あらすじ
世界のビジネスエリートがこぞって身につける教養「西洋美術史」をわかりやすく解説。約2500年分の美術、そして関連する世界史の知識が一気に身につきます。これまで以上に、絵画や彫刻、建築が身近になると同時に、グローバルスタンダードの教養が身につく、あなたの世界観を広げる一冊です
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Posted by ブクログ
美術の知識がない私からすると、あまりお目にかかったことのない作品の解説が多かったのですが、その背景にある歴史が自身の知っている教養と結びついたことで絵の捉え方が変わりました。
Posted by ブクログ
古代ギリシャの時代から20世紀初頭まで、歴史をたどりながらその様式が広まり、受け入れられるようになったあらましが浅く広く記されている。
前書きの鼻につく感じで若干身構えたが、本編は流れも整理されていて理解しやすかった。
現代美術が扱われていないことと、文中に出てくる作品の一部が収録されているもののモノクロだったのが少し残念。
芸術はやはり歴史、宗教の大きな流れとは切っても切れない関係なのだなぁ。
Posted by ブクログ
「美術は見るものではなく読むもの」
西洋美術の変遷を時代ごとに追いながら
その様式の特徴だけではなく時代背景や人物像を
紹介してくれるおかげで多くの学びがある一冊。
芸術好きなら聞いたことのあるアーティストの名前が沢山でてくるが、一人ひとりポイントを抑えて簡潔に説明してくれるおかげで、自分の知識が浅かった部分が可視化される。
"18世期の女性の肖像画で、目尻に描かれている黒い斑点を見つけたら、加齢によるシミではなく「つけぼくろ」だと思ってください"
Posted by ブクログ
絵画を「読む」という観点で書かれた本。
当時の出来事、政治、経済、人々の傾向など社会と関連させて絵画作品や画家についての知識が得られる一冊である。
絵画作品は宗教との繋がりもあるため、当時の宗教的な情勢も含めて知識が得られた。
ただ作品について知るのではなく、当時の社会背景も知ることで今後より深く絵画を見ることが出来ると思われる。
個人的にはとてもためになる本だった。
Posted by ブクログ
教養という単語にひかれて購入。
ビジネスエリートってデカデカとかかれると、別にグローバルな仕事をしていないのに意識高い系かと思われそう。
西洋美術はキリスト教と切っても切り離せない。
各国の宗教をめぐる対立や政治的な思惑と絡み合って複雑そう…と尻込みしていたけど、体系立てて書かれているので、理解しやすい。
絵がモノクロなものも多いが、世界でいちばん素敵な西洋美術の教室はフルカラーかつこれも古い時代からの作品から掲載されているので、カラーで絵を見て、これを読んで時代背景を理解するのがわかりやすくてオススメ。
●古代ギリシャ…アテネを中心とした美=善という考えの文化。ギリシャ神話の神々も美を好むとされ、皺NG。男性は体を鍛えるのが一般的。休戦のために開かれたオリンピックは4年に一度男性のみ参加可能で、裸で競技を行い、優勝者の全身像が作られ神殿に奉納される。(AC394キリスト教の国教化により廃止)
アルカイック(BC600~BC480)~エジプトの影響を受けた男性の裸体彫刻クーロス
クラシック(BC480~BC323)~西洋美術の規範となる。都市国家アテネが文化・学問の中心に。アテネ対スパルタの対立による緊張の反動か、優美さが際だつ。8頭身やスレンダーな体系が好まれる。感情を出すことは慎むべき論から表情は乏しい。
クラシックの代表作…パルテノン神殿
ヘレイズム(BC323~BC27)~マケドニア・ギリシャ連合軍のペルシャ遠征(BC344)でギリシャ文化圏がオリエント、エジプトまで拡大。多様な表現が増える。
ヘレイズムの代表作:ミロのヴィーナス、サモトラケのニケ
●古代ローマ…すべての道はローマに通ずといわれる大帝国。公共建築が得意。元々は質実剛健で質素がローマ風だったが、ギリシャを支配下に置いてからはギリシャ文化の影響を大きく受ける。
