【感想・ネタバレ】平均思考は捨てなさい──出る杭を伸ばす個の科学のレビュー

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Posted by ブクログ 2023年12月07日

最初からびっくり。ちょっとFACTFULLNESを彷彿とさせる。
学問ができたころの考え方は今の価値観で見ると気分が悪いが、いずれはきっと今主流の考えもおかしいとなっていくのだろうと思った。
標準化した工場のパーツとして働けるように、画一化教育が行われているんだというのは陰謀論者が言いそうなことにも...続きを読む思えるが、アメリカで一般教育委員会なる組織が本当にそれを押し出していたというのは驚き。

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Posted by ブクログ 2017年12月10日

私たちは生まれてから死ぬまで「平均」という言葉に一喜一憂している。しかし平均の値の人はいるのか?例えば身体サイズを測定しそれぞれの平均値を持つ人がいるのかといえばそれはNOである。ヒトはモノではない。バラツキがあり、それぞれ・その時のコンテキストがあり、ゴールへの道のりも各々違う。それを理解せずに、...続きを読むいわゆる科学的管理手法でヒトを判断するのは、人間の可能性を最小評価する元凶である。

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Posted by ブクログ 2017年09月16日

軽々しく個性ということなかれ

一つの基準で比較することを奨励したおかげで、一次元的思考に偏るようになってしまった。
人間の才能にはばらつきがあるという事実を受け入れ、子供のそれぞれのプロファイルを評価し、長所を生かすための方法を探してあげる。
行動は、特性、状況のどちらかで決まるわけではない。
...続きを読む別なコンテクストでどのように行動するのかを理解する。
平均主義に騙された私たちは、正常な進路なるものがあると思い込み、成長の道が一つだけ存在すると信じて疑わない。
みんなと同じ場所でみんなよりも秀でなければならない。こんな窮屈な思考パターンに陥ってしまう。

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Posted by ブクログ 2017年07月21日

この本はすごい!!!
目からうろこが落ちるどころが、うろこをひっぱがされる感じ!
データをとって、「これが平均値」となると、それがマジョリティの中のマジョリティ、母集団を代表する存在である、と思うじゃないですか?
でも平均に一致するものが何もなかったり、あるいはその+/-の範囲に入るものがすごく少な...続きを読むいケースは多々あるという話なのです。

1940年代のアメリカ空軍は墜落事故が多発していましたが、その原因がコックピットの使いづらさだと判明。当時「パイロットの平均体形」に基づいて設計されていたものの、1950年に改めて身長、胸回りや腕の長さなど10カ所の平均値を割り、10項目すべてにおいて平均範囲におさまるパイロットがどれだけいるかを調べたところ、4,063人の内10項目全てが平均内の者はただの一人もおらず、3項目だけに絞っても該当する者はたったの3.5%しかいなかったのです。

これは体という物理的な話ですが、能力においても同じ「平均主義の偏見」がはびこっています。
大学出願のための全国統一試験において点数が高ければ「能力が高い」とみなされるわけですが、この点数とは、「平均値とどれだけ乖離しているか?」で測られます。
高いほうに乖離すれば、あらゆる分野で能力が高く、低いほうに乖離すれば、あらゆる分野で能力が低い、とみなされてしまう。
結果、生徒は「同じ分野(試験の対象となる科目)でどれだけ抜きんでるか」を競わせられ、その試験では図られない分野の能力は切り捨てられていき、能力の無駄遣いや自尊心の欠落などの悲劇が生まれるわけです。

人格でもそうです。かの有名なマシュマロテスト(マシュマロを食べずに我慢できた子は人生で成功する確率が高い)には、他の学者による続きのテストがありまして。
それは、マシュマロテストの説明をする大人を二人に分け、一つ目のグループには信頼を置ける大人、二つ目のグループにはそれまでに子供に約束したことを破って信頼感を持てないようにした大人が、マシュマロテストの指示を出します。
すると、当然ながら二つ目のグループのほうが、マシュマロを食べる確率が高くなりました(我慢しても報酬がもらえるとは思えないのでね)。
つまり、人格のようになかなか変わらないものですら「コンテキスト(その場の状況、背景ですね)」に左右されるわけです。
なので、人格テスト(SFでもVIAでもそうですが)も、実はそのコンテキスト次第なんですね。
例えば社交性ひとつとっても、友人たちとの集まりなどカジュアルな場では社交的だが、会社のパーティなど年齢層が幅広く、固い場ではシャイになる人がいるわけです。
でもテスト結果によって、「この人は(世の平均と比べてこの項目の点数が高いから)こうである」と判断されてしまう。
そして同じ点数を取った人が、いつでもどこでも同じようにふるまうとは言えないのですね。

