【感想・ネタバレ】鹿の王【全4冊 合本版】のレビュー

あらすじ

強大な帝国・東乎瑠から故郷を守るため、死兵の役目を引き受けた戦士団“独角”。妻と子を病で失い絶望の底にあったヴァンはその頭として戦うが、奴隷に落とされ岩塩鉱に囚われていた。ある夜、不気味な犬の群れが岩塩鉱を襲い、謎の病が発生。生き延びたヴァンは、同じく病から逃れた幼子にユナと名前を付けて育てることにする。一方、謎の病で全滅した岩塩鉱を訪れた若き天才医術師ホッサルは、遺体の状況から、二百五十年前に自らの故国を滅ぼした伝説の疫病“黒狼熱”であることに気づく。征服民には致命的なのに、先住民であるアカファの民は罹らぬ、この謎の病は、神が侵略者に下した天罰だという噂が流れ始める。古き疫病は、何故蘇ったのか―。治療法が見つからぬ中、ホッサルは黒狼熱に罹りながらも生き残った囚人がいると知り…!?
たったふたりだけ生き残った父子と、命を救うために奔走する医師。生命をめぐる壮大な冒険が、いまはじまる―!

※本電子書籍は「鹿の王 1」「鹿の王 2」「鹿の王 3」「鹿の王 4」を1冊にまとめた合本版です。巻末に電子版オリジナルイラストが収録されています。

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なんとなく読んでしまう小説です

上橋菜穂子さんの作品に慣れている方であれば面白く感じると思います。
主人公であるヴァンの虚無と悲哀から始まり、身内となりえる人たちとの交流。
そしてヴァンが各地をさすらう根幹となる、黒狼熱という病魔がどうして生じたのか…
誰も望んでいなかったのに、侵略と支配の歴史が人々に変革を求め、病魔が生まれてしまう偶然と必然。
タイトルの鹿の王も、分かりやすいヒロイズムに対してのアンチテーゼを問いかけている印象です。
物語の面白さという意味では、私は「精霊の守り人」や「獣の奏者」の方が好きです。
なので、上橋さんの作品に慣れていない方には本小説はあまりお勧め出来ないです。
ただ、その辺の表現を分かった上であれば、病を通して生命の意味を考えさせられる深い物語として
読む価値のある作品だと思います。ただ、やはり盛り上がりには少し欠ける印象です。

#切ない #深い

1
2021年08月09日

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