【感想・ネタバレ】ゴッホの耳─天才画家 最大の謎─のレビュー

あらすじ

1888年、フランスに滞在していた画家のゴッホは、己の右耳を切り落とす――現在でも語り草になっているこの衝撃的な事件はなぜ起きたのか? イギリスの気鋭の歴史学者が世界各地の調査をもとに新事実・新資料を発掘し、「狂気の画家」の知られざる一面に迫る!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ゴッホはひまわりを描いた
酒と女に狂った
おかしくなって耳を切り落とした
そして自殺して時がたって絵が売れ出した


そんなイメージだったけど、これを読んでみてそれらは一新。伝道師になりたかった。女性達を救いたかった。感受性の強い彼は周りの不幸を自分のことのように感じたのだろう。いてもたってもいられなくなった彼は奔走する。

けれども、それらは成功しなかった。多くの挫折の跡を感じ俺を悲しくなった。

自分は良しと思ってしていることがから回るなんてことはみんな経験してるんじゃないかなぁ
俺こそが彼女を幸せにできる!とかね
でもうざがられる、みたいな
それをめげずにめげずに何度も何度も繰り返す

狂ってると言われても不思議ではないけれど、不器用な彼を好きになった。確かに彼の絵からは泥臭さみたいなものを感じるし
絵というもの、とりわけ思いがこもっている絵は必ず人に届くってことがわかる良い例

そしてなぜ絵を描き続けたんだろうか
彼の絵は生前では一枚しか売れていない
『好きだから』で片付けてはいけない理由がここにあると思う
趣味や仕事それらとは違う絵の付き合いかたをしたい俺は、このことを考えたい。

彼の優しさ、不器用さを知れて、自分にとっての絵を考えさせてくれる本だった。

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2019年02月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

謎に満ちた画家ゴッホ。
自ら切り落としたとされる「耳」の謎を追う。

著者の、大量のデータベースを作成し真実を探求していく姿勢にまず驚かされた。
けれどこれは単なる「耳」の謎解きに留まらず、ゴッホが過ごしたアルルの素晴らしい自然や、数々の絵を描いた背景も丁寧に綴られてあり、ゴッホの魅力を再確認させるものだった。

気性が激しく些細なことにも思い詰める質のゴッホ。絵を描くことに情熱を注ぎ、どんなに過酷な環境の中においても自分の絵を描き続ける。
彼が生み出す優しい色使いや筆のタッチは見ている者を癒してくれる。
病に侵され思うように描けない苦悩や絶望。
そして最期は非業の死を遂げてしまう。
そんな常に不安定な状況の中にある彼が、自分の甥の誕生を祝って描いた「花の咲くアーモンドの木の枝」は日本の桜を彷彿とさせる位優しさとおおらかさを感じる作品で、正に「生きる」力を連想させてくれる。
日本を愛し日本の浮世絵から多大なる影響を受けたゴッホ。
一度も日本の地を踏むことは叶わなかったけれど、彼の絵が彼に替わって日本の地を訪れ多くの日本人に愛されている。
それはとても素敵なことだと思う。

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2017年11月04日

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