(ギリシャ神がラテン名を持つ、エリート階級はギリシャ語が共通言語、ギリシャ彫刻の大量コピーなど)
エルトリア(BC700~BC600)…トスカーナ地方に存在した独自の風俗、生活様式。死後の世界を信じ、死者のための町(ネクロポリス)として立派な墓を作る。ブロンズなど金属加工に優れる。半円アーチの建築も特徴。
五賢帝時代(AC96~180)時代に勢力図は最大になり、ギリシャとローマが融合した独自の美術誕生。先祖崇拝の習慣から、頭部、胸部の彫刻が流行る。皺は威厳ある老人と見なされた。
代表…コロッセオ(AC80)、テルマエ、凱旋門、パンテオン(AC128)
初期キリスト教美術…AC313にミラノ勅令で信仰の自由を認められるまで、地下の共同墓地(カタコンベ)の葬礼美術がキリスト教美術とされる。
AC392にローマ国教となり布教のために目で見る聖書として宗教美術が肯定化される。
絵が平面化&誇張。偶像崇拝禁止から彫刻が衰退。
バシリカ(4~7世紀)…まだローマっぽい
ビザンティン(5世紀)…ドーム型の屋根が特徴
●ロマネスク(11~13世紀)…北ヨーロッパのフランク王国分裂により修道院や教会は郊外に建てられ、教会様式の建築美術が発達。木造から石造へ、壁が厚く窓が小さい。半円アーチがロマネスクの特徴。
●ゴシック(12~)…11世紀に行われた十字軍遠征による聖遺物がヨーロッパにもたらされ、12世紀以降、聖遺物崇拝が強くなり、巡礼ブームが起こり、宗教美術が発達。フランスで政治的思惑からゴシック建築(イタリア的にはゴート=野蛮人)を奨める。高さを出し、尖塔アーチが特徴。ステンドグラスで聖書のシーン等を表し布教を分かりやすくする。西が入り口で、祭壇が東の光を取り込める配置が多い。
代表…シャルトル大聖堂(1144)、礼拝堂サント・シャペル(1248)
●国際ゴシック(14世紀)…北の伝統とイタリアの伝統が融合
ゴシックの高さ競争が終息し、神から自然世界へ注目が集まる。貴族達の見栄で装飾が豪華になっていく。
代表作…ベリー公のいとも豪華なる時祷書(ランブール三兄弟)
ペスト大流行
イギリス対フランス100年戦争
●ルネサンス(14~16世紀)…イタリアを中心に古代ギリシャ、ローマの学問や芸術の再生(ルネサンス)が活発に。ラテン語の習得や神話文学の教養の重要化。
代表作…スクロヴェーニ礼拝、ユダの接吻(ジョット・ディ・ボンドーネ)
●北方ルネサンス(14~16世紀)…スペイン領ネーデルラント、フランドルの絵画技術。中世、ゴシック的な神中心の精神世界に写実性の高い室内描写が特徴。シンボリズムが発展する。正面向きは聖なる存在のみなので、一般の肖像画は3/4向き。
代表作…アルノルフィーニ夫婦像(ヤン・ファン・エイク)
ヒエロニムス・ボス(1450~1516)…人間社会の風刺、宗教問題を暗示する絵を描く。快楽の園
ピーテル・ブリューゲル(1525~1569)…ブルジョアなのに農民の生活を多く描き農民画家と呼ばれる。バベルの塔、死の勝利、ネーデルラントの諺
●盛期ルネサンス(15世紀)…イタリアで美術家たちの複数の分野における活躍した芸術家の地位が向上。絵だけだと職人扱い。
代表作…
ミケランジェロ・ブオナローティ(1475~1564)…ダヴィデ像、最後の審判、システィーナ礼拝堂の天井画
レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452~1519)…モナリザ、最後の晩餐
ラファエロ・サンティ(1483~1520)…ヒワの聖母、システィーナの聖母
サンドロ・ボッティチェリ(1445~1510)…ヴィーナスの誕生、プリマヴェーラ
●ルネサンス衰退(16世紀)…ルターの宗教改革以降、プロテスタント台頭。1527のローマ劫掠で多くのローマ人が殺され、画家達も散り散りに。
・ローマ:マニエリスム様式…画家の個性や特有技法が強調され、インテリ層メインの知識や教養がないとわからない知的な画が多い。
ジョルジョ・ヴェザーリ…ゲッセマネの祈り
