あらすじ
新聞部の創設。柏原第二高校に転校してきた安達は、島で唯一の小学生・相原大地のために部活動を始めることを提唱する。賛成するクラスメイトたちだったが、七草はそれが堀を追い込むために巧妙に仕組まれた罠であることに気づく。繙かれる階段島の歴史と、堀が追い求めた夢。歩み続けた7年間。その果てに彼女が見つけた幸福と、不幸とは……。心を穿つ青春ミステリ、第4弾。
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Posted by ブクログ
この巻では階段島の謎の多くが明らかになった。いつものことだが、七草の抽象的で詩的な言葉がものすごくよかった。何が何を比喩しているのか、何を言いたいのかを自分で考えることで没入感が増した。この抽象的な言葉そこが階段島独特の幻想的だ不思議な雰囲気を醸し出しているように感じた。
ピストルスター=真辺(or堀)
脆い黒=夜空=七草
このようにさまざまな分に比喩が紛れていて注意深く読んではっとすることも多かった。
Posted by ブクログ
第4巻、七草と真辺の視点で描かれる、安達がやってきた島の物語
読みはじめ、魔女または魔女を名乗る人物は少なくとも3人いるようだと分かります
捨てられた人格だと言うのもありますが、真辺はかなり面倒くさい人間ですね
この巻では、島と魔女のの核心部分が明かされました
第2巻の、もやもやがスッキリしました
この後も続くようですが、どうなるのかな?
Posted by ブクログ
読んでいてまず感じたのは、景色の描写が相変わらず美しく、言葉が丁寧に扱われているということです。その世界観に自然と引き込まれます。
特に心に残ったのは、七草が時任さんに「魔女をやめた後は郵便配達をしてみては」と提案する場面です。放っておくこともできたのに、相手のこれからを考えてあげる七草の優しさに温かさを覚えたし、遠くから見守る魔女から、近くで寄り添う郵便配達へと繋げる発想も素敵だと思いました。
さらに印象的だった言葉が二つあります。一つ目は「優しい人は傷つけることを恐れて一歩目を踏み出せない」という言葉です。私はよく「優しい」と言われるが、そのせいで関係が深まらないこともあり、とても共感しました。二つ目は「ぶつかって生まれる問題よりも、ぶつからないように縛って生まれる問題の方が危険」という言葉です。衝突を避けて我慢することで、むしろ関係が壊れてしまう恐ろしさに気づかされました。
優しくて、自分を犠牲にしてしまうような人の心に寄り添い、救ってくれる言葉がたくさん散りばめられた一冊です。
Posted by ブクログ
階段島の誕生と主人公・七草の関係、魔女について主に描かれていた回だった。前半は、島の新住民となった安達による変化と、島唯一の子供・大地について。後半は、魔女・掘と魔女の奪還を企てる安達、2人の七草について。
前巻までで触れていた大地についての進展は特になく、メインとなったのは掘・安達・七草の関係だった。
安達がカンフル剤となって、七草と真辺の関係や掘の体制に変化が生じた。曖昧であまり触れられていなかった2人の関係がはっきりしたのは良かった。もう1人の七草という支えがいなくなった掘、真辺を魔女にすると宣言した安達、相対する2人の今後が気になる。
大地や島のみんなは拾われるのか、階段島はどうなるのか。次巻に期待。
Posted by ブクログ
いろんな七草が登場してきて読んでいて混乱する…。だけど、どちらも七草であることは変わらないし、そうであって欲しいと思う。階段島の謎についてすっきりした部分も多く、物語のクライマックスに向かって大きく前進している。賛否両論ある内容だとは思うけど、私は好きです。男女の仲を恋愛に落とし込むことは多いが、七草と真辺がそれを超えた関係で羨ましい。
Posted by ブクログ
なんだか終わりに近づいてるなぁという感じ。というか、3巻以降、急展開が多い。少なからずちりばめられていた伏線や何かしらのアイテムが一気に回収されつつあるというか。ピストルスターがここまで引っ張られたりや逆上がりなど、伏線らしい伏線から、それも活かすのかというところまでいろいろ。
それに伴って1巻を読んだときには語られないことが多すぎてよくわからなかったことが、やっとこわかってきた。
信仰という言葉がでてきたのは2巻だったか、3巻だったか。それの対象がピストルスターであったわけだが、ピストルスターの意味させるところが、この作者のうまいところなんだろうな。もともと抽象的であったものをなんとなく想像させて、かつ裏の裏みたいな落としどころがいつの間にか語られる。
これまでもこれからも七草と真辺の関係は変わらないんだろうけど、読み手の立ち位置が知らない間に変えられてるが故に、いろんなことを想像させられる。安達の立ち位置も。
Posted by ブクログ
うーん、相変わらずの「Aだ。一方でAではない。」みたいな言い回しに疲れるけれど、だいぶ物語が進んだ、階段島シリーズ第4弾。
以下、ネタバレです。
前作で混乱を引き起こした安達が階段島へきた。階段島の七草は安達のことを知らない。魔女は実は2人いて、安達は堀の不幸を証明して魔法を奪おうと画策していて、実は大地も七草さえも安達の目的のためにうまく動かされているだけでは、という気もしてくる。
そして、3人目の七草が出てきて・・・こっちの七草は堀を信仰していて・・・ここに私、混乱しまして。というのが、3人目の七草は現実の自分に、「堀のそばにいたい」という思いを捨てられ、階段島にきたというわけなのだけど、その「堀のそばにいたい」が突然すぎてついていけなかった。真辺については、そこらへんの記述がたくさんあるわけで、まだ理解できるんだけども。
そして、堀と空を飛ぶ七草。急にファンタジー。
ちょっとちょっと、私、もう無理かも、この話、と思いつつも、やはり最後が気になるし、なんか気になるこのシリーズ。階段島シリーズって結局はすっごく内省的な物語なの?という私自身の疑問のためにも読み続けます。