あらすじ
絶妙のプロット、独特のユーモアとペーソス。この短篇の名手(一八六二―一九一〇)は、時代と国境をこえて今も読者の心を把えつづけている。それはしかし、単に秀抜な小説作法の故ではないであろう。彼の作品には、この世の辛酸を十分になめた生活者の、ずしりと重い体験がどこかで反響しているからである。傑作二○篇をえらんだ。
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津村の読み直し世界文学の1冊である。いくつかの話が教科書でとりあげられるほど日本でもよく知られた本である。賢者の贈り物や最後の一葉がそれである。他の話は犯罪や暴力と関連するので教科書に掲載されなかったのであろう。作者が刑務所に入っている間に書き上げたということで犯罪も取り上げられている。起承転結の日本型文型とさらに最後のどんでん返しでは落語の世界に通じているので日本でも愛された小説なのであろう。
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家に眠っていた本書。心あたたまる話が多くて、ほっとしました。一番好きなのは「水車のある教会」。生き別れた父娘の邂逅に涙が出そうになりました。次に良かったと思うのは「桃源郷の短期滞在客」。奇跡のロマンス。この話は何度も繰り返し読みました。
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連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』でも触れられた「古パン」(原題"Witches' Loaves"、劇中では「善女のパン」)も含む20の短篇を収録。
率直に言って、すごい。彼の作品のユーモアとペーソスはいわゆる小説っぽいものではない。自分を含むあらゆる生きた人間の内も外も知り尽くし、ささやかな日常を観察し続けて得られたような、そんなリアリティーがある。
「人の世は笑えん喜劇と笑える悲劇のよじれあい」(連続テレビ小説『おちょやん』より)という人生や人間の特徴をよく捉えた、素晴らしい作品だと思う。
お気に入りは「二十年後」、「ハーグレイヴズの一人二役」、「桃源郷の短期滞在客」、「最後の一葉」。訳文にところどころ日本っぽさがある点が惜しい。
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眠れない夜に読みたい。どの話も優しくて温かくユーモラス。時々悲しいオチの話もあるけど…『警官と賛美歌』とか『古パン』とか。
今度から心温まる話を聞いたら「素敵!オーヘンリーの短編集みたい」と答えていきたい。
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最後の一葉等の代表作を含め、様々な作品が収録されており、とりあえずオーヘンリーを読んでみようというときには非常に良いと思います。
国や時代の違いはあり、背景が理解しにくい場面もありますが、一ひねりされたストーリーの面白さは自分にもグサッと来るものでした。
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1998/01/--
「賢者の贈りもの」は有名である。自分の大切なものを売ってまで、相手に物を贈る気持ちは私にはもちろん、今の人もないと思う。「忙しい株式仲買人のロマンス」は「馭者台から」と同様ラブロマンス。「献立表の春」は心和むハッピーエンド。でも、「警官と賛美歌」はせっかく更正した不労者を最後になって刑務所に入れるなんて・・・。
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先日読んだ小川洋子さんのエッセイで、
彼女にとって短編小説の存在がどういったものであるか、
このように書かれていた。
「素晴らしい短編小説に出会うと、
自分だけの宝物にしたくなる。
小さいけれどしっかりした造りの宝石箱にしまい、
他の誰も知らない場所に隠しておく。」
そして、「何かの都合で立ち上がれなくなる位疲れてしまった時、
その宝物が役に立つ」と。
私にとっては、この一冊がまさにその宝物なのだと思う。
約一週間前、私達の住む国は大きな天災に見舞われ、
多くの人々が生命、財産、最愛の人を喪った。
そして今も連日、悲しみや不安を突きつけられるニュースが
流れ続けている。
「自分にとって今こそこれが必要だ。絶対読まなくては。」
と思って、昔から大好きで何度も読んでいる
この短編集を手に取った。
人間は弱いものだ。
だけど温かくて愛しい。
人生って皮肉だし、哀しい。
だけどそれだけではないはず。
誰かの強くて温かな手が、
困っている貴方の前に差し伸べられる事もあるのだから。
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オーヘンリーといえば物語の最後に現れるドンデン返しが思い起こされるが、改めて読んでみるとその文体もとても素晴らしいものであることに気づいた。
陽気な人、悲しい人をこれほど上手く表現する作家はそういない。
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社会的弱者の気持ちを捉えながら、温かくも滑稽な物語に仕上げるスタイルが好み。古きアメリカの町並みや生活を伝える独特の文体も心地よい。
「賢者の贈り物」はアメリカの本で比喩的に引用されるくらい有名。
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俺はどういうわけか自分の手でお前を捕まえられなかったのさ
-20年後
この贈り物は私たちには分不相応すぎるからとっておこう
-賢者の贈り物
なんでこのドアを開けたの?
