【感想・ネタバレ】寮生 ――一九七一年、函館。――のレビュー

あらすじ

1971年春、函館にある憧れの私立高校に入った僕は、親元を離れ寮生活を始める。街の景色、同級生、音楽、出会うもの全てが刺激的で、期待に胸を膨らませていたが、入学早々、「寮の恒例行事“入魂会”に関わったものは死ぬ」という噂を耳にした。するとそのわずか二日後、寮の二年生が謎の転落死を遂げる。事件と噂の真相を探るため、僕たち一年生は探偵団を結成して――。青春学園ミステリー。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

函館のカトリック系の男子校と聞けば、北海道出身者であればほとんどの人が思い描く学校名がある。著者もその高校の卒業生だと知り、本作の舞台に納得する。

携帯電話はなく、メールやLINEといった今日の高校生が普通に利用している連絡手段は使えず、あるのは公衆電話あるいは人づての伝言という今から思えばかなりの不自由さ。そんな環境下で直向きに恋心に向き合っていたのが当時の高校生。

学生寮内で発生した一人の生徒の自殺をめぐる真相究明に奔走する高校生たちを描くミステリではあるものの、ままならない恋ともどかしいまでの青春の葛藤がほろ苦い余韻を残す群像劇という趣が強い。

自分のような昭和世代にはノスタルジーを感じるが、若い世代の人が読むとどう感じるのだろうかとそんな事にちょっと興味を持った作品。

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2018年05月06日

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