【感想・ネタバレ】不完全性定理 ──数学的体系のあゆみのレビュー

あらすじ

ゲーデルが25歳で出版した「不完全性定理」(1931)は、当時の数学界の巨匠ヒルベルトが提唱した「形式主義によって超数学を展開しようという計画」に対して、原理的な限界を示す衝撃的な証明だった。それは数学のみならず哲学・思想界にも、「人間の知性のある限界が示された」と大きな波紋をもたらした。ゲーデルはいったい何を明らかにし、どのような新しい道を示したのか。この記念碑的業績にいたる数学の歴史的な歩みをたどりながら、難解といわれるその結果の意味をていねいに解りやすく解説する。『ゲーデル、エッシャー、バッハ』の訳者ならではの、ユーモアをまじえたゲーデルへの超入門書。

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Posted by ブクログ

『数理論理学の基礎・基本』とは対照的な本。この本では不完全性定理を題材にして、ギリシャ数学の証明から集合論、論理学の基礎をとてもていねいに易しくたどってくれる。本の大半はそうした基礎的なことの解説で、最後にそこまで理解した人だったらきちんとわかる形で簡潔に不完全性定理とはどういうものかが書かれている
その”本の大半”でなされる基礎的な解説が出色。現在の IT の基礎となっている数学的な知識・理論を理解するにはかかせない、集合・論理学の知識がとてもわかりやすくまとめられている。副題の「数学的体系のあゆみ」の方が本の中身を正しく表しているように思うが、まぁマーケティング的な考えでキャッチ―な「不完全性定理」がメインのタイトルになっているんだろうなぁ。

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2016年08月22日

Posted by ブクログ

論理学の大雑把な流れを追いながら、現代数学における大きな功績を分かりやすく解説している感じ。論理式が結構出てくるので苦手な人には辛いかもだが、読物としても楽しく読めると思う。

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2010年03月11日

Posted by ブクログ

やっぱりゲーデルってすごいよね。
この人の生涯を日本人にしてリメイクしたら、さぞかしいい映画ができるだろうにと常々思う。

今日は、やっつけで仕事をしてたような一日。
基本的にサービス業なので依頼が来ない限り、特段することがない。
先週までの忙しさが抜けると、集中力が。。。
読んでる本が気になってしょうがなくなるのです。
こういうときは小説じゃなくて、専門書に限りますね♪


映画になったらいいと思うお話ランキングとかやったら、おもしろいかも。
今度やってみます。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

無矛盾とは、命題Mと、命題!M(!MはとMの逆命題)が同時に真とならないこと。完全とは、すべての命題が証明(正しいか否かは別として)できること。不完全性定理とは、「無矛盾な公理系は、不完全である」ということ。この定理は、理性の限界を示すような危険な事実である。私は大学で数学を専攻したので、当然この定理は知っていたが、この定理が発見された経緯等の歴史的事実は全く知らなかった。この本を読んで、発見経緯や、発見者であるゲーデルまでの数学者の系が分かりほんとに面白かった。ところで、この辺りの仕事ですばらしい貢献した数学者は、カントールと、ゲーデルであるといってよいと思うが、彼らは晩年精神を病んでしまった。純粋な論理追求は精神を破壊することなのであると思う。ですので、この本を読んで数学に目覚めた数学者の卵へ、「間違っても、基礎数学論には足を踏み入れないこと!」。

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2018年10月23日

Posted by ブクログ

数学の形式化がどのように行われてきたか、ギリシャ時代から近代までの歴史を振り返り、最後に不完全性定理の意味と意義を説明している。直観主義(無限を扱う場合は排中律を認めない、という立場)をめぐるクロネッカー、ブローエルとヒルベルトの論争は、人間味に溢れていて面白い。数学の形式化の歴史は、数学から「意味」を極限まで取り除いていく歴史に他ならないのだが、ほとんどの数学者は「意味」や「直観」に基づいて仕事をしている、という事実も興味深い。

私は、昔から数学的対象から「意味」や「直観」を意識的に排除しようとしてきたし、公理から機械的(演繹的)に理解するように努めてきたので、今さら「実際はそんなことしないよ」と言われても困ってしまうのである。しかし、「形式的に理解する」ことと「本当に分かる」ことの間に大きな乖離があることには気づいていたので、本書でそのような乖離が起きる構造をズバリ解説してくれたのはありがたい。

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2011年05月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

う~ん。
挫折...。
第四章前半までは理解できたのだけれど。
他の本に挑戦することにしよう。

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2012年11月30日

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