この著者は高校までさんざんな成績(Dばかり)でした。
そのあと、結婚し、子供も生まれ、なんとか凡庸な大学に進学しなおしたのですが、勉強する時間が限られていたため、「自分にあったクラスを集中的にとる」やり方で生き延びようとします。
その結果、Aばかりの成績となり、ハーバード大学院に進学するのですね。
彼自身、平均というものから思い切りかけ離れていた人なのです。
(そうは書いてありませんが、ADHD的な行動パターンを感じさせる人です)
だから、平均のうさん臭さがわかるんでしょうね。

この本に書かれていることは、言われてみればそうだな・・・と納得できることばかりなのですが、逆に「どうして今まで改めて考えてみなかったんだろう?」ということばかりでもあります。
どれだけ世の中が平均主義にやられてしまっているか。
どれだけ、世の常識から離れて思考できるようになるか?
正直、そうできる自信がありません。

常識の呪縛から離れるためにも、めちゃお勧めの本です。

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Posted by ブクログ 2017年07月13日

平均より頭がいい、仕事が出来る、年収が良いなど、「平均」て言葉をよく使いますが、そもそも平均て何なのか?平均的な人間は一体どのぐらいいるのか?平均的思考とは何なのか?
とても興味深い本です。

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Posted by ブクログ 2023年02月09日

「〇〇は捨てなさい」的なタイトルはあまり好きじゃないけど、本書はとても気になったので購入してみた。

しょっぱなから出てきた空軍のコックピット問題についての記述は、私の中で大ヒットだった「多様性の科学」でも出てきたやつだったので、かなり期待して読み始めた。

まず、平均というものが社会に出てきて、多...続きを読む用されるようになった歴史から。とても興味深かった。私にとって、「平均」は「平均」であって、「平均」についてそれ以上のこともそれ以下のことも考えたことがなかったので、「平均」が登場したころの「平均が完璧である」という考え方には逆に新鮮さを感じた。平均な人間が問題のない人間であって、そこから外れると劣った人間とみなされるなんて、なんてなんて窮屈な考え!

平均主義の歴史が研究者とその研究に基づいて理論的に説明されるので、少し退屈になってくるけれど、よくよく読むと本当に面白い。こうやって、〇〇主義とか生まれて、いずれは市民にまで浸透して、固定観念ができていくんだな~と思った。

で、少々疲れてきたところにやっと、解決策となる3つの原理
・バラツキの原理
・コンテクストの原理
・迂回路の原理
について語られる。こう理論的に語られると本当にどれもその通りと思うのだけれど、実際まだまだ平均主義は根付いていて、自分だってそうじゃないかと何度も自分に突っ込みを入れた。

実際に平均主義ではなく、これらが取り入れられた社会システムになることで救われる人がどれだけいるか。まだまだ浸透していないからこそ、現在の教育では取りこぼされる才能や個性があって、したくもない仕事をすることになって・・・と本書に同意すればするほど、平均主義やテイラー主義がなくなった社会はユートピアなんじゃないかと思う。

今後このような考え方はもっと浸透していくだろうか。口先だけではなく「個」を重んじる社会になれるだろうか。自分自身の意識から変えていこう。

少し中だるみした読書だったけど、読んで良かったと思う。

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Posted by ブクログ 2023年01月23日

いまのところ今年いちばん面白かった本。タイトルが軽薄なビジネス書のように思われるが、出典明示度が高く骨太。原題はTHE END OF AVERAGE How We Succeed in a World that Values Samenessなのでビジネス書感はある。単純な平均だけでは物事は測れない...続きを読む、環境(コンテクスト)で事象の起こりやすさが変わる。そもそも平均して人間の特質を評価しようとすること自体が発明であり、企業が利益を追うことに適合していたのでそのまま広く使われるようになった。学習においての偏差値が使われるのも、差を見出したいからであってそれが本質かどうかは別の問題である。テストの成績が良い人は、そのテストが良く解けた人であって、他の優秀さとは全く相関がない。当たり前だけれども、あらためてそこに気付かされた。
手の長さや身長体重など様々なパラメータを平均した場合に、すべてが平均的な人は存在しない。得点力が優れた選手だけを集めたバスケットボールチームが弱体化した。平均からとても離れた優秀な戦闘機パイロット、など事例が多く読みやすい。
筆者は学業において平均から離れていたため、非常に苦労して大学教授になった。成功するためには個性を活かすようにすること、というあるいみ平凡な結論ではあるが、そこにしっかり理由があった。

