あらすじ
人の思考の枠組みのひとつである「物語」とはなんだろう? 私たちは物語によって救われたり、苦しめられたりする。その仕組みを知れば、人生苦しまずに生きられるかもしれない。物語は、人生につける薬である!
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Posted by ブクログ
タイトルから、小説について何らかのことが書いてある本かな、と手にとった
想像していた内容とは違って、最初は戸惑ったが、どんどん面白くなった
例えば。昨今の宗教被害の問題など、なぜ人はそういう世界にはまってしまうのか、
今一つピンとこなかったのだが、「物語」をキーワードに説かれていて、
非常に参考になった
物語のいいところも悪いところも知ることができました
Posted by ブクログ
久しぶりの新書。
もしかしたら養老孟司さんの『バカの壁』以来か。
一体何年前だよっヾ(--;)
『人はなぜ物語を求めるのか』
新聞の書評欄で紹介されていてこのタイトルが気になり、書店を数件巡ったが置いておらずネット書店で購入。
最近、「なんか世の中って‘物語’だらけじゃないか」と思い、息苦しさを感じていたのでジャストタイミングだった。
自分の頭の中まで‘物語’だらけだもの。
本書を読んで思い返したのは軽い認知症の祖母のこと。
「あれをしてくれないから私のことなどどうとも思ってない」と言ったり、不都合や不具合があると自分勝手に家族を責めたりする。
私の不幸=家族のせい
という強固な‘物語’が頭の中に鎮座しているのかな。
それで自分を苦しめているのかなと思った。
これも私自身が勝手に解釈した‘物語’に違いないけど。
中身は私にはちょっと難しいところもあり、時折「は?」と二度三度文章を読み返したりしながら読んだ。
でも『自分のぼんやりした考えを、豊富な文献と読みやすい文章で形にしてくれた!グッジョブ!』と思ったり、考えが私には思いもかけぬ方向に着地したりして読み物として楽しかった。
まあ『わかった』と『分かった気になる』と区別がつかない
そうなので自分がどこまで分かったのかわからない。
他のひとからみれば「あいつ、わかってないなー」なのかも(* ̄∇ ̄*)
それに千野さんのハナシに納得したのも『彼の提示する物語』と『私の思う物語』が合致しただけかもしれない。
Posted by ブクログ
印象的な箇所のまとめ
・世界にたいする何故とその回答が物語の物語らしさを生む。
・人は生きる意味を求める。生きている原因より意味(目的)を知りたがる。
・人生に期待すると失望する。期待しなければ希望がもてる
・人生に期待するのでなく誰かの人生の期待に責任を持ってこたえる自覚を持つ。
・物語の前後の因果関係は運命だと言える。物語とは運命を認識する方法。
・自分達が現実たと思っていることの多くは、自分達が無自覚なまま構成させられてしまった物語である。
・無根拠で不適切な一般論から脱する。
・べき論、コントロール願望を捨てる。
・感情行為直結説(こう感じているからこう行動する)から行為選択可能説(行為は自由に選べる)へ。
・人は知らないことを自分の解釈の格子で埋めていく。
・自分が知らないということを知る。
・正しい私は報われるべきだ、評価されるべきだという被害者意識の物語は極めて無責任。他責的ストーリー。
・人間はストーリーを不可避に合成してしまう。
Posted by ブクログ
個人的には読みにくく、内容もタイトルで期待したほどではなかったけど、第4章で書かれていた内容についてはSNS社会の中で思うところが日常的にあり共感した。
人はそれぞれに違う人生のストーリーを持って生きており、それが歪んでしまっている人もいる。他人に自分のストーリーを押し付けたり、攻撃したり。
社会の中で生きて行くことは大変だし、人間関係も面倒なことは多い。自分にとってうまいことばかりではない世の中だけれど、自分の選択だけは、自分で下すことができる。
自分はどうありたいか、どんなストーリーを描いていきたいか。考え直すきっかけにもなった。