・ヴェネチア:政教分離の国のため、混乱を免れ、安全かつ貿易で豊かな生活。感覚的に訴える色彩豊かな表現&世俗的、官能的、享楽性高め。油絵をカンヴァスに描く技法発見。
ジョルジョーネ…眠れるヴィーナス
ティツィアーノ・ヴェチェッリオ…ウルヴィーノのヴィーナス、フローラ
●バロック(16世紀末~18世紀)
聖書主体のプロテスタントに対抗するため、カトリックの教えを分かりやすく広めるために、宗教美術を用いたメディア戦略を取る。
ラファエロ的古典派と、カラヴァッジョ的改新派に分かれる。
・イタリア
カラヴァッジョ(1571~1610)…明暗を用いたコントラストが得意。「聖マタイの召命」「ダビデとゴリアテ」
ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ(1598~1680)…彫刻、建築家。「サン・ピエトロ広場」「聖テレジアの法悦」
・オランダ、フランドル…1633~1637チューリップ・バブル。1648スペインから独立。宗教要素薄く、市民たちがお金を出しあった集団肖像画が流行る。
ピーテル・ハウス・ルーベンス(1577~1640)…宮廷画家。王達の画家にして画家達の王の異名をとる。工房を持ち、沢山の依頼をこなす。フランダースの犬のネロが憧れた人。
レンブラント・ファン・レイン(1606~1669)…浪費癖ある光と影の魔術師。「夜警」←集団肖像なのに少人数が目立つため怒られたらしい。そして昼の話らしい
ヨハネス・フェルメール(1632~1675)…市民の日常生活を描く。そのため貧乏だった。残っている作品が少ない。光を表現するためにカメラを用いた。「真珠の耳飾りの少女」「牛乳を注ぐ女」
・フランス…バロックは流行らず、ルイ14世の絶対王政の元に、ヴェルサイユ宮殿で貴族も生活する。政治と美術が中央集権化し、王権とフランスの威光を高める様式が増える。1648パリにそのためのアカデミーも設立。
ニコラ・プッサン(1594~1665)…フランス美術を確立した人物。均整のとれた構図や調和の取れた絵を重んじる。重んじ過ぎてたまに人体の構造が矛盾することも。「アルカディアの牧人」「ソロモンの審判」
●ロココ(18世紀)…フランス内で発生した優美で女性的、色彩豊かな美術。髭剃り文化、男性の趣味も女性的に。絶対王政の反動か、不倫跋扈する享楽性高い貴族社会が多く描かれる。
フランス市民革命(1789)
ナポレオン台頭(1804即位)
●新古典主義(19世紀)
ポンペイの遺跡発掘もあり、再び古代ローマにスポットが当たる。ナポレオンが皇帝を名乗り、ローマをイメージした凱旋門を作るなど帝国を意識した建築や美術でイメージ戦略を取る。
ジャック・ルイ・ダヴィッド…ナポレオンお抱え画家。「ホラティウス兄弟の誓い」「アルプスを越えるナポレオン」「皇帝ナポレオンの聖別式と皇妃ジョセフィーヌの戴冠式」
●ロマン派(19世紀)…新古典派がデッサン重視なのに対し、人間の本質的な内面を自由に表す。中世の歴史物語(ロマンス)に由来。シェイクスピアの作品やアーサー王の伝説等が好まれる。また、一般市民の事件を歴史事件として扱い、センセーションを起こす。
テオドール・ジュリコー(1797~1824)…一般市民の事件を描く。「メデュース号の筏」
ウジェーヌ・ドラクロワ(1798~1863)…「民衆を導く自由の女神」「キオス島の虐殺」
フランシスコ・ゴヤ…スペインのロマン派。「サバーサ・ガルシア」「1808年5月3日」
●写実主義(19世紀半ば)…アカデミーの伝統に背き、ひたすら現実的な人々や日常を描く。アカデミーに背いているため当時は評価されずらかった。
ギュスターヴ・クールベ(1819~1877)…個展を初めて開催し、初めて女性の性器のどアップを描く。「世界の起源」「石を割る人」
エドヴァール・マネ(1832~1883)…近代画家の父。2次元を強調。浮世絵のコレクター。何を描くのかからどう描くのか、へ。「鉄道」「オリンピア」「笛を吹く少年」「フォリーベルジュール劇場のバー」