-緑のドア
中学の頃から一番好きだった話たち。
心が温まる
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「ユーモアとウィットとペーソスと意外な結末」というオー・ヘンリーらしさを、すべてに感じる短編集だった。彼自身が順調な人生を送ったわけではないので、弱者の気持ちも非常によく捉えていて、暖かさと優しさを感じる作品ばかりだ。
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小学4年生の時に、先生に読み聞かせしてもらった本。「賢者の贈り物」、「二十年後」、「最後の一葉」がとても印象的で、ずっと覚えていたので購入。この3つのお話はわずか10ページほどの短い物語なのに感動の結末があり、心にくる。訳されているため、わかりづらいところもあり、全編は読めていない。
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短編集などは今まであまり読んでこなかったがこの本が家に埃と共に転がっていたので読んでみることにした。
全ての話が面白かった。どんな結末になるのかワクワクしながら読むことができた。中には既知のものもありこの人の話だったのかと驚いたりした。
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『賢者の贈りもの』
あまりに有名な代表作。
『警官と賛美歌』
あえて一言で評すならば、徹底的な勧善懲悪。
こういった世界観を面白おかしく表現できるのがオー・ヘンリーの真骨頂だと思う。
『マモンの神とキューピット』
『賢者の贈りもの』を書く人間が書いていると思うと面白い。
世の中、金ですわ。
『献立表の春』
古風な恋愛小説。
私も含め、恋愛を文字で楽しむのが好きな人には大好物だと思う。
『緑のドア』
個人的に一番好き。
真の冒険者にはなれなくとも、並以上の冒険者ではありたい。
『馭者台から』
教訓話でも、感慨深い話でもない。ただオチでふふっとさせることに特化した作品。
酒は怖い。
『忙しい株式仲買人のロマンス』
「職業病と恋愛」という観点では『馭者台から』と同じ。
「仕事と私どっちが大事なの?」とはよくあるフレーズだが、本作では「仕事の合間なんかに告白?」と思わせておいて、「仕事の合間にも告白」と、どんでん返しする展開が面白い。
『二十年後』
オチは読めた。
オチが読めるくらい使い古された設定ではあったが、その設定の走りがこの小説だとしたら、本作が偉大であることに間違いはないだろう。
『改心』
『警官と賛美歌』とは対照的な作品。
真にまっとうに生きようとする人間は、その心がけが行動に現れるものだ。
『古パン』
木炭画に関する多少の知識があったため、展開は読めた。というのは読者目線の客観的な話。
恋は盲目と言うが、相手の気を惹こうとする行為が独善的になりがちという点には気をつけなければならない。
『眠りとの戦い』
持つべきものは親友。
いかに紳士的な人間であろうとも、欠点はある。しかし、それを素直に受け入れて反省できるのも紳士というものだ。
『ハーグレイヴズの一人二役』
信念とお金という観点では『マモンの神とキューピット』に類似性がある。
格式や伝統、古き良き時代といったものに固執する人間は、何より「理由」を重んじる。リディアの最後の一言は皮肉が効いていてとてもよかった。
『水車のある教会』
都市の喧騒を離れて、自然の中で傷心を癒す2人の出逢い。
献身者と苦労人にはこれくらいの奇跡が起きてもいいだろう。
『赤い酋長の身代金』
他とは打って変わってコミカルな話。
軽快な一人称視点がよかった。
『千ドル』
かなり考察の余地がある作品。以下、個人的な解釈。
二千二百ドルの宝石に対して、千七百八十五ドルの預金残高。人によって1ドルの重みや使途が違うことを知ったジリアンは、恩を着せることなく愛する人に千ドルを渡した。これは愛する人へのある種の”かっこつけ”であり、一回で使いきるというジリアンの考えにも合致する方法であった。その点、ジリアンは利己的に千ドルを使用した。しかし、表面的には利他的な行為に見える。それで5万ドルを受け取っては”かっこつかない”。ジリアンは5万ドルよりも自身のプライドを重いと捉えたのだ。
