あらすじ
意識とは何か。意識はなぜあるのか。ロボットに心を作ることはできるのか――。
著者は子どもの頃からの疑問を科学者になって解明しました。それが、「意識は無意識の決定を記憶する装置にすぎない」とする『受動意識仮説』です。
ならば、無意識をクリーンな状態に整えておけば、心も身体も軽やかに動くはず。
その方法について、無意識に関わりの深いエキスパート4名=大リーグのドジャースなども指導する心身統一合氣道会会長の藤平信一氏、東大卒の気鋭の僧侶・松本紹圭氏、森の中で経営者や子どもたちへのプログラムを実施する株式会社森へ 代表取締役・山田博氏、東大病院循環器内科助教の医師・稲葉俊郎氏との対話を通じて著者が探求し、30の方法にまとめて解説します。
【著者情報】
前野隆司(まえのたかし)
慶応義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント科教授。1962年山口県生まれ。
キヤノン株式会社でカメラやロボットの研究職に従事したのち、慶應義塾大学教授に転ずる。現在はヒューマンインターフェイス、ロボットのデザイン、教育のデザイン、地域社会のデザイン、ビジネスのデザイン、幸福な人生のデザイン、平和な世界のデザインまで、さまざまなシステムデザイン・マネジメント研究を行なっている。
著書に 『幸せの日本論 日本人という謎を解く』(角川新書)、『脳はなぜ「心」を作ったのか―「私」の謎を解く受動意識仮説』(筑摩書房)、『幸せのメカニズム』(講談社現代新書)などがある。
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Posted by ブクログ
行動は、まず無意識の動きがあり、それを受けた顕在意識が意思による行為と思い込んでいるという「受動意識仮説」を説く著者と、藤平健一(合氣道)、松本紹圭(仏教)、山田博(森のワークショップ)、稲葉俊郎(医療・芸術)各氏との対談。
よい行動につながる無意識を整えるために、身体、心、自然、宇宙とどう向き合うのかが語られる。
・無意識に入るまで型を稽古する
・臍下の一点に心を静めて深く静かな呼吸をする
・念仏を唱え、コーリングを聞く
・必要最小限のものだけでシンプルに過ごす
・委ね、手放し、まかせる
・ゆっくり歩き、ゆっくり話し、ゆっくり呼吸する
・自ら(「みずから」と「おのずから」)のあわいを感じる
・自分が自然の一部であることを感じる
など、対談のエッセンスとしての習慣が各章末に整理されている。
無意識=宇宙=真善美ということではなく、人としての好ましい道や無理のないあり方にいかに馴染み無意識のうちに従うのかが問われているように感じた。
16-97
Posted by ブクログ
対談の後ろのまとめがある。
ゆっくり呼吸を10回。訳の分からない感情に名前を付けて記憶に引っ掛ける。森に行く。裸足になって歩く。ちょっと怖いか。
Posted by ブクログ
たしかに今は何でもかんでも早いのが正義みたいになってる。食事や歩行、話す、呼吸などなんでもゆっくりにしてみることで、感覚を開くことができる。
心身分離より心身一如の方が能率が上がる。
心身分離の例
・行きたくないと思いながら仕事
・スマートフォンを見ながら歩く
・心のこもっていないありがとう
無意識に入るまで型を繰り返し稽古する。
たしかにスポーツでも、言葉で説明されても実際にできるまでは時間がかかる。頭で思い描いても、先生の見本を見ても、すぐにできるわけではない。
”意味性を感じられない言葉を人生の傍らに置いておくのが大切。言葉を開いていけばその背景に物語がある。意味を紐解けば、理解もできる。でも音としては無意味にも聞こえる。その無意味さが重要。"
たしかにネットがあれば田舎に移住はできる。でもそれは特別なスキル(Webデザインとかコンサルとか投資とか)を持った人だし、いくら都会より生活費が安いと言っても車の維持費はかかるし家族を養うのは厳しいのでは。よっぽど稼げる人ではないと。それに家にこもってフルタイムでPCしてたら、何のために田舎に住んでるのかわからない。やはり農業とか人とのコミュニケーションとか、人間らしい生活がしたいもの。ほどほどに、週3くらいでそこそこ稼げる人だけの特権のような気がするなあ。