あらすじ
大正末期、大震災直後の東京にひとりの異才が登場、卓抜な着想、緻密な構成、巧みな語り口で読者をひきこむ優れた短篇を次々と発表していった。日本文学に推理小説の分野を開拓し普及させた江戸川乱歩(1894-1965)の、デビュー作「二銭銅貨」をはじめ「心理試験」「押絵と旅する男」など代表作12篇を収録。
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Posted by ブクログ
『二銭銅貨』
強盗団の隠した5万円の行方。「私」が手に入れた2銭銅貨に興味を持った松村武。2銭銅貨に隠された暗号。発見された盗賊団の5万円。松村のいたずら。
『D坂の殺人事件』
明智小五郎シリーズ
D坂にある古本屋の主人の妻が殺害される。喫茶店からの目撃者、裏の目撃者からの証言で現場に出入りしたものがいない。妻の持つ全身の傷の秘密。ソバ屋の妻の身体の傷の秘密。
『心理試験』
明智小五郎シリーズ
大家の老婆の隠し持つ金を狙った藍屋。大家を殺害し大家の財布の金を半分盗み財布を拾ったと届け出た。翌日、大家殺害犯として逮捕された親友・斎藤。事件に疑問を持った判事・笠森の心理試験。心理試験の結果から犯人を推理する明智小五郎。
『白昼夢』
妻との喧嘩を演説する男。男のさらした人形を見た「私」恐怖。
『屋根裏の散歩者』
明智小五郎シリーズ
人生に退屈した男・郷田三郎。明智小五郎との出会いにより犯罪というもに興味を持つ。引っ越したアパートの屋根裏に侵入し人々の生活を覗き見るが・・。次第に起こる殺人への誘惑。
『人間椅子』
女性作家・圭子の元に届けられた一通の手紙。ある男の異常な欲望の体験。椅子の中での生活の物語。
『火星の運河』
暗い森に迷い込んだ男。脱出できない迷路。
『お勢登場』
寝たきりの格一郎。妻であるお勢は外に愛人をつくり家を空け好きに暮している。息子の友人たちとのかくれんぼ。長櫃の中に隠れた格一郎と帰宅したお勢。長櫃の中で死んだ格一郎とお勢の秘密。
『鏡地獄』
鏡を愛し鏡に取り付かれた男が発狂した。凹面鏡に隠された謎。
『木馬は廻る』
少女に恋したラッパ係の物語
『押絵と旅する男』
記者の中で出会った老人の持つ押絵。美しい少女と老人の押絵。老人が語り始めた押絵の中の2人の話。陵雲閣に通う男の兄と絵の中の少女の恋。押絵に隠された秘密。
『目羅博士の不思議な犯罪』
住んだものが自殺する不思議な部屋。向かいの部屋に住む目羅博士の犯罪。
Posted by ブクログ
「人間椅子」: よくこんな話、考えついたな!と思う。
個々の物語の後についている注釈(言い訳)が面白いっ。江戸川乱歩の時代に生きていてこれらの作品の連載を読んでいたら、目新しさにすごくハマっただろうな。
Posted by ブクログ
乱歩のデビュー作二銭銅貨から始まり、明智小五郎が活躍するD坂の殺人事件、心理試験、屋根裏の散歩者や、鏡を題材にした幻想的なお話まで多岐に渡って乱歩ワールドを楽しめます。
白昼夢、鏡地獄、押絵と旅する男、目羅博士の不思議な犯罪が面白かったです。
編集の千葉俊二さんの解説も興味深く、他の乱歩作品も読みたくなりました。
Posted by ブクログ
「押絵と旅する男」、「白昼夢」、「お勢登場」、「木馬は廻る」を読んだ。
「お勢登場」はどうやらお勢を今後明智先生を対決させる予定だったらしい。あの場で明智先生いたら違う展開になってたろうなあー。
「白昼夢」は気味の悪い話だった。みんなご冗談で笑っているけれど実は……。路上で話す男は罪の告白か、酔い狂っているのか。
「木馬は廻る」はとりあえずハッピー?なエンド?回転木馬に乗っている間は夢心地だからいいのか。