あらすじ
本屋さんはおもしろいか? いや、この稼業ははたでみるほどのどかじゃない。注文・返品・立ち読み対策、リュック背負って買い出しにも行く。追いまくられる毎日だけど、楽しくしていくのが仕事なんだ──小さな町の小さな本屋のあるじが綴る書店日記。「素直に語れる心のしなやかさがある。成功の高みから書かれた立志伝には求めがたい光沢が見いだせる」(朝日新聞評)「出版が直面する様々な問題を考え直す上で役に立つだろう」(日本経済新聞評)
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Posted by ブクログ
本との距離、本屋という仕事との距離が、読んでいて気持ちいい。
色んな出来事に腹を立てながらも、来てくれるお客さんに少しでも喜んでもらおうと奔走する姿に共感。
業界内の仕組みに対するグチが多いけど、読んでいて不思議と疲れない。どこかホンワリした文章のせいだろう。
すごいのは、この本でグチられている事の殆どは、今も変わらず行われているという事。
一体何年変わらないんだ…。
Posted by ブクログ
僕は実際にこの本屋さんに行ってました そしてそこでたくさんの本に出逢えたのです 大友克洋さん、村上春樹さん、沢木耕太郎さん、椎名誠さん、アーヴィング、ボブグリーン...etc 商店街のちょっと外れにある本屋さんです でもあの街で経営はかなり大変だったんじゃないかな? そんなこと考えもしないで行ってましたけど...
レジ越しの早川さんにいつもドキドキしながら買ってました だから変な本を買えませんでした
ビートルズやクラッシックが静かな音量で流れてました
Posted by ブクログ
音楽からの決別、「早くおじいちゃんになりたい」早川さんが書店を経営!ミュージシャンではなく、書店経営者が語る本にまつわる裏話。
とても現実的なエピソードが感覚をゆさぶる言葉で綴られて心地良いです
Posted by ブクログ
本屋さんはぜんぜんラクじゃないという苦労話と、楽しくしていこうという工夫の数々。
今と仕組みはいっしょか分からないが、棚に並べたい本を手に入れるのも一苦労なんだなと分かった。
特に小さな本屋さんなら尚更のことみたいだ。
Posted by ブクログ
早川義夫の「サルビアの花」および「かっこいいことはなんてかっこ悪いんだろう」収録作を聞き、いっきにファンになった。
ウェブサイトのエッセイやコラムも控えめな人間愛に溢れた筆致にも触れ、新幹線の中で思わず落涙しそうになったものである。
「市井の人」「真面目な働き人」という面がもろに現れている。
つまりは散文的すぎる。愚痴が多い。言い訳が多い。
でも悪くない。
これに点数なんかつけるのはナンセンスだ。
本以外からの彼自身の文章にあった、
「僕は自分を見る鏡のように音楽を聴く」というフレーズ。
その、洗われる感じ、はっと気づく感じ、がところどころに現れる。
Posted by ブクログ
70年代の伝説のロックバンド、ジャックスの早川さんが本屋をやっていたなんて、この本を読むまで知らなかった。
川崎市中原区の店で、1995年に閉店となっているが、本を読んでも辞めた理由は判然としない。
ただ、ご本人も言っているように、書店業は客商売であって、人と関わらず続けられるものではないし、出版不況で経営環境は20年前より格段と厳しい。この本では書店は全国2万軒と書かれているが、現在は1万3千軒まで減っている。こうした小さな書店が生き残ってほしいけど、実際は難しいんだろうな。
Posted by ブクログ
これを読むまでは日本の本屋は再販制度のおかげでテキトーな商売なんだろうと思っていた節がかなりあって、近所の小さな本屋はどうも売る気がない、個性がない、潰れてしまえなどと呪詛していたが、間違っていた。けれども、本を買うのはやはり大型書店。というのが本音かもしれない。だからこそ書店主も筆を執らざるを得なかったのだろう。もうわかっているかもしれませんが、この本には「就職しないで生きるには」という答えは当然ありません。
