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Posted by ブクログ
きっかけ:タイトルがずっと気になっていた。
読み終わって、これがフィクションであることに驚く。
そもそも人の言葉がわかる一本角のカモシカが語り部となって、一人の女性が戦国時代を生き抜く様を語ったり、河童が現れたりとかなりファンタジーなのだけど、そんなことを忘れて一気に読んでしまった。
Posted by ブクログ
南部に実在した女性大名・祢々を描いた作品。
正確には領地を幕府から与えられたわけでは無いので大名ではありません。幕府から認められているのは対抗する祢々の八戸南部家はその分家で、藩内の城持ちの(非正式な)支藩です。
史実に沿って描かれる時代小説ですが、語り手が一本角のカモシカの霊だったり河童がちょろちょろ現れたり、伝奇要素がかなり混ざっています。
中島さんの特徴は不思議なユーモア感です。まっとうに南部の藩内抗争を描くと、そういったユーモア感が出しにくいがために伝奇要素を取り入れたのではないかと思います。
しかし、なんとなく中途半端な気もします。思い切って真正面から描くか、妖怪変化の類を使わず祢々の近くに面白い人物を置いてその人の視点で描くとかしたほうが良かった良かったような気がします。