あらすじ
ペストが蔓延する十四世紀フィレンツェ。郊外に逃れた男女十人が面白おかしい話で迫りくる死の影を追い払おうと、十日のあいだ語りあう百の物語。最高の名訳でおくる不滅の大古典。全訳決定版、第一弾。
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Posted by ブクログ
世界史でボッカチョを習うまでは、デカメロンと聞けば私には「少年隊」しか思い浮かびませんでした(ほとんどのかたの頭に?が浮かぶことでしょう)。
ボッカチョは世界史ではルネサンス期の文学者として登場しますね。そして、本デカメロンは、ペストで人口の2/3が死に絶えたフィレンツェで男女10人が10日間にわたりとっておきの話を披露するというものです。
全体に渡り艶話が多いのが特徴。とりわけ出家した修道士が性欲むき出しであれやこれやといそしむ話や、連れ合いが居る身なのに「真実の愛」とか何とかでもう手八丁口八丁で合体しちゃう話とか。700年弱前に完成した作品ですが、今読んでも大分ストレートだなあ、とたじろぐ描写です・・・。
もちろんそれだけではなく、冒険談やとんち系の話もあります。私の上巻(1日目から3日目までの30話)マイベストはとんち系の話です。1日目第3話、ユダヤ人商人メルキゼデックが王様から、キリスト教・イスラム教・ユダヤ教のどれが一番優れているかと問われ首尾よく返答し難を逃れる話(素直に素晴らしいオチです!)。そういう幅広いバラエティは読んでいて飽きが来ません。
ちなみに表紙の作者はボッティチェリ。『春(プリマヴェーラ)』や『ビーナスの誕生』が有名ですが、本作『ナスタージョ・デリ・オネスティの物語』は本『デカメロン』第4日に語られるお話。上中下巻を横に並べると一枚の絵になります。素敵。ちなみにプラド美術館収蔵だそうです。死ぬ前に一度行ってみたい美術館。ラス・メニーナスもあるし。
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人間の多様性がよくわかる作品です。
日本文学でも類似の系統といえば、源氏物語、好色一代男、あるいは伊勢物語などが好みの方は楽しく読めるとおもいます。