ジャン・フランソワ・ミレー…生活の為にヌード画を描いていたが、農民を描いて評価一転。「落ち穂拾い」「種をまく人」「晩鐘」
●印象派(19~20世紀頭)
フランスのアカデミーの古典的な規範のみを良しとする芸術方針に嫌気が指している人達で、美の反逆児と呼ばれる。マネにかなりの支援を受けていたが、マネは個展に出展せず印象派ではないらしい。自分の視覚に忠実に瞬時性を記憶し、表現する。光の表現に筆触分割法を用いる。
エドガー・ドガ(1834~1917)…マネの友人で生粋のパリジャン。踊り子シリーズと呼ばれるバレエの絵を良く描く←近代化の裏で売春や踊り子が男達の「商品陳列扱い」されているパリの闇もかいま見えるが、何も知らないアメリカで大ヒット。「エトワール」「アイロンをかける女たち」「アブシンラを飲む人」
クロード・モネ(1840~1926)…原田マハのジヴェルニーの食卓で彼の娘から見たモネの姿がわかる。子沢山。ジヴェルニーの町に家を買い睡蓮や藤を植えるなど日本好き。「印象・日の出」「睡蓮」「ルーアン大聖堂」「ラ・ジャポネーズ」
ピエール・オーギュスト・ルノアール()…女性画が多い。ふくよかな女性を多く描くが、個人の好みらしい。「ムーラン・ド・ギャレット」「水浴」「舟遊びする人々の昼食」
●ポスト印象派(1880~)…印象派内での内部対立が目立つようになる。それぞれの影響を受けて、独自の造形性を発展していく。
フィンセント・ファン・ゴッホ…「ひまわり」「タンギー爺さん」
ポール・ゴーギャン(1848~1903)…「タヒチの女」
ポール・セザンヌ(1839~1906)…「大水浴」「サント・ヴィクトワール山」
後に
ピカソ
クリムト
Posted by ブクログ
苦手な分野ではあったが何とかインプットしたくて手に取った一冊です。
数年かけて少し読んでは頭から、を繰り返してやっと読み終えました。歴史的・文化的背景を含めてとても勉強になりました。
一方で、これは致し方ないのは承知の上だが、やはり絵画はカラーで見た方が良いだろうと思いました。これはまた別の本を読んだり、実際に美術館に足を運びながら補完して行こうと思います。
長年の戦いに終止符が打たれた記念に感想を書きました。
Posted by ブクログ
タイトルの通り、教養として美術史を勉強できる本。
世界の歴史背景が美術にどのように影響を受けて変容してきたかを詳しく説明してくれてるので、世界史の勉強にもなります。
画家や絵画の歴史的背景を知った上で絵画を見るとより楽しくなると思うので、時々読み返したいなと思える本でした。
Posted by ブクログ
・美術を知ることは、その国の歴史や文化、価値観を学ぶことでもあるのです。
・ギリシャ人にとって人間の姿は、この神から授かったものであり、美しい人間の姿は神々が喜ぶものと考えていました。「美=善」という信念・価値観があった。
・ギリシャの男性に兵役の義務があった。つまり、体を鍛えることはギリシャ人男性にとって必須であり、その結果、肉体の優秀性を競い合うことになった。
・古代ギリシャでは主に男性美を追求したギリシャ彫刻が発展する。
・ペロポネソス戦争以降、粛清が行われるなど恐怖政治がアテネを支配する中で、美術における嗜好はその反動から享楽的なものを求めるようになる。
・紀元前5世紀の崇高で荘重な様式ではなく、紀元前4世紀のものは優美さを漂わせたものが多くなる。
・アレクサンドロス3世は、マケドニア・ギリシャ連合軍を率いてペルシャに遠征し、オリエントやエジプトにまたがる大帝国を建設したのち死去します。その遠征の結果、ギリシャの文明が広域に伝わることになる。
・ヘレニズム時代にギリシャ文化圏が一気に広がったことで、それまで通用していたギリシャ人特有の価値観以外の表現が見られるようになる。大王の後継者たちによって支配らされた地域とギリシャの文化が融合された「ヘレニズム文化」が生まれ、美術の様式も変化していった。
・ギリシャ的な思想ではなく、より個人的な感覚や、理想主義ではなく個性を重視した写実主義へと変化した。
