あらすじ
「夜寝ていると、めちゃくちゃに顔を撫でられて起こされる。それが人生最初の記憶……」 幼い頃から、父の酒癖の悪さに振り回されていた著者。中学生になる頃には母が自殺。それでも酒をやめようとしない父との暮らしに、著者はいつしか自分の心を見失ってしまい…。圧倒的な反響を呼んだ家族崩壊ノンフィクションコミック。読後涙が止まらない全11話に、その後の描きおろしを収録。家族について悩んだことのあるすべての人に読んでほしい傑作。
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酒癖の悪い父との出口の見えない暮らし。
もしかしたら、もしかしたらと期待をしては裏切られる日々。
無責任に飲ませるだけの近所の人や
真性クズな恋人には頼るどころか、逆にストレスを受ける。
共に暮らし、明るく振る舞ってくれる妹だけが心の支え…。
生活に疲れ果て、次第に感情を失っていく著者の菊池さんの姿が
読んでいて心底痛ましいのですが、
最後まで見届けなければという強い使命感にかられ、一気に読みました。
「毒親」という言葉が浸透する一方で、子供に関する痛ましいニュースが連日報じられ、
親子の問題は今後さらに多様化していくのではないでしょうか。
この本との出会いで、悩んでいるのは自分ひとりではないと気づきを得る人が
ひとりでも増えるといいなと思います。
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Posted by ブクログ
これ読んで、そんなに父親が嫌なら別居すればよかったのに…って思う人いそうだけど
この人は父親に見切りをつけられなかったから、同居の道を選んだんだと思う。
何度も何度も父親と「ふつうの家族」になろうとして、その度に裏切られる作者の姿がとても切なかったし、
父親を諦めきれなかった故か、深刻な認知の歪みを抱えたまま大人になって
無意識に父親と似たようなパートナーを選んでしまう流れが本当に怖かった。
結婚前に別れられて本当に良かった。
作者の認知の歪みが自分とそっくりで、読み終わった後相当辛い気持ちになった。
毒親を持った人間の認知の歪みがしっかり描写されていて本当に良い作品だと思うが
良い作品故に、毒親関係で苦しんでいる人にはおすすめしない。
過去の辛い思い出がフラッシュバックする可能性があるから。
(もしくは「うちはここまで酷くないから大丈夫」と思い込んでしまうか、どちらか)
「毒親」という言葉を知らない、馴染みが無い人にこそこの作品を読んでほしい。
毒親に見えない傷を負わされて、認知の歪みを持ったまま大人になってしまった人は本当にたくさんいるので
そういう人たちの存在を少しでも知ってもらいたい。
重なる
ウチも一般より父が飲み過ぎる方だった。
朝起きると冷蔵庫の前に時折、吐瀉物。平日は毎日飲むから寝た後にしか帰宅しない、わたしの登校時間はまだ寝ていて、週末は昼過ぎまで寝ているし、起きてもほぼ会話などした事はなかった。お互いに話す事はなかった。
父が酔って帰宅し、何か温めようとしたらしく、そのまま火が消え、ガスだけ漏れ、
明け方まだ小学生だった弟がトイレに起きて気づき、兄弟で急いで家中の窓を開けた事もあった。そんな中も、父は食台で突っ伏して寝たまま。その日何故かたまたま母はおらず実家に行っていた。思い返せば母が実家に一人で泊まったなんてあれっきりだったかもしれない。
ガス漏れ未遂事件はもっとあったんだろう。母が居て防げていたんだろう。
そして、私も弟も大人になり、泥酔するようになった。
母からは母からで、子供時代は精神的な嫌がらせも多かった。父より母の方を憎んでいた。
嫌な思い出ばかりの子供時代だが、大人になってからも認知の歪みでこんなに苦しみ、人生に行き詰まると思わなかった。
戦ってらっしゃる作者の姿を見て、息を飲み手を握り合わせて幸せを願います。
Posted by ブクログ
普段は無口で大人しいけど、お酒を飲むと豹変する父。
そんな父に著者である娘とその妹、母は振り回される。
著者は隠れて泣いている母を見ても無かったことに。
父は母を女として愛することはなく、召使いのように扱っていた。
そんな繰り返しで著者が中2の頃、母は首を吊る。
ただただ重い話が続き、読む手が進まなかった。
大人になってからも、家庭のトラウマから解脱できずに、父と似たようなパートナーを選んでしまう著者。
著者のように家庭環境に苦しみ、もがいている人が今もたくさんいると思うと心が痛む。