あらすじ
元AV女優の母親を憎む少女・あやこ。家族に黙って活動を続ける人気AV女優・彩乃。愛する男とともに上京したススキノの女・桃子。夫のAVを見て応募した妻・美穂。四人の女優を巡る連作短編小説。
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Posted by ブクログ
芸能人(作家が本業でない人)が書いた小説を読むのは初めてだったけど、叙情的でのめり込んでしまった。どんどん読み進めて最後のほうは終わるのが惜しくてペースダウンしてちょっとずつ読んでた。
北海道や石川県の景色も想像しやすかった。
もっとたくさんの作品を読みたい。
Posted by ブクログ
現役AV女優さんだからこそ書き上げることができる生々しさなんじゃないかと思いました。
"身バレ"や"偏見"、様々な線がAV女優さんとこちら側に深く引かれているような感じがします。
少し前にTwitter(現X)でもAV女優さんが帽子ブランドとコラボして議論になりましたが、紗倉まなさんのあとがきを読んで真っ先に浮かんだのがこの炎上事件でした。
どこか他人事のように感じていたものが、一気に身近になったような…AV女優さんと世間の違いはなんだろう、と考えさせられるお話でした。
恋人との一夜で、ふたりだけが持つ動画を撮影したことがある人だっているでしょう。そんな少しアブノーマルな一夜と、お仕事として一夜を売る女性達。
私には、表裏一体のような気がしてならないのです。
Posted by ブクログ
AV女優の方の小説ということで気になって購入。とても読みやすくておもしろかったです。
この作品を通じてAV女優になる方の心理的部分がなんとなくわかった。
あとがきの内容も紗倉まなさんの想いが詰まってて知性的な方だなと感じた。
好きな部分抜粋
・大変なときこそ誰よりも余裕をもつべきだと思うの。美味しいもの食べて、ゆっくり考えればいいじゃない。
・新婚旅行までが、幸せの絶頂だった。
・どこまでも駆け抜けていきそうなほどパワフルだった母の、今では目に見えて弱くなってしまった姿。ずっと、強くいてほしかった。いつまでも。……
・まだ十八だった娘が。かわいくて繊細なものを扱うように、たいせつに、丁寧に磨いて育てたというのに。あっけなく、行ってしまうのね。
・人は働くことをやめた途端に何かに憑かれたかのように萎えていく
・わたしじゃなくて、おばあちゃんにとって、かわいいのは、ママ。
・書きたいことをただ書くだけなら、それはただのオナニーです。それならネットに掲載でいいんです
Posted by ブクログ
AV女優、紗倉まなさんによる短編小説集。タレント本だと思って軽い気持ちで読み始めたが、テーマ設定やストーリー展開など、小説として不自然に感じることは特になく面白かった。AV監督、AV女優を母に持つ娘など主人公の境遇も興味深く、この小説は紗倉まなさんではないと書けなかった文章なのだろうと感じた。
愛情の形というのに定型はなく、自分がそれぞれ倫理や本能、衝動といった欲望に苛まれながら、それでも自分を見つめて生きていかないといけない、そういったことがテーマかなと思った。
Posted by ブクログ
AV女優な女性たちをとりまく短編小説集。
作品というよりも、著者のあとがきの方が真実味があっておもしろかった。表紙ほど、エロ描写はなかった。あえてはぶかれているのだろうか。むしろそういうときの思考回路とかをのぞいてみたい気がした。意外と、ふつうの人たちの普通の小説なのだなあという感じだった。それぞれは短くて、読みやすい。