あらすじ
【アンソニー賞、マカヴィティ賞、ストランド・マガジン批評家賞最優秀新人賞受賞】 帰ってきてほしい――10年前に故郷を離れ陸軍で海外勤務についていたバンに、長い間音沙汰の無かった祖父から届いた手紙。ベテランのプロの泥棒である祖父の弱気な言葉に胸が騒いだ彼は、10日間の休暇をとって帰郷する。だが空港からなつかしき祖父の家に着くと、そこでは頭に銃撃を受けた祖父が倒れていた! 人事不省の祖父を問い詰めることも出来ないバンは、手掛かりを求め、旧知の仲である祖父の仕事仲間に協力を仰ぐ。どうやら祖父は最後の大仕事を行なっていたらしいが……昂奮と哀愁がクロスするサスペンス
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Posted by ブクログ
カテゴリは”ハードボイルト”と迷わず選べる、カチカチのハードボイルト。
最近は、サイコ的な味付けや派手なアクション場面がウリの作品が多くなってきて、それはそれでいいのだけどこういう硬派な作品が少なくなってきているので嬉しい一作。
10年ぶりに祖父の連絡で軍から帰省してきた主人公の目の前で祖父が襲われる。重体になった祖父を襲った犯人は…。
プロットは一見単純なんだけど、実は良く練ってあってラストまで全く飽きない。しかし、メインプロットと同等、もしくはそれ以上に味わい深いのが主人公と祖父の関係。
現在の物語と交互に描かれるのが、主人公の幼少時代から祖父から逃げるように入隊するまでの日々で、孤独であった二人が反目しながらも関係を築いていく姿はあまりにも切なく厳しく、そして仄かに暖かい。
こういう背景がしっかり描かれているからこそ、どこまでも犯人を追う主人公の姿に共感できるし、ハードボイルトとして成り立っている。
脇の人間の描きこみも過不足なく、安易なシリーズ化は難しかもしれないが、この作者の次作は楽しみ。
Posted by ブクログ
「帰ってきてほしい」10年前に故郷を離れ海外で軍務に就いていた主人公バンのもとに、ずっと音沙汰の無かった祖父からの手紙が届く。プロの泥棒である祖父の弱気な手紙に胸が騒いだバンは急いで帰郷した。だが、到着した彼を待っていたのは頭に銃撃を受けた祖父の姿だった...。人事不省の祖父を前に事件の真相を追う決心をしたバンは祖父の仕事仲間に協力を仰ぐ。
事件を追う現在のバンと過去の祖父との出会いと別れが交互に語られクライマックスへと向かう
とにかく祖父の頑固さとプロとしての矜持、そして滲み出る優しさがたまらない傑作です。
祖父の仕事仲間の爺さん連中のキャラクターも濃厚で最高なんです(※泥棒です)
Posted by ブクログ
トラブルに巻き込まれた主人公が、戦いながら謎を解き、真相に迫っていく。ハードボイルドミステリーから、冒険活劇まで、贅沢なフルコース料理のような作品。
読んでいて、ギャビン・ライアルとかディック・フランシスとかを思い出した。 ちょっと褒めすぎかも。
ともかく、十分に楽しめた一冊でした。