以上のことから、お金の重みや使途から人が大事にしているものが見えてくるという話だと思った。
『桃源郷の短期滞在客』
隠れ家的な避暑地で思い切り贅沢をする男女の話。
世間に知られていないような高級すぎない別荘地に少し背伸びして行ってみるというのが、肩のこらないバカンスの楽しみ方かもしれない。
『ラッパのひびき』
人間には信義や思想があり、ときにはそれらが善人にとっての足枷となる。しかし、お金は善人にも悪人にも等しい価値をもつ。その平等さは善人の足枷を払うことにも繋がるのだ。
『マディソン・スクエア千一夜物語』
おそらくチャーマーズはどちらの女性を選ぶべきか、心のどこかでわかっていたのではないだろうか。
人は重要な選択をするときこそ、他人(それも赤の他人)の後押しを無意識に求めるのだろう。
『最後の一葉』
小説とは、最後の一葉みたいなものかもしれない。
言葉や絵の具が直接病気に効くことはないが、魂の込められた作品は、人を生かす力を与える。
『伯爵と結婚式の客』
世の中のお嬢さんたちよ、男とは単純な生き物なのだ。物思いにふける態度や嫉妬心を煽るエピソードがあるだけで簡単に落ちる。
男とはそういう生き物だ。
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ほんとに有名な、「賢者の贈り物」「最後の一葉」、あなたさまでしたか。というかんじ。
そのほか、納められた18篇(計20篇)の短編も、王道のようでいて、最後にフーーむと唸らされる。
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さすがに世界中で読まれているだけのことはあり、どれもこれも面白い。どこかで、一度は聞いたことのある話ばかりであるが、まじめに読んだのは初めて。
短篇集であるので、ちょっとした空き時間に読めるのも良い。
手元において、読み返したい。
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初ヘンリー。ショートショートの巨匠だなと。年を経ても色褪せない精彩なアイデア。見事なまでの伏線。短いストーリーの中にひっそりと紛れ込む様は擬態動物さながら。ラストでガブっと噛みつかれ、それが心地よくもハッとさせられる。個人的にはホッコリとする温かいストーリーの方が好き。賢者の贈り物や最後の葉は既読であったが、何度読んでも感じ入るものがあるなー。登場人物のキャラクターや個性に頼らず、物語の流麗のみで読者を惹きつけられるのはすごいなぁ。
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O・ヘンリーの20の短編が収録された作品集。
『最後の一葉』しか馴染みが無かったのでぐっとくるような優しい作品が多いのかと思えば、他作品は割とブラックユーモアがきいていて興味深かった。そしてどの作品もしっかりオチがある。
様々な性格の持ち主の人物が代わる代わる登場するが、良くも悪くも”人間くさい”人物ばかり。100年ほど前の作品なので現代には見られない舞台や情景があるにも関わらず、何故か身近さを感じるのは魅力を感じられる登場人物たちのお陰なのかも。
どこから読んでも楽しめる作品ばかりでした。
~memo~
『最後の一葉』、『賢者の贈り物』、『改心』、『二十年後』、他。
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大体1話で10頁程度のショートストーリー。予想がつくものもあるけれど、ラスト5行でのどんでん返しが軽快で楽しい。『最後の一葉』が気に入ってます。
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英米文学に進むからには……と古本屋で購入。英米文学、ぶっちゃけミステリーとファンタジーしか読んだことがなかったという……名前だけならなんとか
「賢者の贈り物」は絵本で読んだことがありました。他の話もそれなりに、学校の長文問題、ああいう感じの話を日本語訳するとこうなるよ。って感じです。ブラックユーモアなオチもあるしさらっと読めました。原典読んだ方が良さが伝わるような気が。せっかくだし自由多読の授業用に探そうかなあ
