あらすじ
田中幸乃、30歳。元恋人の家に放火して妻と1歳の双子を殺めた罪で、彼女は死刑を宣告された。凶行の背景に何があったのか。産科医、義姉、中学時代の親友、元恋人の友人、刑務官ら彼女の人生に関わった人々の追想から浮かび上がる世論の虚妄、そしてあまりにも哀しい真実。幼なじみの弁護士たちが再審を求めて奔走するが、彼女は……筆舌に尽くせぬ孤独を描き抜いた慟哭の長篇ミステリー。
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Posted by ブクログ
読み終わった後1番感じたのはやるせない気持ちだった。彼女にとっては望んでいたことだったけど、本当に望んでいたのか?生を凌駕するほどの死にたい気持ちとはどういったものなのか。何度も裏切られ、辛い人生を歩んできた彼女だが、最後にもう一度だけ、生へ執着して欲しかったと感じる。幸せになる彼女を見てみたかった。
登場人物それぞれの回想で綴られる幸乃は純真無垢な心根の優しい人物であり、心の支えになる人や無条件に信じられる存在がいれば彼女の人生は全く違ったものになっていただろうと思う。辛い。。
Posted by ブクログ
根性でどうにもならなかった発作
9月15日だけは自分の強い意志により耐え得る強い覚悟。
しんちゃんと幸せな未来を想像し願いながら後半は読んでいたけど、雪乃を救える未来はこれしかなかったのかなとも思う。
死にたがる幸乃も願いながら読んでいた私も傲慢か。
Posted by ブクログ
なんだかなぁ…なんでかな…
どこで掛け違ったのか。
愛情を注がれて来たからこその、一度の裏切りとも言える父の振る舞いへのショック。そこから歯車が狂ったのか、母の面影を追い求めたのか、幼い頃の幸乃の苦悩が分かる内面の描写はなかったけれども、天真爛漫な子どもが中学時代には変貌しており、その間の生活を思うと相当悲惨な時間を過ごしたのではないかと想像されるほどに辛い変化。
今もテレビでは事件のニュースが流れているが真実は分からない。複数の視点から少しずつ見えてくる関わる人の裏側、罪、罪、罪、、
最後までどうなるのか救いを求める思いで心拍数が上がったが、、
読後の強烈な虚無感。これこそが幸乃が抱えていた強い感情だったのかもしれない。
でも、やっぱり、なんで、と思わずにいられない、すごい小説でした。
Posted by ブクログ
重っっ、激重
幸乃の人生を想像しただけでキツイ、、、
もう感情があっちこっちにひっくり返りまくって忙しかったです
最初幸乃の犯行内容を聞いた時は正直ドン引きしてしまったけど、幸乃が冤罪だと知った時、申し訳ない気持ちと、絶対に冤罪だと立証?して欲しいと思ってた
けど、幸乃がついに死刑執行になってしまった時、悲しい気持ちもあったけど、幸乃が1番望んでたのはこれだったんだなと分かって、冤罪だと認められて欲しいと思ってた自分に腹が立ちました。
すごい小説だったなあ
人間はどこまで行っても自分勝手で傲慢な生き物だとまたもや思い知らされる小説でした
Posted by ブクログ
この物語に私に伝えるメッセージはなんだろう、と考え始めたのは、中年の専門講師の「物語には必ず著者のメッセージがあって、それを言語化できなければならない」という言葉を聞いた時からだった。
その言葉を聞いた時私は、否定も肯定もできなかった。肯定すれば今後の物語との出会いに何か制限を課せられたような気がしたからだ。否定できなかったのは、反論する程の論理を立てられなかったからだ。
そして今日私は、その専門講師の言葉が崩れていくのを感じた。なぜか、私は、この本で田中幸乃の人生を見たからだ。それは、こういう風に生きろとか説法を唱える文章ではなかった。田中幸乃という人生が伝える一言では済まされない、現代の言葉では表現しきれない何か、その解説でようやく腑に落ちる。
田中幸乃を物語の一人として受け入れられない。確かに柔和な表情をこぼす彼女を私は見た。そして、彼女をかたちづくる、一番の理解者である早見和真先生も隣にいる。
早見先生、田中幸乃の人生を見せてくれてありがとうございます。
本がある理由を教わった一冊になりました。
悲しいけれど不思議と爽やかな話
ストーカー行為の末、元彼の奥さんと二人の子供を(お腹の子供を入れれば3人)放火で殺害した罪で死刑判決を受けた女性。
その女性を助けようとするかつての幼なじみ達の何年にも渡る奮闘を描いている。
真相はほのかに予測していたが、ラストは…
淡々と時が流れていくストーリーが最後になって急にサスペンスっぽくなって、一気に読みきってしまった。
私はもう一つのラストシーンを想像した「間に合っていたら」
しかし何故がこのラストが爽やかな印象を残す。
心に残る作品
Posted by ブクログ
死ぬために生きる。
この作品に登場する人物は誰も幸せではなく、また一人を除いて救われることはない中で幸乃が最後に人生で初めて他人に抗ったことで読者の私もどこか救われたような気がします。
Posted by ブクログ
めっちゃ面白かった。
感じたことのない読後感。
メリーバッドエンドってやつ??
