【感想・ネタバレ】オー・ヘンリー傑作選のレビュー

あらすじ

絶妙のプロット、独特のユーモアとペーソス。この短篇の名手(一八六二―一九一〇)は、時代と国境をこえて今も読者の心を把えつづけている。それはしかし、単に秀抜な小説作法の故ではないであろう。彼の作品には、この世の辛酸を十分になめた生活者の、ずしりと重い体験がどこかで反響しているからである。傑作二○篇をえらんだ。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

家に眠っていた本書。心あたたまる話が多くて、ほっとしました。一番好きなのは「水車のある教会」。生き別れた父娘の邂逅に涙が出そうになりました。次に良かったと思うのは「桃源郷の短期滞在客」。奇跡のロマンス。この話は何度も繰り返し読みました。

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2023年03月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

眠れない夜に読みたい。どの話も優しくて温かくユーモラス。時々悲しいオチの話もあるけど…『警官と賛美歌』とか『古パン』とか。
今度から心温まる話を聞いたら「素敵!オーヘンリーの短編集みたい」と答えていきたい。

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2019年03月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

1998/01/--

「賢者の贈りもの」は有名である。自分の大切なものを売ってまで、相手に物を贈る気持ちは私にはもちろん、今の人もないと思う。「忙しい株式仲買人のロマンス」は「馭者台から」と同様ラブロマンス。「献立表の春」は心和むハッピーエンド。でも、「警官と賛美歌」はせっかく更正した不労者を最後になって刑務所に入れるなんて・・・。

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2014年08月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ひねりを利かせたプロットや意外なオチが特徴的な短編集。人間ドラマではあるのだけど、どちらかというとトリッキーな設定を重視する傾向が強い感じで、軽い感じがするし、無理があるものも結構ある。
とはいえ、登場人物は性別、階層、職業などが実に多様で、物語の中で皆生き生きと動いている。解説によると作家業に専念する前は服役したり逃亡したりとかなり波乱万丈の生活を送っていたようで、その中で出会った様々な人々が作品に影響を与えているのではないかと思われる。
「最後の一葉」は有名な作品だし、国語の教科書にも載っていたような気がするが、細かい点をすっかり忘れていた。「古パン」はカムカムエブリバディでるいが読んでいてドラマ内でも再現されていた。
原文からそうなのか翻訳のせいなのかは分からないが、文章がかなりまどろっこしく微妙なニュアンスが取れない箇所が結構あった。「献立表の春」「馭者台から」「千ドル」「らっぱのひびき」「マディソン・スクエア千一夜物語」あたりは別の役で読み直してみたい。

賢者の贈りもの
The Gift of the Magi
女は自慢の髪の毛を売って金を作り、男が大切にしている金時計のための鎖を、クリスマスプレゼントとして買った。一方男は、大切な金時計を売って金を作り、女が自慢の髪を梳かすための櫛を買った。
Magiとはイエスの誕生時に訪れた東方の三博士のこと。

警官と讃美歌
The Cop and the Anthem
冬を越す金のない貧しい男が、刑務所で冬を過ごそうと悪事をいろいろと働くが思うように逮捕されない。教会の讃美歌を聴いて心を入れ替えて正しく努力しようと思った矢先になぜか突然逮捕される。

マモンの神とキューピッド
Mammon and the Archer
金にすべての力があると信じる実業家と、その反対の息子。息子は純粋に愛の力で恋人を射止めたと信じているが、実は父が裏で金の力で周りを動かした結果であった。
マモンとは新約聖書において富を意味する言葉で、時に金をばらまく悪魔の姿で表象されたりする。

献立表の春
Springtime à la Carte
隣のレストランの日替わりメニューを毎日タイピングして生計を立てている女性が、田舎にいる恋人から便りがないのを嘆くあまりに、恋人の名前をメニューにタイピングしてしまう。そのメニューを見た恋人が訪ね当ててくれる。(謎設定)

緑のドア
The Green Door
緑のドアと書かれたチラシを受け取った男は何かの暗号化と勘繰って、近くの建物の緑のドアをノックし女性と出会った。しかしそれはただの勘違いと偶然であった。

馭者台から
From the Cabby’s Seat
馭者が自分の馬車に乗せて走っていたのがさっきまで結婚式を挙げていた自分の妻だと気づいていなかった。妻は馬車でいろいろな場所を巡って楽しんでご機嫌だが、なぜ花婿が結婚式の日に馬車を営業しているのか皆目分からない。

忙しい株式仲買人のロマンス
The Romance of a Busy Broker
忙しい株式仲買人が買付の隙間を縫って速記者に求婚するが、忙しすぎて昨日挙式したことを忘れていた。

