あらすじ
「もし、あなたが○○○のマーケティング担当者になったら?」
こうした問いかけを本書では行なっている。家電メーカーの業界シェアトップの自動炊飯器、日産自動車のマーチ、独立系レコードレーベル、化粧品会社のナチュラルコスメ事業立ち上げといったケースを扱いながら、「もし、あなたがそのマーケティング担当者になったら、どう考え、どう行動するか」を解説している。
具体的な商品、企業名は出てくるものの、マーケティング担当者は架空の人物であり、いずれも経験豊富なマーケッターではなく、もともとは研究開発者、営業マン、IT部門マネジャーながら、マーケティング担当者になったという設定になっている。これらの担当者になったつもり、自分ならどうするかを考えることで、実践で活用できる知識と知恵が身につくようになっている。
もちろん、こうしたケースの前に、マーケティングの理論、概念、考え方、事例を解説している。ただし、解説の仕方は他のマーケティング関連書とは大きく違う。マーケティングの実践の中で役立てる、あるいは、その後に掲載されているケースに対して「どう分析するか?」「その結果、どのようなアクションを起こすか?」を検討するための解説である。教科書的な説明ではなく、筆者自身の経験や優秀な経験豊富なマーケッターたちからの情報・知見をベースし、実践に役立つ解説になっている。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
見た目から教科書的な内容かと思いきや、語り口が独特でするする読める。
マーケティングとは、をつらつら並べるだけでなく、マーケティング「思考法」を教えてくれる本。実例が多く載っており、筆者が「正解」を述べていないものもあるので、思考のトレーニングをするといいと思う。
Posted by ブクログ
実践の中でマーケティングをどう活かすか?
→変化する市場環境を見通し、創造力を発揮して顧客の望む価値やわ生み出し、適正な顧客コストで提供し続けるように自己変革をしていく
ニーズら、潜在ニーズと顕在ニーズ、情緒的ニーズと機能的ニーズ
環境分析からニーズ、シーズをつかんでいく
価格決定に影響を与えるには、競合のリアクション、顧客の交渉力、自社コスト、チャネルの意向
Posted by ブクログ
大学でマーケティングをなんとなく学んだが、実用的な部分を見つけることができずにいたが、この本はマーケティングの理論が実際の会社でどのような利用をされているかを理解するのに最適な本である。
通常のマーケティングの教科書と合わせて読むと深みが増すと思う。
Posted by ブクログ
グロービスの「MBAマーケティング」の第1版を監修した数江良一さんの本。
なかなかよい、これまで読んだマーケティング本の中でも上位に入りますね。
副題に「Pragmatic Guide」とあるようにかなり実践的を目指している。
通常のマーケティングの本では、各項目の一般的な内容を書いているのみのことが多いが、この本は、徹底的に「商品企画者の目線」に立っているのが一つの特徴。
実際に商品企画で、マーケティング的に考えたときに、ここで間違えやすい、とか、この理論はこうやって使ったほうがよいとか、実践的な内容。
なるほど、というところが多かった。
事例も、著者が実際に体験したり、直接受講生などから聞いた事例が多い
のがマル。
ただ、正直商品企画に全く関連がない人、マーケティング初学者にはちょっときついないよう。
プロまでいかないが、理論と実践をすでにある程度かじっていて、再学習うしたい場合に最適な本かな。
◆メモ
・ニーズ、ウォンツ、ベネフィット
ニーズは、満たされてない状態。具体的欲求は、ウォンツ。
・SWOT分析を行うために、マクロ環境(PESTなど)、ミクロ環境(3Cなど)を分析。
・商品コンセプト
誰に(Where)、何を(What)、どのようなやり方で(How)
・ターゲット
コアターゲットとサブターゲット
・ポジショニング
ポジショニングの訴求の仕方は、プロダクトライフサイクル上で変化する
・チャネルとプロモーションは、不可分
Posted by ブクログ
行動の手引き、とまでは言いませんが、自分を売り込むような活動を続けないと、いつまでたっても自分は歯車のままなんじゃないかと思ってます。そんな中で、本書に関心をもったので本棚に登録しました。
読んだ感想としては、まあまあ面白かったというところでしょうか。はっきり言って、マーケティングに関する勉強本(理論書)ではないと思います。基本的に、マーケティングに関する考え方・フレームワークを事例をベースに説明するスタイルだったので、自分の頭の中で組み立てやすくした配慮がいいと思いました。実践的な感じがしました。ただ、筆者の経験値が高い自動車業界のエピソードが多かったため、人によっては受け付けづらいかもしれません。個人としては、違和感なく理解しました。基本的なマーケティングの概念やフレームワークを知っているひとでも、陥りがちなミスや誤解を説明しているので、プラスになると思います。そういう人なら、さらっと読めばいいと思いますが。
Posted by ブクログ
個人的には、マーケティングに理論はなく、実践からフィードバックされたものの考え方のお手本があるだけだと思っているので、こういう本はマーケティングの教科書に最適だと思う。実例がふんだんに配され、このときあなたならどう考えますか、と問いかけてくる訳だ。
冒頭の入りはいい。管理志向からマーケティング志向へ、というのはとてもわかりやすい話だし、無洗米の炊ける炊飯器の話もちょうど手頃な材料だ。
しかしその勢いも、3章以降はだんだん怪しくなってくる。こうだ、と言われて納得できないのは、私が実践者として違う事例をみているせいかもしれない。その意味でこの本は、学生さんとか初心者向けの良い教科書なんだろう。
Posted by ブクログ
マーケティングのフレームワークを実際に使ったらどうなるのか
そういった視点で書かれた本。
1章2章はフレームワークの説明、具体例の豊富さもいいのだが
3章以降が、どうも具体例の割合が高くなり
結局何が伝えたいのかがボヤけてくるような印象。
マーケティングの知識はひと通り身につけたというひとには
いいロールプレイングになると思います。
マーケティングの考え方を知りたいと思って読むと
初学者にはちょっと不親切かもしれません。