あらすじ
コンサルタント、投資家、そして経営学者として、30年以上にわたって日本企業の経営に携わってきた著者が、この30年間で大きく変化した世界経済の様相を3つの切り口(グローバル、キャピタル、デジタル)から分析。世界から取り残され弱体化した日本企業が、いまやるべきことを示唆。
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Posted by ブクログ
【1990年前後~2010年:ポスト冷戦 のパラダイム(世界)】
1.グローバル経済
WWⅡ後、自由主義経済の拡大により世界経済が統合されてきた
ローコスト生産→グローバルキャンバス上に立つ超国家企業
2.キャピタル経済
経済活動を市場原理にゆだね政府が金融緩和を実施
マクロ:国家(Demand)-投資家(Supply)
×ミクロ:金融イノベーション(証券・M&A)
★貧富の差の拡大、経済の不安定化
3.デジタル経済
冷戦後、軍事技術の民主化×シリコンバレー
情報の産業化→アイデアのマネタイズ
情報の民主化
★人は何をするのか?
【ポスト冷戦のパラダイム(日本)】
WWⅡ後、米国へのサプライヤーとしてモノづくり大国
(朝鮮戦争がよい起爆剤)
→◎調和、安定、現場
×集団的な経営組織思考の停止
★戦略事業投資モデルの企業づくりへ組織改革
ガバナンス、経営ボード、個人オーナーシップ、アウトプット
【2017年~:ポストトランプのパラダイム】
#反グローバリズム(経済ナショナリズム)
→企業=株主重視・法律順守+「社会倫理性」
#デジタルによる社会構造変換(シンギュラリティ)
→共同体型社会、エコシステム、マッシュアップ
Posted by ブクログ
グローバル、キャピタル、デジタルを軸にして過去30年間の社会経済の変容と足元で起きている変化、(著名人の予想なども参照しつつ)今後30年間の変化の大きな方向性、日本企業の経営のあり方について考察された本。
各所で見聞きしたトピック・論調も多く散見されるが、昨今の企業経営をとりまく状況変化について体系的かつ(データに基づいて)論理的に説明されている点で(自身の頭の整理を行う上でも)大変有益であった。
日本企業の経営に対する示唆は抽象的でありやや具体性に欠ける(頭では理解できるが実際に各ステークホルダ(特に「改革」に反対する勢力)とどのように折り合いをつけて具現化していくのかが見えにくい)印象。(タイトルにある通りこれは「進路」であって具体策は個別具体の企業・政府が考え抜くべしという趣旨であるかもしれないが。)