あらすじ
「音楽が鳴り止まぬうちは、踊り続けろ」と米シティグループの最高経営責任者(CEO)だったチャック・プリンス氏は言った。
昨今出版界では「バブル回顧もの」企画が相次いでいるが、本書は「過去のバブル」ではなく「今起きつつあるバブル」を探る企画。
日本経済は、「バブル期以来」「バブル期超え」を示す指標が相次いでいる。
人手不足の目立つ雇用市場で、有効求人倍率は1.5倍を突破し、高度成長時代の1974年並みになった。
一方で、政府・日銀は経済成長と物価上昇率2%を目指し、マネーをジャブジャブに供給し続ける姿勢を崩さない。
この状況が続ければ、経済の実態を上回るマーケットの過熱=バブルが再び起きるし、現にその兆候はそこかしこに見られる。
今回のバブルは過去のバブルとは違う形で起きる。株価はなかなか2万円台を定着できず、80年代のような過熱感はない。
一方で債券市場は日銀の管理下のもと、典型的バブル状況。また相続税制度のゆがみをついたアパートローンの膨張、
インバウンド消費を背景とした一部商業地地価上昇など、過去になかった事態が相次いでいる。
著者は2017年4月よりBSジャパン『日経プラス10』のメインキャスター(月曜日と水曜日)を担当。
日経新聞のコラムやツイッターともに、このテーマで情報発信している。
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Posted by ブクログ
まさにタイムリー!
2月に入って株式市場の大幅な調整を迎え、
その後のマーケットも信頼感が薄く
ウロウロしている最中に本書を読みました。
滝田さんの文章やお話は、
例えが上手なので尊敬します。
「この言葉を使えば誰もがイメージできる」という、端的にその事柄を表現する語句を持ってくるんですよね。
ダラダラとした説明がなく、「言い得て妙」な単語。
そのためとてもリズミカルで、非常に読みやすいんです。
ところで滝田さんといえば、新書の論調はもっと硬かったと思います。本書は、まるでエッセイかと思うような出だしの第1章。するするっと引き込まれて行きました。
何気ない日常の出来事や街の様子から、景気の動きをキャッチします。その感覚、そのアンテナが投資家や生活者としてとても大事。
つまり、バブル崩壊に巻き込まれない防衛術なのです。
滝田さんの視点を真似て街を歩けば、景気の先読みができるようになるのではないか? と思います。大変勉強になる1冊です。
日銀の今後の出方はどうなるのだろう?
いま、誰もがそう思っていると思います。ぜひ、大きな動きが出る前に、本書を通読されることをお勧めします。