あらすじ
なぜ米軍は自国ではできない危険なオスプレイの訓練を日本では行なうことができるのか? なぜ日米地位協定は日本国憲法の上位法として扱われているのか? 基地問題だけでなく原発事故やその再稼働問題、TPP参加問題など、現在の日本で起きている深刻な出来事の多くが在日米軍がもたらす国内法の機能停止状態に起源をもっている。ベストセラー『戦後史の正体』に続くシリーズ第二弾は「戦後日本」最大のタブーである日米地位協定に迫る!
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Posted by ブクログ
在日米軍の法律上の地位を定めた日米地位協定。この本では、「なぜ、羽田から西に向かう飛行機が、千葉(房総沖)方面をぐるっと廻るのか?」「なぜ、騒音被害を認めているのに米軍機の飛行禁止命令を出せないのか?」「なぜ、沖縄で罪を犯した米兵を日本側だけで罰することができないのか?」といったことや、「もしオスプレイが東大の構内に落ちたら何が起きるか?」「日本全国どこでも、もしアメリカがここに米軍基地を置きたいといったらどうなるのか?」といった、これまで、「釈然としないけど、ちゃんとした理由があってのことなんだろう」とか「そんなことは起きないだろうし、起きたとしても悪いことにはならないだろう」と漠然と思っていたことを、日米地位協定の条文を基にQ&A形式で説明する。
「条文として可能である」と「だから、実際もそうなる」はイコールではないけれど、そうであればこそ、危険な方向に行き得えない条文にしておく必要がある。この本を読んで湧き上がってきたのは、「自分はこれまで知らなかったし、知ろうともしていなかった」という驚き、そして「日本は本当に独立国家と言えるのか?」という疑問。これからの問いは、「アメリカは強い国家としてふつうに外交をしてきている。その状況で、日本はどうするのか?」になるのだろう。
日米関係を考えるにあたって抑えておくべき「地位協定」について理解するのに良い一冊です。
Posted by ブクログ
日米地位協定の問題点について、(たぶん)網羅的に説明した本
知っていたことも多かったが、知らなかったことも多かった。
米軍に賠償義務があっても実際には支払わず日本政府が支出している例がかなりあること、米軍基地は出入国管理制度の対象外なので、日本国内にいる米軍人(たぶん、スパイも)の数も把握できていないこと、等
砂川事件の際の最高裁長官の行動には天を仰ぐしかない。
行政官なら驚かないが、司法が・・・、と。
地位協定以外の話だが、フィリピンが米軍基地をなくしたせいで南沙諸島を中国に奪われたというのがウソ(もしくは不正確)だというのが、一番「目からウロコ」であった。
要するに、今でも各国入り乱れて島嶼を支配していて、中国は後発なだけである、と。
↑のとおり、内容は有益だったのだが、文章にはどんびき。
情緒的というか、煽りまくりというか・・・「高校生にも理解できる」というオーダーに応えたそうだが、なにか違うのでは?