あらすじ
ノンフィクション作家の山根一眞が1998年から取材を始めた電波望遠鏡「アルマ(ALMA)」。
この電波望遠鏡は、南米チリのアンデス山脈のアタカマ砂漠、海抜5000mの高地に設置された。
そこは草木が一本もないまるで火星のような光景が広がる砂漠である。
その砂漠に全66台のパラボラアンテナからなる電波望遠鏡が設置され、
2013年3月13日に完成式典が行われた。
アルマという巨大な電波望遠鏡が完成することによって、
日米欧による過去最大といわれる国際共同プロジェクトが、幕を開けた。
本書では、30年にわたる巨大電波望遠鏡の開発と建設のプロジェクトを追うことで、
長く凋落ばかりが語られてきた日本のものづくりの底力と日本人の努力の大きさを伝える。
作者は現地のほか、電波望遠鏡の建造に携わった天文学者たち、ものづくりのメーカー、
そして町工場などを訪ね、数多くの取材を丹念に重ねてきた。
そうした関係者の熱い思いをインタビューしながら、
アルマの全貌と宇宙の果てを探る壮大なミッションを丁寧に解説する。
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
プロジェクトXの原作としか思えない、メタルカラーの時代を愛読していたkitanoが山根式袋ファイルを実際に使用していたのは内緒だ
『スーパー望遠鏡「アルマ」の創造者たち』を読み終えて、小泉政権下での予算カット、でも「限られた予算の中で、極限の技術を結実させた人々の執念」がこもった本書は高揚感が溢れる
ALMAは標高5000mのアタカマ高地に66台のアンテナを展開する世界最大級の電波望遠鏡群、日本は全体の約25%を担い、特にアンテナ12台とBand 10の高周波受信機、相関器などで重要な貢献を果たしました。本書は、その建設過程を研究者・技術者・町工場の職人たちに密着して描いていて、精緻を極める技術と予算制約とのせめぎ合い、微小部品を12万回転の超精密加工で仕上げるBand 10受信機の開発、鏡面精度を極限まで追い求めるアンテナ製作、チリ現地での「野ざらし組み立て」によるコスト削減など、予算が十分に付かない中で生まれた数々の知恵と工夫が光る
輸送の制約、国際調整の難航、極寒・低圧の過酷環境下での現場対応——大手企業と無名の町工場が連携し、失敗を繰り返しながら一歩ずつ前進する姿、亡くなられた方々のエピソードも含め、個人の情熱が巨大プロジェクトを支える様子が克明に記されている
Posted by ブクログ
チリ、アカタマ、アルマ山麓。世界最大の電波望遠鏡。
ベースとなった野辺山の口径10mのサブミリ波アンテナ「レインボー」
205枚のアルミパネル、各面精度5ミクロン。
全パネル各3か所の支持部に調整機構。
加工歪を無くすため、マシニングセンタ加工時、ワーク背面からツールと同じ位置で同じ力で押し付ける。
太陽光を集光する表面は鏡面にならないよう、エッチング加工。
メトロロジーフレーム
アンテナ架台部ゆがみをレーザー計測し補正。
コンマ数秒角の精度。
7mアンテナはCFRPフレームでは予算が足りず。
鉄のパイプの中に風速10mの送風。
アンテナ外周の換気翼からの外気で中を均等に冷やす。パイプ内の錆を防ぐ吹付け塗装。
12mアンテナ
面精度25ミクロン、環境-20度~+20度。
月に置いた携帯電話の電波を受信できたら、宇宙最大の電波になる。
アンプを絶対零度近くに冷やし、電子の雑音を抑える。
最難関の「バンド10」受信機を担当。
貢献度による決まる観測時間を25%に増やす。