・紀元前146年にギリシャを支配したローマ帝国は、建築屋芸術面でギリシャ文明を継承する。
・ローマ美術の特徴としてスケールの大きい大規模な公共建築があげられる。大規模建築を可能にしたのが、ローマン・コンクリート。セメントと砂利、もしくは粗石を混ぜたローマン・コンクリートは、強度があり柔軟性に富んでいたことに加え、切り石に比べて安価だったことからも、多くの建築の実現に寄与した。
・ローマ建築にはギリシャでは見られない半円アーチが目立つが、半円アーチ自体はエトルリア人の技術。
・キリスト教を異教とし弾圧したディオクレティアヌスの死後、キリスト教を帝国統治に利用するため313年にミラノ勅令が発布される。それにより、帝国内で異教徒して弾圧されていたキリスト教はついに公認され、信仰の自由が認められる。
・392年にキリスト教がローマ帝国で国教化。
・文明的に後進国だったアルプス以北のヨーロッパにおいて、読み書きができない人々にキリスト教の教えを伝えるために、旧約・新約聖書の物語を絵で表した「目で見る聖書」としての宗教美術が肯定され重要となる。
・シャルルマーニュの死後、フランク王国は分裂していき、北ヨーロッパは混乱の時代に突入。キリスト教の修道僧たちは街から離れた場所に修道院を建てるようになる。そこで発達したのが、修道院や教会のための様式である「ロマネスク」
・天井も木造から石造になり、その穹窿の重量を支えるために建物の壁は分厚く造られる。壁が厚いため、ロマネスク様式の聖堂は窓を大きく取ることができない。
・古代ローマ建築の特徴である半円アーチの場合はローマ風を意味する「ロマネスク」様式と見なされる。
・ロマネスク様式発展の背景には、人々の「終末」への強い意識もあった。11世紀以降に盛んになったのが巡礼地への旅。巡礼ブームの背景には、11世紀以降、聖地エルサレムやイスラム教諸国への十字軍遠征によって、多くの聖遺物がヨーロッパへもたらされたこともある。
Posted by ブクログ
西洋美術史の流れがとても分かりやすい。現代アートは好きだが西洋画の知識はほとんどなかったためこの本を選んだ。ギリシャ美術から19世紀までの歴史が書かれている。その時の時代背景、宗教が美術に影響していることがよく分かる。美術を教養として身につけることの重要性が分かったと同時に自国への理解を深めていきたい。現代美術までの歴史も詳しく知りたいと思ったため他の本も読んでみようと思う。この本を読んだことで大体の歴史の知ることができた。名画をいつか自分の目で見てみたいという思いが一層強くなった!
Posted by ブクログ
美術の潮流を大まかに理解できた。
それぞれの背景や宗教との関係、対立などが大事であると感じた。
また昔は庇護してもらい、それぞれのグループを作っていた。
フランス古典主義と新古典主義 と ヴェネツィア派とロココとロマン主義 の対立 の構図は面白かった。
Posted by ブクログ
出勤前のテレビ東京のモーサテ『リーダーの栞』コーナーで、文明堂の社長が紹介していたのを見て即購入。
ビジネス書ですが堅苦しくなく読みやすい。世界の歴史と西洋絵画との関わりや移り変りが、わかりやすく頭の中も整理されてとても面白かったです。
Posted by ブクログ
今まで見てきた絵画の意味を俯瞰で捉え直すことができて、ビジネスエリートからは程遠い私にとっても面白かった。
ただ、紀元前からの歴史を扱っているがために、それぞれの時代、絵画に対する説明はあっさりしている。
自分の好きな画家の絵について、もう少し深く知りたいなと思った。
つまり、入門書としてはきっととても良い本なのだと思う。
Posted by ブクログ
西洋美術が体系的に学べて勉強になった。原田マハをきっかけに美術に興味を持ったが、やはり美術は歴史の背景や画家の人間性など学んでから見るとより面白い。元々、印象派がやはり好きだかロココ絵画も面白いなぁと。その他にはロマン主義のドラクロワも見てみたい。印象派はやはりルノアール!でもマネの絵も最高です。とにかく2021は美術館に行こう.!
