【感想・ネタバレ】エマニュエル・トッドで読み解く世界史の深層のレビュー

あらすじ

予言を的中させるトッド理論、初めての本格解説書!

ソ連崩壊、リーマン・ショック、アラブの春、英国のEU離脱、トランプ当選……など
「予言」を次々と的中させ、世界中で話題を集めている フランスの人類学者エマニュエル・トッド。
なぜ、トッドの予言は的中するのでしょうか?

明治大学で人気の、鹿島茂教授の「トッド入門」講義を書籍化!
大胆な彼の発言を支える理論をわかりやすく解説します。
「あらゆる問題は、トッドの家族システムという概念で説明ができる! 」と、
鹿島教授が世界史の有名事件、混迷する世界情勢や社会問題、そして現代人の悩みまで紐解いていきます。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ネットで見かけて。

いろいろと考え方が面白かった。
エマニュエル・トッドがもともと人口統計から出発した学者で、数字が全てで数字に語らせようとしたところから始まったとか。
人類が多産多死型社会から少産少子型社会、厳密に言うと少死化がはじまり少産化が起きる、その要因は識字率、とくに女性の識字率のアップであることとか。
知識蓄積の要が母親の教育機能がであり、親の権威が強い直系家族では財産を相続する長男の嫁の地位が高く教育熱心だとか。
成人男性の識字率が50%を超えた時点で社会変革や革命がが起きる条件が整い、若年層の人口増加が家族内の分裂ひいては国家レベルでの革命的状況を発生させるとか。

とくにヨーロッパの歴史に関する話はなるほどと納得できるものがあった。
ヴァイキングがブリテン島とフランスに遠征したのは、子が親と同居し財産が長男に渡る直系家族の次男・三男が結婚するための財産を奪いにいくためだった、
フランスでは直系家族地帯を官僚としてとりこむことによって強力な中央集権管理組織をルイ十四世が形成することができた、
イギリスは絶対核家族であるイングランドの自由、独立、競争の冒険精神と直系家族のスコットランドの知性が産業革命をおこした等。

ただ日本の話になるとどうもピンと来ないというか、それほど単純なことなのかなーと思ってしまった。
直系家族の北東日本出身者がタテ型組織の「新選組」を作り、起源型核家族の西南日本出身者が横の連帯組織の「海援隊」を作ったという話は面白かったけど。

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2017年07月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

■ひとことで言うと
 家族の形態が人の行動に無意識下で影響を与える

■キーポイント
 ・家族類型=家族形態の分類
  →親子関係(弱 or 強)✕ 兄弟関係(平等 or 不平等)
 ・絶対核家族(親子関係 弱 ✕ 兄弟関係 不平等)
  →アメリカ、イングランド
  →子供は親と別居、相続は遺言に依存
 ・平等主義核家族(親子関係 弱 ✕ 兄弟関係 平等)
  →フランス、スペイン
  →子供は親と別居、兄弟が平等に相続
 ・直径家族(親子関係 強 ✕ 兄弟関係 不平等)
  →日本、ドイツ
  →子供は親と同郷、相続は遺言に依存(基本的に家長が相続)
  →「家」の存続のために教育熱心な傾向
 ・外婚制共同体家族(親子関係 強 ✕ 兄弟関係 平等)
  →ロシア、中国
  →子供は親と同郷、兄弟が平等に相続
 ・家族類型とイデオロギーは相関する
  →さまざまな行動が無意識下で家族類型の影響を受ける
 ・女性の識字率 > 50% → 出産調整 → 少子化
  →近代化(テイク・オフ)の条件
  →女性の識字率は家族類型に依存≒家族類型によって近代化の速度が異なる
 ・日本史・世界史の出来事は家族類型の特徴が行動に反映された結果???

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2020年12月23日

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