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2001年の9・11同時多発テロ後、アメリカの情報・軍事政策は一変した。中東やアフリカの各地で、中央情報庁(CIA)は無人機に頼った暗殺作戦に血道を上げる準軍事組織に様変わりし、一方で国防総省(ペンタゴン)は自前のスパイ組織を立ち上げ、特殊部隊が 正規の戦場の外でテロリストを狩り始める。両者は互いの縄張りを奪い合い、次第に確執を深めていく――。
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Posted by ブクログ
ピューリッツァー賞受賞記者が挑むアメリカの対テロ戦争の内幕。ビン・ラディンを筆頭としたCIAによる世界規模の”人間狩り”がメインテーマ。ターゲットの顔がわからないところから諜報活動が始まり、輻輳する真偽の怪しい様々な情報をどう捌くか/割り切るかに悩みつつ、CIA, ペンタゴンの米国内での小競り合いな...続きを読むど事実はスパイ映画より奥深いんです。
冷戦時代におけるCIAの活動として、ソ連および衛星国の秘密情報を盗み取る、偽情報を流す、心理作戦を仕掛けた。ところが、ソ連崩壊以降、諜報活動は減少して、それに伴いCIAの予算も削減された。そんな最中、21世紀初めに9.11同時多発テロが起きた。これをきっかけに、CIAは大統領行政命令以降控えていた...続きを読む秘密戦争を再開した。加えて暗殺ドローンを導入したことで、CIAは人間狩りすなわち特定個人に向けてのインテリジェンス活動が本格化する。かつて20世紀前半、戦車と航空機が世界大戦を左右したように、また20世紀後半、核弾頭と大陸弾道弾が世界情勢の均衡に影響を与えたように、暗殺ドローンの導入によって、これまで以上に戦争の敷居が低くなり、対外戦争がやりやすい体制となった。ブッシュ以降、CTCが活発化して外国の活動が本格化した。しかし、人間狩りを中心にした諜報活動においては、外国の情報機関に依然せざるをえない状況となった。また、パキスタンのドローン戦争やイラク、アフガニスタンの軍事支援など一貫した計画がある一方で、ソマリアのようにその国の中央政府と協力関係ではないことから、その国に関して精通する人が少なく、それゆえに秘密戦争の実行が難しい国もある。
日本では詳しく伝えられることの内、9.11以降のアメリカの“テロとの戦い”の内幕。 驚きました。CIAが映画さながらの暗殺機関に変貌していたとは。ちょっと前までCIAは、巨大な官僚組織で、十分なインテリジェンス活動は行えていないと言うイメージだったんですが、9.11で息を吹き返しましたね。 そし...続きを読むてもう一つの驚きが、アメリカ軍自体が、独自の諜報機関を養成している事。本書中で、「CIAが準軍事組織と化し、軍がインテリジェンス機関と化す」と言う様な事が書かれていますが、正にそのような、どっちがどっちなのか、良く分からない混とんとした状況になっている様です。 それと確信したのが、やっぱり“テロとの戦い”って、結局はテロリストの再生産に過ぎないのではないかと言う事。あまりにも貧弱な情報を下に活動するので、付帯被害が大きすぎます。結局のところ、CIAや軍との利権を確保した者たちが潤っただけで、CIAも軍も、本来目指したことはできていないのではないかと思います。その証拠に、未だに世界は、危険に満ち溢れていますよね。
「CIA」と聞いてイメージするものの実体は現代では存在しないことがよくわかった。すでに軍と見分けがつかなくなりつつあり、単なる暗殺部隊のようにも描かれている。 過去には「我々はモサドとは違う」組織だったが、すでにかこのものになりつつあることがよくわかる。
911のテロ以降、情勢を収集・分析し提供する組織から、暗殺リストを基にドローンでアメリカの敵を消す軍事組織に変貌を遂げるCIAを描いたノンフィクション。 時系列ではなく、現場の工作員から大統領まで登場人物が多く読みづらい。 しかし、軍隊を持つ国防総省と情報収集・分析から軍隊を持とうとするCIAの役...続きを読む所間の権力闘争は見どころ。本来のヒューミントを中心とした情報収集能力の低下もしかり。 テロリストを擁護するつもりはないが、相手国家への主権侵害が恐ろし過ぎる。 著者の暗殺に対する批判的な姿勢は、アメリカ人の良心が生きていると感じることができるのが唯一の救い。 ティム・ワイナーの名作「CIA秘録」で描いた投機的秘密工作の失敗以降の話が楽しめた。 映画ホースソルジャー、13時間ベンガジの秘密の兵士、ゼロダークサーティを理解するための参考図書にもなる。
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CIAの秘密戦争 変貌する巨大情報機関
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マーク マゼッティ
小谷賢
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