Posted by ブクログ
著者はミュージシャンでもある。個人経営の書店を維持していくことがいかに困難かがよくわかる。大手の書店優先のシステムはなんとかならないのだろうか。著者がやっていけているのは発信手段があり、仲間がいることが大きいのだろう。
『就職しないで生きるには』シリーズの1冊だが、就職したほうがいいかもしれないと思うほど。
Posted by ブクログ
この本は1982年刊行。
私が書店員を辞めたのは2010年。
書かれている図書流通の仕組みはほとんど変化なく、客注担当だったせいもあって、NHKテキストや雑誌定期購読には毎回ひやひやさせられた。
30年前から変わらない、ある意味伝統だったのですね・・・。
Posted by ブクログ
本屋さんという仕事が自分の中でマイブームのときに、東京の本屋さんで買った。父親と一緒に本屋さんに行っていたのだが、この本の著者、早川義男という人は父親世代には有名なミュージシャンらしい。父親と一緒に本屋さんに行くこと自体ほとんどないのに、そこでたまたま手に取った本でそういうつながりがあるってやっぱり本屋さんはいい。肝心の内容は、ミュージシャンを辞めて、たぶん楽だろうと本屋さんを始めた著者がいろいろ愚痴りながら仕事を続けて行くエッセイ。
Posted by ブクログ
小さい頃、本屋さんになりたかった。好きな本に囲まれてネコを膝にのんびりできる。早川さんと同じような憧れを抱いていた。
実際の本屋さん、その業界の裏側がわかって面白い。
なにものも裏を垣間見られらるのって楽しい。野次馬根性丸出しだけど。
個人の本屋さんはこんなにも大変だったんだ。あの挟まって得る紙にはそういう役割があったのね。
小さいころ近所に行きつけの本屋さんがあったけど、いつの間にかなくなってた。お正月にお年玉で買った雑誌。ほしくて予約した本。
おじさん無愛想だったな。NHKのテキストの取り寄せに時間すごくかかったっけ、と懐かしく思い出した。
個性的なお客さんやこだわりの本屋さんの話がちらりとあり、あとはグチグチひたすら愚痴られていて、なんでそんな思いをしてまでまだ本屋やってんの?と思ってしまうほど。
でも、不思議と人の愚痴や怒りって自分を冷静に考える機会になる。この本を読んでいるうちに、辟易してたり、凹んでたりしていた今の仕事も悪くないな、自分に向いてるな、といい面を考えるようになってる。
かなり前の本なので、ネットで本が購入できるようになった現在、本の流通がどう変わったのか、きっと変化も大きいだろうな。今も知りたくなった。
「俗にいう、良書と悪書があるとする、しかし、良書を読んでいる人間が必ずしも良い人間だとは限らない。売っている人間も作っている人間も同じことだ。これは本屋をやっていてつくづく思う。みんな同じ人間であり、同じ本なのである。」
Posted by ブクログ
なんとなく表紙から古本屋さんのイメージでしたが、いわゆる書店でした。
本屋さんと古本屋(古書店)さんはまーったく別物で、書店には特に興味はなかったけれど、よくいわれる「本の流通の謎」についてわかりやすく書かれています。
日本に一体何軒の本屋さんがあるのかはわかりませんが、発行部数を書店数で割ると粉々になる、しかも大型書店には山積み…と考えるといかに小さな本屋さんでは入手が困難か、想像つきます。
今や早川さんの本も増刷されないと入手困難になっているようなので。
書店を営まれていた頃に、ご自身の作品がそんなことになろうとは…想像もつかなかったのかもしれません。
というか、閉店するとは…思っていなかったか、な?
小さな書店の奮闘記のような内容ですが、業界の裏事情をはっきりと書くことで、同じ考えを持った仲間が増えて…今の早川さんのお仕事に繋がっていったんだと感じました。
椎名誠さんなど、本の雑誌系(括っていいかどうかはわかりませんが)の人達に応援してもらえそう。
どんな仕事にも苦労はあると思いますが、本屋さんならではの特殊な苦労を感じました。