あらすじ
婚家を出たリラは、工場で働きながらコンピューターを学ぶ。一方エレナは、学生時代からの恋人と結婚して子供を儲けるが、しだいに夫との溝を感じるようになる。そんな折、彼女は初恋の相手と再会し……米HBOドラマ化の世界的話題作、急展開の第三巻登場!
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Posted by ブクログ
エレナはナポリを離れ結婚生活を始めるが、思い描いていた結婚生活を送ることができずにいた。そこで何十年も思い続けているニーノとの再会を果たす。国内の情勢の変化に伴い混沌とした環境で苦しむリラを支え、自らの著作活動も進まず、夫への愛情も見失い、子育てにも苦しむエレナはニーノと愛人関係に落ちてしまう。家族との訣別を決心しニーノと旅行に出かけるシーンで今回は幕を閉じるが、エレナとリラの人生はどのような顛末を迎えるのか。最終巻も楽しみにしたい。
かつて暮らした街から逃れてもなおリラの幻想からは逃れられず、どれだけリラから離れようとしても節目節目でエレナの前に立ちはだかるリラ、死んでくれとまで願うほど憎む一方でリラを求めてしまうエレナ自身の葛藤がよく描かれている。
これだけ主人公の心理描写がされている物語も珍しく自分自身もこのように振り返ることで自身が無意識に感じていた感情などについての理解が深まるかもしれない。
Posted by ブクログ
12.25再読。
エレナは作家として成功し、ナポリからの脱却を叶えるが、男性社会を目の当たりにして自信が揺るぐ。女性としての自分の地位、女性として社会に発言するということの意味とは、その言葉を獲得すること…それはまさに多くの女性が現代でもぶつかり葛藤することだ。
リラとの関係性は社会と育児がプラスされてさらに物語は加速するが、エレナはリラの影響下から抜け出して、自分自身に「なる」ことを試みる。
全巻を通してだが、エレナはリラを意識するあまり自分自身を見つめることができていない。
「なりたい」から「なる」へ、誰もが直面するアイデンティティの探究として、第3巻も面白かった。