あらすじ
あなたは、「変わった人」と言われたことはありますか? ちょっと「変」には理由がある。周囲の空気が読めない、何度注意されても同じミスを繰り返してしまうなど10のケースを例に現役精神科医の著者が発達障害を徹底解説。「生きづらさ」を解消する第一歩は理解すること。自分は他人と違うかもしれないと悩むあなたへ。そして、身近にいる「変わった人」と、良好な関係を築きたいと願う人へ。
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Posted by ブクログ
2016年、8冊目です。
大人の発達障害は、”治らない”ということを、改めて認識しました。
著者が主張されているのは、そういったある意味の「生きづらさ」を持っている人たちに、その特性を理解して受け入れていく世の中にしようということです。
そのために、「生きづらさ」を持つ人たちにかかわる人たちは、
正しく理解し、寛容に受け止めてくださいということです。
自分の知っている人で、「なんでこの人は、こんなことができないのか?」
「なんで常識的かつ一般的な言動ができないのか?」と思い当たる人は何人かいる。
そのことに対して、私は理解ができず心穏やかでなくなることもしばしばありました。それに対してはよく書店で目にする「アンガーマネージメント」とか「怒らない技術」といった本を読んで、主に怒りに対する処方を考えてきました。
しかし、この本を読み始めてから、そういった「生きづらい」人は、障害を持つ人達であり、本人だけの力では「どうしようもない」ことなのだなと認識するようになってきました。そうすると、怒りを覚えていた人達に対する考え方が少しずつ変化したきました。”やらない”のではなく、”できない”のだ。それが発達障害のために”できない”のだ。そう考えてその人たちを見ると怒りが和らいできました。
受け止める側の正しい理解に基づいた寛容さが円滑な関係を維持することに繋がると認識しました。
この本の最後に発達障害をチェックするシートが付いていて、チェックしてみました。結果は、、、、。判定の如何に関わらず、この本を手に取った時点で、何か普通の人とは異なる心理が横たわっているのだろうと思います。それは、横たわっているだけに、自分では気が付かないのかもしれませんね。
2019.3.3追記
自分と一緒に仕事をしている職場の仲間にも、多かれ少なかれ「発達障害?」と感じることがあります。でも、世代間の価値観の違いと理解しないといけない部分もあるのかな?自分のことだけでなく、相手のことまで思い図ることができるかどうかが、
一番の世代間の価値観の違いを生んでいると認識しています。
Posted by ブクログ
2015年の本だから、
今は定義や考え方が変化しているかも。
発達障害についてもっと調べたくなった。
具体的な事例を交えつつ、
障害についての説明が書かれた本。
実際どうしたら良いかはあまり具体的に書かれておらず、サラッと うっすら だけだった。
【発達障害に対しての対応方法】
①PDD(広汎性発達障害)の特徴を理解する。
②苦手なところは本人の責任でないことを前提に考える。
③良いところ、長所を見つける。PDDの特徴のために起こる苦手な面は過度に非難しない。
④本人も自分の問題点を自覚する。
⑤できれば一つひとつの具体的な対応法は本人と話し合って決める。
Posted by ブクログ
PDDについての特徴や対応法について書かれていた。
初めて知ったことも多く、まさにこの本の言ってる通り、周りが正しく理解することが重要なんだなぁと感じた。
とともに、
PDDと診断されないまでも、個々人の性格や特徴や長所短所は人類全員違っていて、強度5%のPDDとかな人も絶対いるだろうし、PDDのうちの1つの特徴だけ40%くらい有してるとかもいるだろうし。
そう考えると、結局どんな相手に対しても、相手を理解し、相手の性格や特徴は変わらないものだと見なして、長所を見つけて付き合っていくのが大切なんだなぁと感じた。(相手が自身の問題点と向き合えるかは別問題だし、向き合えない人のほうがたぶん多いのは難所)
広凡性発達障害(PDD)、自閉症スペクトラム障害(ASD)、アスペルガー症候群の特徴↓↓
①社会的相互交渉の障害
②コミュニケーションの障害
③想像力の障害と、その結果としてもたらされる常同・反復的行動パターン
①→他人のうまく付き合えるかどうか。場の空気や間を、文脈に沿って理解し、他者とコミュニケーションが取れるかどうか。
②→言葉や表情、身振りを使って他人と意思疎通をはかれるかどうか(言葉や表情、身振りを使うかどうかも含む)
③→状況に応じて他人の考えや気持ちを推し量ることに対して、ズレが生じやすい傾向があるか。その結果、柔軟な行動が取れるか。または、物事に必要以上にこだわる傾向があるか。
ADHD(注意欠陥多動性障害)はまた別で、忘れ物が多い、注意散漫、ミスが多い、計画性に乏しい、片付けが苦手、すぐカッとなる、思ったことをなんでも口にする、実直、頭の回転が速い、などの特徴。
ただ、両方ともの特徴が出る人も多く、どちらかを区別するよりも、軽度発達障害に含まれるものとして包括的に考えるほうが対応しやすい、という意見もある。
PDDは、上記が一次障害として起こりつつ、周りの不理解による本人の心の負担・身体症状・抑うつ症状や、周りの人の心の負担・障害が二次障害として起こりうる。
一次障害とうまく付き合い、かつ二次障害を出さないためには、
PDDについて周りが正しい知識を持って理解し、
特徴部分は本人の責任ではない(生まれ持ったもの)ことを前提に考え、
よいところ・長所を見つけ、
PDDの本人も自分の問題点を自覚し、
一つひとつの具体的な対応法を本人と話し合って決め、周りに理解してもらう。
Posted by ブクログ
「変わった人」は困った人じゃないんだよ。
色々な人がいるから,ちょっと気になる「変わった人」はどこにでもいる。その「変わった人」と上手に生きていくには。発達障害というのは,一つの考え方で言うと,グラデーションなので,その「変わった人」と良好な関係を築くというのは,あらゆる人との良好な関係を考えることに似ている。全てではなく,個々に対応すること。お互いがお互いにストレスをかけあって,みんなで共倒れ,なんて哀しすぎる。
当たり前だが,この本に解決する魔法があるわけではない。考え方を少し変えたり,適切な助けを求めたりするきっかけになるのだ。