【感想・ネタバレ】BLAME! THE ANTHOLOGYのレビュー

あらすじ

無限に増殖する巨大階層都市を舞台に、探索者・霧亥(キリイ)の孤独な旅路を描いたSFコミックの金字塔、弐瓶勉『BLAME!』を、日本SFを牽引する作家陣がノベライズ。九岡望による青い塗料を探す男の奇妙な冒険、小川一水が綴る珪素生命と検温者の邂逅、酉島伝法が描く“月”を求めた人々の物語、野崎まどが明かす都市の片隅で起きた怪事件、飛浩隆による本篇の二千年後から始まる歴史のスケッチなど、書き下ろし全5篇を収録

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Posted by ブクログ

ネタバレ

・はぐれ者のブルー:九岡 望
色を塗ることに執着する電基漁師と知識に執着するケイ素生物が共に旅をする羽目になった話。ラストが弱い。色を残す習慣という話は全然魅力的でない。村の人に思いが伝わったからハッピーエンドでしょ、という安直な考えが透けて見える。
・破綻円盤-Disc Crash-:小川一水
大階層都市内にあるはずの恒星について仮説を何重にも展開しつつ、ラストは更なる長い旅路を示唆するストーリー。
検温者と非力なケイ素生物の奇妙な男女関係含めて非常に緊張感のある展開。この話の続きを読みたくなるくらい魅力的。
・乱暴な安全装置ー涙の接続者支援箱ー:野崎まど
セーフガードがバカすぎ。作者が大好きなキャラが滑稽に見える。つまり作者がバカ。
・堕天の塔:酉島伝法
階層都市内を落下し続ける塔の中にいる統治局の代理構成体達に起こる悲劇。時間軸や空間のねじれなど不確かな現実世界を構築していてそれがBLAME!の世界観とマッチしている。
・斜線:飛 浩隆
ネットスフィア構築前から存在していた環境調和機連合知性体によるクーデター。巨大すぎる存在が暴走していく様は作者の暴走にも見えるが、展開される理屈とラストに主人公が帰ってくるストーリーは見事なファンブックと思う。

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2017年10月09日

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