書が出たのは2017年だから、当時の社会問題が多く登場するのだが、現在もなおそうした問題は解消できずに続いているから、自分なりに本書を参考にして、解決方法を考えるのも良いだろう。
あまり詳しく述べると、内容に触れてしまう為、控えるが、経済は昔から感情で動くというし、遥か古代から人は競争の中で生き抜いてきた。生き抜くための知恵も技術も競争があったからこそ発展してきた。若い人の中には競争を嫌い、避けてきた人も多いだろう。一時期は運動会の徒競走で皆んなで手を繋いでゴールするなんて学校もあったくらいだ。だが、そうした競争を排除するやり方が本当に正しかったのか。漸く平成の大不況から抜け出し、日本経済は再び復活に向けて動き出したかに思われるが、人口減少、働き手不足、格差の拡大、過疎化など様々な社会課題が山積している。
豊かな暮らしは誰もが望むが、そこに完全に競争が無い状態を想像するのは難しい。やはり金持ちとそうで無い人の間には、何らかの形で(運もあるだろうが)競争の結果が影響していると考えるのが妥当だ。幸い日本は総中流と呼ばれるように、アメリカなどと比べれば、格差は小さい。たとえ失敗しても人生終わるような事もない。なればこそ、直面する課題に対して、実力を磨き、企業は効率化を推し進め、当たっていくしかない。そこには人間同士、企業同士の競争は欠かせないと感じた。

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2024年12月13日

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メモ用

怒りは不確実な事でも、より確実に生じるように感じ、周囲の事を自分で統制できるように感じる。未知の危険や恐ろしい危険を感じなくなる。その結果リスクのあるものを受け入れてるようになる。
※問題の責任が他人にあるように感じる傾向にあるように感じる。
利益傾向志向に落ち入る。


恐怖の感情
確実性を大きく感じ、自分で統制している感覚が減少する。その為、リスクに対して、回避的な行動を取る。直感的な感情ではなく理論的意思決定を用いる傾向にある。

悲しみ
自分で統制する感覚を減らすうえ、利益志向的になり、短期的視野を持つようになる。他人を信頼しなくなり他者との協力も減ってしまう。

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2022年05月06日

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世の中を経済学者の視点から眺めてみた!的な内容だが、すでに類書を読んでいることもありそれほど新しい発見はなかった。それでも最後まで楽しく読めたのは大竹先生の卓越した文章力と論理構成のおかげなのだろう。
 経済学者であるから競争の利点を説くのは理解できるが、それでも競争の負の側面を軽視しすぎているように思える。世の中は経済学者が想定するほど公正でなく、勝者ほどズルいことができる仕組みになっている。勝者が競争のルールを作るから当然だ。中でも弊害が大きいと思われるのは、勝ち負けの結果の差が大きすぎることと、一度負けると世代を超えてそれが維持されることにある。終章に描かれているように、日本が永続的に繁栄を続けていくには絶え間ないイノベーションが不可欠だが、残念ながら貧乏人の子弟は高等教育を受けることが難しくなっている。しかもその仕掛けが益々巧妙になっていて、すべてが自己責任に帰されるように仕向けられている。これも競争社会の必然的な帰結であるように思われる。競争と正義は相容れないのだ。

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2018年10月22日

Posted by ブクログ

・競争が少ないと、自分の本当の長所を知ることが出来ない
・怒らせると協力しなくなる
・不十分な金額なら出さない方がまし
・デフォルトの設定方法の工夫(臓器移植ドナーの同意)
・正の互恵性を持っている人の方が年収は高い

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2018年10月09日

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高齢者の年金定期便に、若者からの所得移転額(若者よりいくら多く貰えるのか)を記載することで、高齢者の意識が変わり世代間対立が和らぐかも(?)という提言をしているが、逆に炎上する気がする…。

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2018年01月19日

Posted by ブクログ

非常に読みやすい1冊であった。
経済学という枠組みではあるが、一般向けということもあり知的な学びを得られる。

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2017年10月28日

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大竹の経済エッセイ?は、とても読みやすい。短い文のシーケンスだがきちんとロジカルに伝わるように書かれている。
西加奈子『サラバ』と又吉『火花』は未読。懸案リストに登録しておく。
怒っている人、凹んでいる人のリスクの取り方にバイアスがある可能性については、覚えておこう。

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2018年10月20日

Posted by ブクログ

タイトルがちょっとフィットしないような。そうはいってもこれからの社会を考えるにもってこいの好著です。それは競争社会というよりも格差社会の現状を広く優しく開設してくれていると理解したから。先日読んだ「コンピュータが仕事を奪う」(新井紀子著)とつながるような内容もあり。AIやマシンラーニングの台頭の中、これからの仕事の中身や枠組みが大きく変わる中、どのように日本でイノベーションを起こすかが避けて通れない課題だ。

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2017年10月04日

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一般向けに経済学の考え方を紹介する新書。知的な喜び、経済学、学問のワクワク感を味わえる。行動経済学の内容も多め。一般的信頼、正の互恵性や利他性に学校教育のスタイルが影響を与えるという研究が面白かった。