二十年後
After Twenty Years
巡査になった男は二十年前に友達と会う約束をした場所に行くが、そこにいたのは犯罪を犯して指名手配されている友人であった。

改心
A Retrieved Reformation
金庫破りが改心してまっとうに暮らしていたところ、女の子が事故で金庫に閉じ込められる。金庫破りは封印していた技を用いて女の子を救出する。金庫破りを追っていた刑事はその場面を目撃するが見逃す。

古パン
Witches’ Loaves
いつも古パンばかり買っていく貧しそうな画家らしき男に好意を寄せたパン屋の女は、ある日男に喜んでもらうためにパンにバターをこっそり混ぜたところ、図面の下書きを消すためのパンにバターが混ざっていたために図面が台無しになったと怒られた。

眠りとの戦い
At Arms with Morpheus
誤ってモルヒネを飲んだ友人をなんとか眠らせないようにしようと、男は,友人が金持ちになった途端に恋人を冷たくあしらい始めたことについて嗜めて怒らせようとする。友人はその時は怒りを見せるが、モルヒネの効果が落ち着くと怒るどころか男に感謝して恋人に電報を打ちにいく。
Morpheusはギリシア神話に出てくる夢の神で、モルヒネの語源。

ハーグレイヴズの一人二役
The Duplicity of Hargreaves
南部で繁栄したが今は落ちぶれてしまっている老大佐とその娘が金に困っている。同じアパートに住むハーグレイヴズという役者は大佐の特徴をまねた演技で高い評価を得たお礼として金を渡そうとするが、大佐はプライドが高く施しを受けようとしない。そこでハーグレイヴズは大佐の話で聞いた昔の黒人召使が恩返しするふりをして金を渡すことに成功する。

水車のある教会
The Church with an Overshot Wheel
水車小屋で粉挽をしていた粉屋は、娘がまだ幼いときにジプシーに攫われてしまう。娘は死んだものと祈りを込めて水車小屋を教会に改修したところ、後日大人に成長した娘が偶然訪れ奇跡の再開を果たす。

赤い酋長の身代金
The Ransom of Red Chief
誘拐した子どもが手に負えないほどのやんちゃで親も持て余すほどだったので、身代金を取るどころか逆にお金を払って引き取ってもらうことになる。

千ドル
One Thousand Dollars
金遣いが荒かった若者は、死亡した叔父から少額の資産を相続し、その使途が真っ当なものであれば追加の遺産をもらえるということになってった。そんなことを知らない若者は、彼が思いを寄せていた、叔父の被後見人である女性に告白するも断られ、自我を失って相続財産をすべてその女性に渡してしまう。使途に関する約束を弁護士から聞かされ、若者が受け取らなかった場合の遺産が被後見人の女性に渡ると知った若者は、残りの遺産の受取をあきらめる。(もしかして女性に渡したのは真っ当な使い道だった??)


桃源郷の短期滞在客
Transients in Arcadia
ある高級ホテルに泊まっていた貴婦人は、実はデパートで働く庶民で、短期間だけでも優雅な生活を味わいたいと懸命に金を貯めて宿泊に来た女性だった。ドレスも月賦で購入したものでまだ支払いが残っていたが、たまたま同宿した男がそのドレスの店の集金係で、女性に共感した男は支払いを領収済みにした。

ラッパのひびき
The Clarion Call
刑事が顔見知りの殺人犯を見つけ逮捕しようとするが、刑事は犯人に金銭の借りがあり逮捕することができない。二人でにらみ合いのまま夜を明かすが、ラッパのひびきとともにやってきた新聞配達たちが届けてきた新聞に載っていた逮捕の報償金を犯人に渡す約束と引き換えに、犯人を警察に引き渡した。(謎設定)

マディソン・スクェア千一夜物語
A Madison Square Arabian Night
男は妻を貶されたことを気に病んでいた。そこで、公演で施しを受けている老人を気まぐれに連れてきて食事を提供したところ、老人は人の実の内面をさらけだす絵をかける絵かきであった。妻の写真を元に絵をかいてもらうと妻の心が美しいことが判明した。(無理矢理設定)

最後の一葉
The Last Loaf
上の階に住む若い絵描きの女性が重い肺炎にかかり、窓から見える蔦の最後の一枚の葉が落ちた時に自分は死ぬのだと生きる希望を失っていることを知った画家の老人は、その葉が落ちた暴風雨の夜中に壁に蔦の葉の絵を描いて女性の希望をつなぎ、自分は肺炎にかかって死んだ。

伯爵と結婚式の客
The Count and the Wedding Guest
婚約者であった伯爵を喪ったばかりの女性を見初め婚約した男だが、女性に見せられた伯爵の写真が自分の知人であったことから、女性が伯爵と婚約していたことは嘘であることを最初から見抜いた上で求婚していた。

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2024年11月24日

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