でもそんなことじゃないのよ。最後数ページは単純に命が終わることへの恐怖とか、そういう気持ち。
真相は対して面白くない。でもそんなことじゃない。結末が心抉られた。
感情がムズいねん。だから最高の小説やって思える。
辻村さんの解説もいい。
思ってること言ってくれる
Posted by ブクログ
無力。ひたすらに無力。
ただ、この無力さを物語を通して伝えたかったのかとも思う。
進んでいるようで結局はニュースを側から見ている人が想像する通りの結末になってしまう。
ある種終盤で期待を裏切ってくれる作品が多いので、この終わりは確かに衝撃と言える。
読解力が不足していたら申し訳ないけど、慎一は何をしてんの!?
Posted by ブクログ
僕は幸乃を信じることができませんでした。
幸乃は作中を通して常に善人として描かれていたのに、彼女が殺人事件を起こしたことを疑問にすら思いませんでした。慎一は幸乃ちゃんはやってない。みたいなセリフでは翔と同じようにそんなことねーよ頭お花畑かよ。と思いました。これを読んだ人は誰しもそう思ったのではないでしょうか。作者にしてやられました。悔しいです。信じることって難しいですね。
Posted by ブクログ
誰かが必要としてくれてるけど、1人だと思いそれに気づかないでしんだほうがいいと思ってる主人公がつらい。
最後は全然ハッピーエンドじゃなく、こういうことで冤罪もうまれるんだなと思った。
内容はおもしろいが、物語に入り込んでしまって読むのちょっとしんどくなる。
Posted by ブクログ
読みはじめたときは
理不尽な話だ、冤罪だ、これは真犯人を見つけ出して…解決、って話かなって思ったけど
違った。
1人の女性の一生の話。
死ぬために生きようとする姿…
死に向かうときだけ
しっかりと自分の意思で生きることを望んだ
生きたその数分先には終わる命のために。
終わらせるために、生きた。
救われない話に思えたけど
田中幸乃だけは救われたと思う。
Posted by ブクログ
実は冤罪の死刑囚の女性の話。
基本的にはずっと暗くて、嫌なことが起きそうな空気感が辛いのだけれど、
文章力が高いのでスムーズに読み進められた。
全てが悪い方に向かう。ちょっとストーリー上ご都合主義的な不幸が多かったかな。
報道やSNSでの印象と真実は全く異なる。
「真実はひとつ」という見慣れたフレーズが胸に刺さった。
学生時代の友達からの裏切りは許しがたかったけど、若さってそんなもんか、とも。
最後冤罪の証明が間に合わず、
死刑が執行されたのは結末としては好みではあった。
「かわいそう」なんて簡単な感想は出てこなくて、
とにかく無力感でいっぱいだった。
刑務官になった女性が、
自分の代わりにその無力感と闘ってくれた気がして、
胸が熱くなったし、救われた。