あらすじ
大学進学のために上京した鳥貝一弥17歳。東京でのアパート探しに行き詰まっていたところ、
いい部屋があると薦められて訪ねた先は高級住宅街の奥に佇む洋館だった。条件つきだが家賃も破格の男子寮だという。共同生活を営んでいるのは揃ってクセのある男たちばかり。先輩たちに翻弄されながら戸惑いつつも、幼い頃の優しい記憶の断片を甦らせ、自らの生い立ちと向き合っていく鳥貝。艶っぽくて甘酸っぱい極上の青春小説!
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匿名
素敵な雰囲気の作品でした。
長野まゆみさんの美しい文章が描くレトロな雰囲気や海辺の風景がたまりません。
読み終わって何とも切なく温かい気持ちになりました。
Posted by ブクログ
おもしろいはおもしろい。
テンポがよく読みやすい。ノリも好き。
けどなんというか、作者の書きたいとこだけ書きましたー!!って感じもする
もっと途中書くこと何かあったのでは?途中大分何か省かれてない?って思ってしまったくらいテンポが早い感じがする
あと百合子サイドでの話を読ませてほしいくらい百合子の行動が謎すぎる
寮の住人のキャラがすごく立ってた割にえ?これで出番終わり?と物足りなかったかな
なんかおもしろかったけど何か物足りないって印象をうけた作品です。少しだけ不完全燃焼かな。続編、スピンオフとかあるならぜひ読みたいけれども。
Posted by ブクログ
僕はひつじ、道に迷い、誰かに導かれ。
ああああ、ってなる。すごく長野まゆみ。なぜか西炯子の絵で脳内のキャラクターが動き出す。クセのある人ばかり。でもみんな哀しいほどに優しい。ちょっと周囲の人間関係にご都合主義すぎないか、と思いつつも、それがこういうフィクションのいいところじゃないかと。この鳥貝と百合子(百合子は名字という、これもなんだか長野まゆみ的)がどうなるのか、想像が捗ります。百合子は不器用すぎて、もはやかわいい。洋館の寮ということで、恩田陸『ネバーランド』を思い出しもしました。
鳥貝を象徴するのが「白いひつじ」であること。守られる存在、好奇心、ふわふわ、安心感、さまざまに解釈できそうですが、意外と一人で歩いていけそうな感じもする。まあ、聖書的には、一人で歩いていってしまうと迷子になって、羊飼いが探しに来るんですけど。だから、どうしても守られる存在という感触が強いかもしれない。
単行本では『白いひつじ』というタイトルだったそうですが、正直その方が内容をがっつり表していていいと思いました。