Posted by ブクログ
『13歳からのアート思考』に続き、自分の中での美術シリーズ。
歴史的な背景で、なぜそのような美術が発展したのかを説明してくれている。もう少し世界史が頭に入っていないと少々厳しい。
巻頭の美術様式年表はとても簡潔で、初心者にはこれだけでも手元に置いておく価値はある。
そろそろ本物を見に行きたいところ。。
Posted by ブクログ
最近ビジネス書や自己啓発本を読む事が多く、内容もマンネリ化してきたため、毛色を変えて美術史に目を向けてみた。個人的に世界遺産が好きで資格も持っているが、美術に目を向けた事がなかったので本書を手にした。
[before]
特に美術に関しての知識や教養はなく、有名な人しか知らない上に、作品の背景についての知識も皆無であった。
[要約]
本書は、紀元前から現代までの社会の変化、文化、価値観、市民の変化を美術という観点で辿ってゆく。アルカイック、クラシック、ヘレニズムから始まり、ロマネスク、ゴシック、ルネサンス、バロック、フランス古典主義、ロココ、新古典主義、印象派と言うように各美術史の歴史の変遷を代表的な作品とともに理解する事ができるので純粋に教養が広がる。
一方、表題のビジネスに関する内容は一切ないため、単純な西洋美術史としての読み物である。
[after]
今まで絵画の背景について理解することはなかったが、本書を読んで、作品は見るものなく、読むものであるという言葉が自然と理解できた。階級や、社会、貧富の差など様々な要因が絵画にも浸透している事が容易に理解できた。イタリアから始まり、フランスやオランダ、アメリカまで広がる西洋美術史の深さ、面白さを十分に堪能できた。今後も教養を深め、絵画だけでなく世界の文化にも目を向けたい。
Posted by ブクログ
欧米人にとって美術は感じるものではなく読むもの、というのは自分にとっては新鮮な視座で、発見と気付きの多い一冊でした。
これまで、世界史を勉強しているとちょいちょいコラム的に差し挟まれる文化史としてしか「美術史」を勉強する機会はなかったなぁ。
「美術史」という一教科として日本の教育の中で定着して欲しいと思いました。
(と言う意味で、本のタイトルが、中身に対してあまり適切でないと個人的には感じました…)
以下、印象的だったところ。
・「日本人は、どうしても美術を見るときに『感性』という言葉を口にしがちですが、美術を知ることは、その国の歴史や文化、価値観を学ぶことでもあるのです。」(p.3)
・プラトンの本名はアリストクレス。プラトンは肩幅が広いというあだ名(p.18)
・キリストを象徴する魚。「『イエス・キリスト、神の子、救世主』の頭文字を組み合わせると魚(ギリシャ語で『イクテュス』)となり、キリスト教が公認されるまでは、魚の図像がキリスト教徒の隠れシンボルとなっていた」(p.49)
・フランク王国で誕生したゴシック様式。「後にルネサンス時代のイタリア人が、軽蔑の意味を込めて『野蛮人(Goth/ゴート族)の様式』と呼んだことで生まれた不名誉な名称」だが、それを抜きに西洋の建築を語ることができないほど重要な形式。支柱、尖頭アーチ、天井の交差リブ穹窿が上昇感覚を高め、ステンドグラスから光が差し込む。「『光=神』という絶対的な価値観」(p.51-53)
・14世紀イタリアで興ったルネサンス。「美術家は、労働者的な職人という社会的地位から、文化人貴族的な地位へと徐々にその地位を向上させていきます。(中略)その人物の精神や知性が反映された作品が、『商品』ではなく『芸術品』と見なされるようになるのです。」(p.66-67)
・「15〜16世紀のネーデルラントは、経済的・政治的、そして文化的にも、美術史だけでなくヨーロッパ史において大変重要な地です。」(p.75)
・1517年ルターの宗教改革、カトリックvsプロテスタント→新たな宗教芸術・バロック美術。17世紀フランドル(南ネーデルラント≒ベルギー)の絵画王ルーベンスについて。「デザイナーがデザイン画を描くように、ルーベンスは油彩下絵(モデッロ)で絵画構想をまとめ、それを手本に助手たちが制作を担い、ルーベンスが最後の仕上げのタッチを加えたものが『ルーベンス作』と見なされたのです。現代におけるデザイナーズブランドの社長のような存在だったのが当時の大画家たち」(p.102-116)
