あらすじ
2001年の9・11同時多発テロ後、アメリカの情報・軍事政策は一変した。中東やアフリカの各地で、中央情報庁(CIA)は無人機に頼った暗殺作戦に血道を上げる準軍事組織に様変わりし、一方で国防総省(ペンタゴン)は自前のスパイ組織を立ち上げ、特殊部隊が 正規の戦場の外でテロリストを狩り始める。両者は互いの縄張りを奪い合い、次第に確執を深めていく――。
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Posted by ブクログ
911のテロ以降、情勢を収集・分析し提供する組織から、暗殺リストを基にドローンでアメリカの敵を消す軍事組織に変貌を遂げるCIAを描いたノンフィクション。
時系列ではなく、現場の工作員から大統領まで登場人物が多く読みづらい。
しかし、軍隊を持つ国防総省と情報収集・分析から軍隊を持とうとするCIAの役所間の権力闘争は見どころ。本来のヒューミントを中心とした情報収集能力の低下もしかり。
テロリストを擁護するつもりはないが、相手国家への主権侵害が恐ろし過ぎる。
著者の暗殺に対する批判的な姿勢は、アメリカ人の良心が生きていると感じることができるのが唯一の救い。
ティム・ワイナーの名作「CIA秘録」で描いた投機的秘密工作の失敗以降の話が楽しめた。
映画ホースソルジャー、13時間ベンガジの秘密の兵士、ゼロダークサーティを理解するための参考図書にもなる。