あらすじ
孤独である自分、未熟である自分に胸を張れ──岡本太郎の言葉〈メッセージ〉は、時代を超えて私たちの魂を射ぬく。本書は、いまも読み継がれているベストセラー『自分の中に毒を持て』、そしてその姉妹本『自分の運命に楯を突け』に続くシリーズ第三弾である。太郎が生前、さまざまな媒体で発表してきた原稿や講演を中心に構成した。その多くは、はじめて書籍化されたものだ。そんな貴重な原稿の中から、現代に通じる熱いメッセージを厳選している。第1章 人生のドラマは、いつだって自分が中心だ 第2章 「挑み」をやめた瞬間から老人になる 第3章 人生は不純なものとの闘いだ 第4章 人間は樹に登りそこなった 第5章 創造すること、それは人間の本能的な衝動だ 第6章 ぼくは抵抗する。その決意はますます固い
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Posted by ブクログ
個性的な岡本かのこを母にもつ、「芸術は爆発だ!」の強烈なインパクトの岡本太郎は、理解出来ない遠い人だった。この本を読むまでは。
でも、今は違う。
正直なところ、芸術的な細部は難しいと感じたが、岡本太郎を貫くスジは、カッコいいし、その思いは強いが温かい。とても意外だった。元気と勇気ももらえた。
現代社会の私たちが知らず抱えている空虚感、
『自分の生活と働くことの関係、つくるという初原的なやろこびと現実の労働とのくいちがいからくる一種の絶望感。それが今日の不幸だ。・・・社会生活のなかで自発性を失い、抑えられている創造欲がなんとかして噴出しようとする。だれもがそういう気持ちをもっているはずなのに、手段が見つからない。・・・』に、納得し、胸に熱いものが込み上げた。それは、今のわたしに必要な言葉だった。
『大切なのは絶対的な創造の意志であり、そこにある感動だ。自分の生活のなかで生きがいをどのように溢れてさせるか。自分の充実した生命、エネルギーをどうやって表現していくかーーー。
実際の形、色、音にならなくても、心のなかですでに創作が行われていると考えばいい。つくるよろこびに生命がいきいきと輝いてかれば、それでじゅうぶんだ。
芸術が作品になって商品価値をもたなければならないなんて考えはバカげている。』
『その人の運命に応じて己れの生き方、その生きがいを発見していけばいい。・・・自分がやりたいことをやる。ひとに迷惑を掛けない。それでいいんじゃないか。』
己れを信じ、貫き、孤独に闘い続けた岡本太郎は、凄い人だ。
だが、わたしは"岡本太郎"にはなれない。
"わたしはわたしになれ。覚悟を持って、わたしになれ!"と、教えられた気がする。
『自分の中に孤独を抱け』を読んで良かったと本当に想う。