あらすじ
2017年春。ヤマトが宅急便の総量抑制を決め、続いて27年ぶりの値上げを発表した。
日本の物流を支える「動脈」として機能していたヤマトに、何が起こったのか。
本書はその真相に迫るルポである。
「小倉イズム」に基づいて常に顧客第一を訴えてきたヤマトの「変心」は、多くの人々を驚かせた。
背景には多くの日本企業が抱える過剰サービスへの呪縛がある。
何を、どこまで消費者に提供するのか。
「働き方改革」「人手不足」のなかで、優先すべきは何なのか。
実際に過剰サービスからの転換を訴えたとき、顧客企業や現場にどんな混乱が起こるのか。
そして、本当に「危機」は去ったのか。
本書で描かれている混乱は、物流・小売り関係者のみならず、
サービス業に携わる多くの人々にとって参考になるはずだ。
ヤマトを中心に、佐川、日本郵便などの物流業者、
アマゾン、楽天、ヤフーをはじめとするネットサービス業者など、
幅広い取材をもとに、危機の実像と未来像を描き出す。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ネットショッピングという便利なしくみとは裏腹に、物流業界が大変な事になっている事がよくわかる本です。
億を超える荷物量を不足しているドライバーが運ばなければならない事態。
そんな中で起こりがちな、配達先の不在による再配達。
宅配ボックスやコンビニでの受け取り、当日配送の廃止、時間指定の変更によるドライバー休憩時間の確保などの対策は取られていますが、それでもまだまだ問題は山積みのよう。
2020年に入ってからコロナ禍という非常事態が起こり、ネット注文がさらに増える中でどんな対策が行われていくのかが気になります。
Posted by ブクログ
ヤマト運輸の利益無き繁忙の結果としての宅急便値上げの背景を描くルポ。
荷物が増えて利益が下がるとか経営の失敗と言うしか無い。ドライバーのサービス残業で支えられてたシステムが崩れ去り、真っ当な人件費と労働環境が整えられるまでの道標になれば。