【感想・ネタバレ】創業家に生まれて 定食・大戸屋をつくった男とその家族のレビュー

あらすじ

「絶対不可能」と言われた食堂の多店化は、なぜ成功したのか。
カリスマの息子が明かす、日本初・定食チェーンの誕生秘話。

「食堂を多店化するなんて、絶対無理だ。あんたは馬鹿か」――。
かつて、東京・池袋に「50円食堂」といわれた安い食堂が存在した。
養父の急逝により若くして店を継承した男は、店舗展開を夢見る。

銀行からも取引先からも「食堂の多店化はありえない」と嘲笑を受けたが、
彼はお客を喜ばせるためにあらゆる実験をする。
屋根裏のような食堂の事務所で経営理念も掲げた。

そして新規事業の失敗、店舗の全焼などの苦難の中、理念を信念化。
「女性客が一人でも入れる定食店」というコンセプトで、それまでの食堂のイメージを
がらりと変え、外食業界の最前線に躍り出た。

定食チェーン「大戸屋」を築いた三森久実氏。
彼はなぜ、新しい定食店を生み出せたのか。どうして、多店化することに異常なまでにこだわったのか。

創業者の息子は「父・三森久実」と「経営者・三森久実」をつなぐ作業を試みる。
そこには家族も知らなかった事実が――。そして、創業者の他界直後に勃発し、
世間を騒がせた会社側と創業家の対立の背景には何があるのか。
外食業界に大きな足跡を残した男の一代記を、息子の三森智仁氏が赤裸々に語り下ろす。

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Posted by ブクログ

大戸屋創業家の方が著した一冊。父である創業者の事業にかける想い、大戸屋成長の秘話が語られている。カリスマ創業者が持つ、「想い」というより凄まじいまでの「執念」をまざまざと感じさせられるが、その奥には、養父母や実母への情が込められていることがわかる。飲食店は家庭料理の代行業だが、単に料理を出すのではなく、家族の健康を考える母親の愛情を代行するのだという理念。全てはお客さまのためという会社はよくあるが、本当に隅々まで行き届いているのかという徹底ぶり。料理の特徴を「素材」「発酵」「料理人の技術」と喝破する眼力。銀行からの借入は人様のお金、つまりお客さまのお金であるというある種の大局観。これらの本質に辿り着く深い思考が大切なのだと気付かされる。このような会社でも、組織の成長と、カリスマ創業者の逝去によって社内は混乱し、御家騒動と言われる事態となる。理念共有や事業承継の難しさを学べる一冊でもある。

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2021年12月09日

Posted by ブクログ

事業承継、かくも難しいものか、という内容の本。
大戸屋の創業記から始まり、創業者の三森久美氏の経営理念とは?を子息で最近まで大戸屋HDの役員だった三森智仁氏が描き出す。
さらに大戸屋はコロワイドとのTOBを戦うことになる。その理由とは。

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2020年08月05日

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