Posted by ブクログ
ひねりを利かせたプロットや意外なオチが特徴的な短編集。人間ドラマではあるのだけど、どちらかというとトリッキーな設定を重視する傾向が強い感じで、軽い感じがするし、無理があるものも結構ある。
とはいえ、登場人物は性別、階層、職業などが実に多様で、物語の中で皆生き生きと動いている。解説によると作家業に専念する前は服役したり逃亡したりとかなり波乱万丈の生活を送っていたようで、その中で出会った様々な人々が作品に影響を与えているのではないかと思われる。
「最後の一葉」は有名な作品だし、国語の教科書にも載っていたような気がするが、細かい点をすっかり忘れていた。「古パン」はカムカムエブリバディでるいが読んでいてドラマ内でも再現されていた。
原文からそうなのか翻訳のせいなのかは分からないが、文章がかなりまどろっこしく微妙なニュアンスが取れない箇所が結構あった。「献立表の春」「馭者台から」「千ドル」「らっぱのひびき」「マディソン・スクエア千一夜物語」あたりは別の役で読み直してみたい。
賢者の贈りもの
The Gift of the Magi
女は自慢の髪の毛を売って金を作り、男が大切にしている金時計のための鎖を、クリスマスプレゼントとして買った。一方男は、大切な金時計を売って金を作り、女が自慢の髪を梳かすための櫛を買った。
Magiとはイエスの誕生時に訪れた東方の三博士のこと。
警官と讃美歌
The Cop and the Anthem
冬を越す金のない貧しい男が、刑務所で冬を過ごそうと悪事をいろいろと働くが思うように逮捕されない。教会の讃美歌を聴いて心を入れ替えて正しく努力しようと思った矢先になぜか突然逮捕される。
マモンの神とキューピッド
Mammon and the Archer
金にすべての力があると信じる実業家と、その反対の息子。息子は純粋に愛の力で恋人を射止めたと信じているが、実は父が裏で金の力で周りを動かした結果であった。
マモンとは新約聖書において富を意味する言葉で、時に金をばらまく悪魔の姿で表象されたりする。
献立表の春
Springtime à la Carte
隣のレストランの日替わりメニューを毎日タイピングして生計を立てている女性が、田舎にいる恋人から便りがないのを嘆くあまりに、恋人の名前をメニューにタイピングしてしまう。そのメニューを見た恋人が訪ね当ててくれる。(謎設定)
緑のドア
The Green Door
緑のドアと書かれたチラシを受け取った男は何かの暗号化と勘繰って、近くの建物の緑のドアをノックし女性と出会った。しかしそれはただの勘違いと偶然であった。
馭者台から
From the Cabby’s Seat
馭者が自分の馬車に乗せて走っていたのがさっきまで結婚式を挙げていた自分の妻だと気づいていなかった。妻は馬車でいろいろな場所を巡って楽しんでご機嫌だが、なぜ花婿が結婚式の日に馬車を営業しているのか皆目分からない。
忙しい株式仲買人のロマンス
The Romance of a Busy Broker
忙しい株式仲買人が買付の隙間を縫って速記者に求婚するが、忙しすぎて昨日挙式したことを忘れていた。
二十年後
After Twenty Years
巡査になった男は二十年前に友達と会う約束をした場所に行くが、そこにいたのは犯罪を犯して指名手配されている友人であった。
改心
A Retrieved Reformation
金庫破りが改心してまっとうに暮らしていたところ、女の子が事故で金庫に閉じ込められる。金庫破りは封印していた技を用いて女の子を救出する。金庫破りを追っていた刑事はその場面を目撃するが見逃す。
古パン
Witches’ Loaves
いつも古パンばかり買っていく貧しそうな画家らしき男に好意を寄せたパン屋の女は、ある日男に喜んでもらうためにパンにバターをこっそり混ぜたところ、図面の下書きを消すためのパンにバターが混ざっていたために図面が台無しになったと怒られた。
眠りとの戦い
At Arms with Morpheus
誤ってモルヒネを飲んだ友人をなんとか眠らせないようにしようと、男は,友人が金持ちになった途端に恋人を冷たくあしらい始めたことについて嗜めて怒らせようとする。友人はその時は怒りを見せるが、モルヒネの効果が落ち着くと怒るどころか男に感謝して恋人に電報を打ちにいく。
