【感想・ネタバレ】かたづの!のレビュー

あらすじ

遠野の羚羊の片角には霊妙な伝説がある。慶長五年、根城南部氏当主直政の妻・祢々は片角の羚羊と出会う。直政と幼い嫡男・久松が立て続けに不審な死を遂げた直後から、叔父の三戸南部氏・利直の謀略が見え隠れしはじめた。次次とやってくる困難に祢々は機転と知恵だけで立ち向かう。「戦でいちばんたいせつなことは、やらないこと」を信条に波瀾万丈の一生を送った江戸時代唯一の女大名の一代記。河合隼雄物語賞(第三回)、歴史時代作家クラブ賞作品賞(第四回)、柴田錬三郎賞(第二十八回)、王様のブランチブックアワード2014大賞受賞作!!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

八戸の女大名になった祢々のお話。ずっと寄り添った羚羊(かもしか)の片角が語ります。河童や猿が出てきたり片角が祢々に乗り移ったり、不思議な世界が展開されます。叔父の無茶苦茶に振り回されながらも、戦を避けた賢い生き方を貫きます。良い話でした。

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2025年02月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

きっかけ:タイトルがずっと気になっていた。
読み終わって、これがフィクションであることに驚く。
そもそも人の言葉がわかる一本角のカモシカが語り部となって、一人の女性が戦国時代を生き抜く様を語ったり、河童が現れたりとかなりファンタジーなのだけど、そんなことを忘れて一気に読んでしまった。

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2019年01月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

南部に実在した女性大名・祢々を描いた作品。
正確には領地を幕府から与えられたわけでは無いので大名ではありません。幕府から認められているのは対抗する祢々の八戸南部家はその分家で、藩内の城持ちの(非正式な)支藩です。
史実に沿って描かれる時代小説ですが、語り手が一本角のカモシカの霊だったり河童がちょろちょろ現れたり、伝奇要素がかなり混ざっています。
中島さんの特徴は不思議なユーモア感です。まっとうに南部の藩内抗争を描くと、そういったユーモア感が出しにくいがために伝奇要素を取り入れたのではないかと思います。
しかし、なんとなく中途半端な気もします。思い切って真正面から描くか、妖怪変化の類を使わず祢々の近くに面白い人物を置いてその人の視点で描くとかしたほうが良かった良かったような気がします。

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2017年10月09日

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