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Posted by ブクログ
何でこの本を手に取ったか覚えていないのですが、全く先入観も期待も無く読めたのが逆に良かったです。後から作者のバックグラウンドを知りました。ガンが治らないことを知ってから小説を本格的に書き始め、10年の作家活動の後に亡くなったそうです。
書評を読むと、どれも「美しい小説」と評してあります。「美しい小説」ってなんじゃらほい、と思いながら読んでみたところ、それが的確な表現であることが分かりました。
透き通った水がサラサラ流れる川のような文章です。凝った表現は無いのですが、心に文章が染み渡り、情景が目に浮かぶんです。一冊を通して、鳥がモチーフに出てきますが、それぞれの話の伝えたい内容は異なります。私は、乱獲により絶滅した鳩の物語や、少年とおじさんの交流の話、そして、カメが命を助けてくれた話がとても印象的で、素敵だと思いました。教科書に出てきそうな話です。出てきた鳥がどんなものか知りたくて、あとでインターネットで調べてみました。
地味ですが、いい本でした。
Posted by ブクログ
石を拾い集めてそこに鳥の絵を描いている男性と出会った青年が、男性の描いた絵をひとつひとつ見ながら
その石に書かれた鳥にまつわる6つの夢を見る、という体で、
6話の短編が展開されていきます。
短いながらもそれぞれに趣深く美しいお話です。
淡々とした静かな文体の中に生命の美しさと切なさが溢れています。
一般的な所謂『ハードボイルド』のイメージとは異なる、
綺麗で儚く、それでいて男らしい不思議な魅力のあるお話ばかりです。
Posted by ブクログ
全編鳥が何らかの形で関係しています。
最初はなんかピンときませんでしたが、ヒロと密漁を企てる密漁志願のワクワク感がよく、その次のホイッパーウイルのハードボイルドも格好良かった。波の枕、デコイの話は美しいファンタジーな感じで、読後感が非常に爽やかでした。
Posted by ブクログ
望遠が一番好き。
こんなに素晴らしいのに世間の反応がイマイチ、ということが自分にもよくあるので若者の気持ちが分かる。切ない。
ホイッパーウィルの最後は美しかった。
行動力のある少年たち、見てるこっちは心配だけど自分には真似できないからちょっと羨ましい。
Posted by ブクログ
いいわけではないが書いておこう。
私は鳥が嫌いだ。
というわけで、私は鳥が嫌いだから、鳥の話も嫌い。
それだけ?
うん。それだけ。
確かに鳥の話ってわけでもない。
野鳥を愛でる友の会の話ってわけでもない。
どちらかと言えば、バードウォッチャーに喧嘩を売っているような話もある。
それでもあまり好きになれないんだよね。
面白いことは面白いんだ。
豪邸に忍び込んで密漁をしようと言う話。
成功するのか、失敗するのか、捕まって牢屋にぶち込まれるのか、逃げおおせるのか。
ドキドキしながら読み進めていたのも事実。それでも、どうしても好きだ。とか良かったとか言えないんだよね。
ま、バイアスで★-1くらいになっているということで。