Morpheusはギリシア神話に出てくる夢の神で、モルヒネの語源。
ハーグレイヴズの一人二役
The Duplicity of Hargreaves
南部で繁栄したが今は落ちぶれてしまっている老大佐とその娘が金に困っている。同じアパートに住むハーグレイヴズという役者は大佐の特徴をまねた演技で高い評価を得たお礼として金を渡そうとするが、大佐はプライドが高く施しを受けようとしない。そこでハーグレイヴズは大佐の話で聞いた昔の黒人召使が恩返しするふりをして金を渡すことに成功する。
水車のある教会
The Church with an Overshot Wheel
水車小屋で粉挽をしていた粉屋は、娘がまだ幼いときにジプシーに攫われてしまう。娘は死んだものと祈りを込めて水車小屋を教会に改修したところ、後日大人に成長した娘が偶然訪れ奇跡の再開を果たす。
赤い酋長の身代金
The Ransom of Red Chief
誘拐した子どもが手に負えないほどのやんちゃで親も持て余すほどだったので、身代金を取るどころか逆にお金を払って引き取ってもらうことになる。
千ドル
One Thousand Dollars
金遣いが荒かった若者は、死亡した叔父から少額の資産を相続し、その使途が真っ当なものであれば追加の遺産をもらえるということになってった。そんなことを知らない若者は、彼が思いを寄せていた、叔父の被後見人である女性に告白するも断られ、自我を失って相続財産をすべてその女性に渡してしまう。使途に関する約束を弁護士から聞かされ、若者が受け取らなかった場合の遺産が被後見人の女性に渡ると知った若者は、残りの遺産の受取をあきらめる。(もしかして女性に渡したのは真っ当な使い道だった??)
桃源郷の短期滞在客
Transients in Arcadia
ある高級ホテルに泊まっていた貴婦人は、実はデパートで働く庶民で、短期間だけでも優雅な生活を味わいたいと懸命に金を貯めて宿泊に来た女性だった。ドレスも月賦で購入したものでまだ支払いが残っていたが、たまたま同宿した男がそのドレスの店の集金係で、女性に共感した男は支払いを領収済みにした。
ラッパのひびき
The Clarion Call
刑事が顔見知りの殺人犯を見つけ逮捕しようとするが、刑事は犯人に金銭の借りがあり逮捕することができない。二人でにらみ合いのまま夜を明かすが、ラッパのひびきとともにやってきた新聞配達たちが届けてきた新聞に載っていた逮捕の報償金を犯人に渡す約束と引き換えに、犯人を警察に引き渡した。(謎設定)
マディソン・スクェア千一夜物語
A Madison Square Arabian Night
男は妻を貶されたことを気に病んでいた。そこで、公演で施しを受けている老人を気まぐれに連れてきて食事を提供したところ、老人は人の実の内面をさらけだす絵をかける絵かきであった。妻の写真を元に絵をかいてもらうと妻の心が美しいことが判明した。(無理矢理設定)
最後の一葉
The Last Loaf
上の階に住む若い絵描きの女性が重い肺炎にかかり、窓から見える蔦の最後の一枚の葉が落ちた時に自分は死ぬのだと生きる希望を失っていることを知った画家の老人は、その葉が落ちた暴風雨の夜中に壁に蔦の葉の絵を描いて女性の希望をつなぎ、自分は肺炎にかかって死んだ。
伯爵と結婚式の客
The Count and the Wedding Guest
婚約者であった伯爵を喪ったばかりの女性を見初め婚約した男だが、女性に見せられた伯爵の写真が自分の知人であったことから、女性が伯爵と婚約していたことは嘘であることを最初から見抜いた上で求婚していた。
Posted by ブクログ
短編集、どの作品も意外な結末を迎えることが言わば「お約束」になっているため、ある意味型通り。最後の一葉のように印象に残るものもあるあった。馭者台からのみ分かりづらく感じた。本を読む気持ちが下がってるタイミングに読んでしまっただけで、読んだ時期によっては4になるかも。
Posted by ブクログ
言わずと知れた『賢者の贈りもの』、『最後の一葉』を含むオー・ヘンリの短編20作品。
であるも、私、個人としては和訳が直訳過ぎるのかしっくり来なかった感あったので★3つ。
一般的には評価の高い一冊。