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Posted by ブクログ 2022年02月09日

・人にはばらつきがある
・このバラツキの平均を取ったとしてもその平均に収まる人はいない
・個人を測ろう時平均値を使うのは全く意味のないこと

というのがこの本の趣旨
個人的にすごく共感できたのは、大切なのはまず自分がどういう人間かを知るということ。自分の嗜好にあった道を自分で選んで行った方が幸福度が...続きを読む高くなる。

また参考になったのがマイクロソフト社もう採用していたスタック評価である。
Microsoft 社は既にこのスタック評価を止めており、スタック評価を使っていた期間を失われた10年とまで言っている。

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Posted by ブクログ 2020年05月27日

意外と面白い。心理学のゴルトンについての個人情報もあるし、マシュマルテストについての育った環境での相違(すぐに食べないとなくなる施設で育った子供の行動)、性格について、教育、など、学生が卒論で役に立つ研究が多く掲載されていて、しかも文献で豊富である。

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Posted by ブクログ 2022年01月18日

勝間和代さんのオススメで読んでみた。

「平均的な人間像」は想像上のもので、存在するのは個性。この事実を受け入れることは、医学界における「細菌の発見」くらいのインパクトが有るという。医学は「細菌への対策」を出発点にすることで飛躍した。同様に平均は一旦置いて、個性重視(その人特有の力をいかに引き出すか...続きを読む?)の姿勢を貫くことが重要。

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Posted by ブクログ 2018年02月20日

・才能にはバラツキがあるとして、画一的な評価をやめたグーグルやマイクロソフトの事例が興味深い。特にグーグルは具体的な項目を洗って調べており、説得力があった。

・個人は、特性心理学・状況心理学、いずれか一つではなく、複合的な要因で形作られるという当たり前のようで、偏っていた思考がわかった。

・「あ...続きを読むなたは正直、不正直」では、誰もが一貫性を持っておらず、状況によって変わる事がわかった。

・「才能は特別なコンテクストで発揮される」でも、似たような事が書いてあり、その通りだと感じた。

いずれも思い込みと事実が実は異なっているということに、はっと気付かされた。

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Posted by ブクログ 2017年08月04日

現代社会は数値化し、テイラー主義のように平均的な人間像を設定することで働き方や評価の仕方を効率化してきた。それはそれでよかったのだが、様々な人が平均にフィットせず能力を育成できず発揮できない状況も生じている。
実際知力でも色々な種類読解力、計算力などに分けられるがそれぞれの相関は人が考えるほど高くな...続きを読むく、一つのテストでその人のテストが計れるわけでもなく、またコンテクストによって現出する性格や能力も全然違ってくるのである。

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Posted by ブクログ 2022年08月09日

平均思考は自分の可能性を潰している事を本書は教えてくれた。
平均を目指してそれより上だと安心する事が不毛であり自分の全体像が見えていないのだろう。
平均と比べて一喜一憂するのではなく自分には何が出来て不得意なのかに注目して特性を上手く活かして生きていきたい。
平均という呪縛は根強い観念だが徐々に解き...続きを読む放たれていきたい。

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Posted by ブクログ 2021年10月05日

"平均"の値を出した時、実際にその平均にぴたりと当てはまる人は100人いてもほんの1,2人存在するかしないかのレベルだという。これは面白い。平均についての概念が変わった。平均年収、というのも全然平均ではない。

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Posted by ブクログ 2018年02月06日

・平均的な人間はいない。個性にはばらつきがある。
└観点によって何が平均的かが異なり、多面的に物事を見る必要があるため。
└行動特性は、ある程度は性格の影響を受けるが、多くは文脈や状況の影響を受けるため。
└ゴールにたどり着く道は一つではなく、たくさん迂回路があるため。
・個性を重視した企業で成果を...続きを読む出しているのはコストコ。

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Posted by ブクログ 2017年12月08日

冒頭での掴みが良くてのめりこんだ。確かに平均はディテールを失う。

なるほどと思うところはいくつもあったんだけど、思ったより深みを感じられなかったのが少し期待外れだったかなと。

歴史的に平均の考え方が生まれたいきさつに何十ページも、自分としてはいらなかった。

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