あらすじ
本書のストーリーは、夫が口腔底ガンを患ったことから始まります。
手術によって噛む力を失った夫は、固形物が食べられなくなり、あごと舌だけで食事をすることを余儀なくされました。
おいしいものを食べることが大好きだった夫が、食べる楽しみを失ってしまったのです。
見た目にも食欲をそそって、食べてもおいしい介護ごはんを作りたい!そして夫の「おいしい笑顔」が見たい!
妻は最愛の夫のために、噛みやすく飲み込みやすい介護食を生み出すべく奮起します。
すき焼き、エビフライ、鶏カツ、フレンチトースト、そして流動食弁当――。
本書に登場する介護食を見ると、驚くことは間違いありません。
「味」「見た目」「栄養」にこだわった著者が創り出す工夫あふれる介護食が、次々に登場するからです。
深刻な高齢化社会が進む中、在宅介護者も急速に増えています。
毎日、介護食作りに苦心している方も多いのではないでしょうか。
介護を受ける人と介護をする人。両方の立場の人が、一緒に幸せになれる。本書がそのために一役買えれば幸いです。
泣けて、笑えて、生きる力が湧いてくる――。
感動のノンフィクション介護食ストーリーを、ぜひお読みください。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
「介護食の本」以上の価値がある一冊。美味しいものが好きで、そんな家族の介護をしなくてはならなくなった家族がきっと必ず直面する悩みを、著者は走りぬいていると感じました。日本の介護食の現状(遅れ)についても家族への愛情を持った目線で指摘されています。
冒頭の段階で「愛だけでそんなに介護食、作れるものかしら」と疑問を持ってしまったのですが、読み進めると本人の疲弊も細かい描写で書かれていて(ミキサーが乾く間がない!、朝作ったらすぐ昼の支度、腕が電動ドリルになっちゃうよ!などなど)、愛と葛藤があったからこそ出来たこと、本なのだと納得。読後感の良い本でした。
Posted by ブクログ
著者も書いているとおり、誰でもこのとおりにできるとは限らない。
時間的精神的金銭的に余裕が無いと無理な部分もあると思う。
でも、ひとつの選択肢として、こういう方法もあると情報共有してくれた事がありがたい。