あらすじ
花果山の石から生まれた孫悟空は、72通りの変化の術を使って、縦横無尽の大活躍。インドへ経典を取りに行く三蔵法師を助け、数かずの妖魔を退治しながら冒険の旅を続ける。〈改版〉
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グーテンベルクの活版印刷が発明された15世紀頃に中国の作家、呉承恩が西遊記を出版した。紙の本の文化が始まった瞬間にこんな凄い名作が出来るなんて凄い。
呉承恩(ゴショウオン) 1500-1582中国の明代の作家.字は汝忠,号は射陽といった.江蘇省淮安の出身.少年のころから秀才の誉れは高かったが,文官試験にはなかなか通らず,官吏になったのは, 60歳を過ぎてからであった. 6年ほどで職を退いて郷里に帰り,詩と酒を友にして余生を送ったという.
伊藤貴麿(イトウ・タカマロ) 1893-1967神戸生まれ. 1920年,早稲田大学英文科卒.浜田広介らとともに童心主義作家の時代に活躍した.中国文学を子ども向きに翻案し,著書には,『西遊記』のほか,『錦の中の仙女』などがある
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物語自体はやっぱり面白い!! 決して完璧な存在とは言い難い4人の主人公の姿に何とも言えない愛情のようなものを感じました。 ホンモノの三蔵法師がこの物語に描かれているような軟弱 & 優柔不断 & 世話の焼ける人物だったのかどうかは甚だ疑問だとは思うけれど、逆に言えば現代の世界史の教科書にも名前が載るような偉人が、とっても親しみやすい人物になっているのも魅力だと感じました。
彼らの道中に立ちふさがる妖怪たちは言ってみれば「仏教の教えを知らない野蛮で原始的で動物的」な人間のことだったのかもしれないし、そうであったならば、どんな宗教にありがちな「未開な人たちを感化する」というシナリオ作りにはちょっぴり「ブルータスよ、お前もか!」的な印象を持たないでもなかったけれど、仏教と道教が入り混じっているあたりに、ある種の救いを感じ一神教の筋運びよりはKiKi 個人としては抵抗少なく読むことができました。
(全文はブログにて)
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西遊記は奥が深そうなので、映画を見た子供なら、最初にこの本をお勧めします。
大人なら、長い文庫でもよいと思います。
自分は、もっと短い、子供用の本を読んだことがあります。
どれでも、興味がもてれば入り口としてはよいのではないでしょうか。
Posted by ブクログ
道は遠しといえども、ついにはゆきつく日があります。
昔から『たとえ泰山は運べても、凡夫は浮かばせがたい』といってるじゃないか。師父はどうきても、他国を艱難辛苦して経めぐらなかければならないのだ。われわれの役目は、ただとちゅうを保護してさしあげるだけだ。もしも師父のかわりになって、われわれが西天へとんでいったって、如来さまは経をさずけてくださりはしない。というのは、つまり『たやすく得たものは、とかくなおざりにしやすい』というわけだからね。
「道をいそいでるときに、どうしてからだなどを洗うのだ。」
「おれは水簾洞へ帰ってきてから、だいぶ日もたったので、からだに妖気が立ちこめている。師父らきれいずきだから、きらわれるとこまるので…。」
これをきいて八戒は、はじめて行者の美しいまごころを知ったのだった。
西遊記は師弟旅。破天荒かつ規格外な孫悟空、人間世界での常識はまったく通じず、己の心に素直な行動。すぐカッとなりケンカっはやいが、三蔵法師と西方への旅をすることで、人道をわきまえ、成長していっている。はっきり言うと三蔵法師はなんのとりえもなさそうだけど、いつのまにか師匠になっている。人間社会もこうかもしれない。人と人が一緒に行動するきっかけはマチマチだけど、共に動くなかで友情だったり恋慕だったり、いろんな感情が揺れ動く。自分のことを自分以上に知ってくれる人を師と仰ぐ。