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2017年09月29日

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ネタバレ

これからの競争社会をどのように歩いていくべきかという内容ではなく、現代の社会課題を経済学の視点から見るとどうなのか、また、経済学的な考え方をビルトインした制度設計にする可能性等について論じられている。
臓器移植のドナーの同意のところは、同意をデフォルトにすれば提供者が増えるところはそうなのだろうが、同意をデフォルトにしてよいか、というところで大きな議論があることには全く触れられていないのが個人的には気になった。
手に取った動機とは異なる中身ではあったものの、経済学の考え方が身近に感じられ、勉強になった。

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2017年09月25日

ネタバレ 購入済み

興味深いお話だった

現代ではなかなか考えないようなことが多く書いてあり面白いお話だった。これからの社会をより楽しく生きるきっかけをくれた本

#タメになる

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2021年10月25日

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行動経済学の小ネタと社会問題への経済学的アプローチ。
競争と協同は二律背反ではない。行為者,行為階層と時空間の違いを考慮する。競争や協同の言葉が表す内容が多岐にわたる。競争や協同は目標達成の手段。競争の仕方や協同の仕方というのはどこで学ぶのだろうか。こんな風に競争しなさいや協力しなさいなどと教えられることは少ないのでは。部活ではありうるか。協同の価値観が浸透しないのは明確なポジティブフィードバックが得られないから?公共の福祉みたいなものか。

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2021年06月05日

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行動経済学の視点からいろいろな事象を説明している。人は、理論としてはわかっているがその通りの行動はとらない。それをうまく利用し、社会を変えていこうとすることは大切であると思った。

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2019年01月06日

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チケット転売問題=一部をオークション方式にする。
他店価格対抗の広告は、価格を下げるなというメッセージ。
くまもんは使用料はただ=二部料金制と同じ
現状維持バイアス。
ご当地グルメは親近感バイアスから、馴染みのある食べ物になりやすい。
勝者の呪い=オークションの落札者は、それ以上で転売できない。
ャッター街は負の外部性の結果。

競争は独占の弊害を防ぐだけではなく、進歩のために必要。
多数決のパラドックス=2番目に好むものが多いものが勝つ。

幸福感が高まると生産性が高くなる。
怒りはリスクを取りやすくする。
怒らせると協力しなくなる。
医者が謝罪しても不利にならないようにすると、医療訴訟が減った。
確率が低いものは高く、高いものは低く、認識される=宝くじを買う理由。
ストレスがあると挑戦しなくなる。
損を嫌う=参照点にしがみつきたい行動原理。
バーディーパットよりパーパットのほうが慎重になる理由。
代表制バイアス、想起性バイアス、係留性バイアス。
信用できると思っている国のほうが成長率が高い=余計な神経を使わなくて済む。
平等な待遇を心がけて教育するほうが他人に対する思いやりをもたなくなる。人間に多様性があることを認識させたほうが思いやりのある人に育つ。

放蕩息子の定理=息子に対する利他的な心を父が持っていると知っていると、そもそも放蕩しない=家族全体の利得を考えたほうが放蕩息子も自分の取り分が大きくなる。早めに遺産分割をすると「サマリア人のジレンマ」が出てくる。

三多摩地区はもともと神奈川県だった。東京都に編入されたのはコレラの大流行から。水源地の三多摩地区の不衛生を管理したかったから。

合理的無知=選挙で情報収集の手間をかけないため。

職種によって、長時間労働のほうが時間あたり生産性が高まるものがある。男女賃金格差の原因。

コンピュータ化による格差拡大の標準的説明は、中間層の仕事がなくなって、単純労働への応募が増えるから。
ピケティーは、1%に集中するのは経営者の所得決定メカニズムや最高税率の引き下げに原因があると見る。
コンピュータ化によって、かつての高所得は低所得になり、新たな高所得職業が出てくるがそれは数が少ないから。

宝くじの当選者は保守的になり、平等主義者ではなくなる。

技術革新によって設備の陳腐化が激しくなる。空家問題も同様。

失われた20年の根本原因は投資の非効率性にあった。

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2018年06月25日

Posted by ブクログ

パッと見、心理学とか自己啓発の本かとおもいきやバリバリの経済学の本。
内容のメインは行動経済学に基づいて記述されている。

気軽な読み物としては難しいけれど、学術書としては易いというちょうどいい感じの本です。

何かのテーマについて掘り下げているというよりは随筆のように身近なことや、書きたいことをページごとにバラバラに書いているので、正直知識としては残りにくいが、雑学としてはいいかなという感じ。

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2017年11月17日

Posted by ブクログ

タイトルを見て、大竹先生お得意の競争論や競争政策の話かと思ったが、一部にそういう話はあるものの、行動経済学など新しい経済学の紹介やその啓蒙的な本だった。これはこれで面白いのだが、若干エッセイ的というか、統一感や体系性を感じられなかった。
大竹先生の研究成果というわけではないが、富裕層への所得集中について、日本では、所得上位1%の年収が1270万円以上であること、上位10%で580万円以上というデータがとても意外だった。やはり、イメージではなく、事実でものを考えないといけないと改めて思った。

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2017年10月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

<目次>
プロローグ  競争で強みを見つける
第1章    身近にある価格戦略
第2章    落語と小説の経済学
第3章    感情と経済
第4章    競争社会で生きてゆく
第5章    格差社会の真実
エピローグ  イノベーションは、若者の特権か

<内容>
タイトルからキャリア系の本かと思ったが、行動経済学の本。短いお話を集めて書かれているので、読みやすいし、理解しやすい。

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2017年10月07日

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