・17世紀オランダの絵画ジャンルのヒエラルキー。歴史画>肖像画>風俗画>風景画>静物画(p.120)
・1789年フランス革命→1804年皇帝ナポレオン→ブルボン家ルイ18世→オルレアン家ルイ=フィリップ→1848年二月革命、1852年ルイ=ナポレオン・ボナパルト。美術界にも社会主義者の画家ギュスターヴ・クールベが登場。クールベは二月革命による第二共和制を支持した共和主義者であり、社会主義思想にも共鳴していた。「『私は天使を描くことはできない。なぜなら、私は天使など見たことがないからだ』と語ったとされる彼は、造形的には古典主義やロマン主義とも距離を置いた写実主義(レアリスム)の推進者でもありました。」(p.176-178)
・「戦後の日本における大衆化した成金的ブルジョワジーのことではありません。今や日本では絶滅寸前と言ってもよい、一部のエスタブリッシュメントに残っている古きよき時代の控えめなエレガントさを湛えたブルジョワジーです。」(p.216)
Posted by ブクログ
確かに美術とは読むものなんですね。歴史となぞらえると美術の流れが良く理解できます。 昔、歴史の勉強で、文学美術が苦手でしたが、このように歴史とキッチリ結びつけて行けば、楽しく覚えられると思いました。 手元に置いておきたい一冊です。
Posted by ブクログ
西洋美術は見るだけではなく、読むもの。
歴史的な出来事と美術史の関連が網羅的に記載されていて、文脈を理解するために美術館に行ってみたくなる。
美術館に行って、またこの本を読むとまた理解が深まりそうで、それだけで読む価値がある一冊。
Posted by ブクログ
この本の中で古代ギリシャから始まり、中世、近代での美術の立ち位置を感じることが出来た。美術が誰の為に作られ、どのようなものが好まれたか、その時代の宗教(カトリック、プロテスタント)、国の体制に深く関連しているという事がよくわかる。
Posted by ブクログ
・美術史とは、世界のエリートの、共通言語である
・美術を知ることは、その国の歴史や文化、価値観を学ぶことでもある
・それぞれの時代の政治、宗教、哲学、風習、価値観などが造形的に形になったものが美術品であり建築
・美術は感性で見るものではなく理性で読むもの
初心者にもとても読みやすい本です。
丁寧にわかりやすく、興味深い話題を交えて西洋美術史について順を追ってまとめてあります。
Posted by ブクログ
歴史で見る美術、とても勉強になりました。
名作と言われた絵画にもその時代の経済状況や宗教の絡みなど、様々な背景が重なってできたものなんだなと思いを馳せました。
特に1800年代のフランス、クールベの登場まで民間の方々を主題に絵画を描けなかったというのは、表現の自由に強烈な制限がかかっていたんだなと感じました。
これから絵画に触れるときは、その作品の歴史的背景も意識したいと思いました。
Posted by ブクログ
横文字の人名が多いとどうしても混乱しやすいのと、国名が(当たり前だけど)馴染みのないものが出てくるので時代的な流れがつかみにくい。
ただ美術史の大きな流れは分かりやすく書かれており、別の視点から世界史を学んでおくと知識がつながってとてもおもしろいと思った。
ビジネスエリートと書いてあるけど、歴史に興味があるなら読んでおいて損はないと思う。
Posted by ブクログ
西洋美術史の表面をなぞる本。かなり初歩的で易しい内容でした。
ただ、手に取る多くの人にとって既知の事実が多いかと。
個人的にはヘレニズム以前とネーデルランドの美術史に疎かったので勉強になりました。
Posted by ブクログ
美術史入門書。文章は優しくとっつきやすいが、ビジネスエリートがという部分が薄い。
タイトルに期待して手に取った方は期待外れかも。内容的には読みやすかったが、ビジネスへの活かし方がよく分からなかったので、3.5。
Posted by ブクログ
今年16冊目。
新婚旅行でイタリアで芸術に触れたこと、天使と悪魔やダ・ヴィンチコードを読んだり、もともと古代ローマやギリシャに興味があったこともあり、
西洋美術史を流れや時代背景とともに理解したいなーと買った1冊。
簡素化されていたけど、思ったより知りたいことが知れて面白かった!