【感想・ネタバレ】井上ひさしから、娘へ 57通の往復書簡のレビュー

あらすじ

父から娘へ、そして次代へ――

いまなお遺された多くの小説、戯曲が人々を魅了し続ける井上ひさし。
没後7年を前に、ご本人の言葉が、単行本未収録の手紙という形でよみがえります。
井上さんには、千葉県市川市に格別の思い入れがありました。
本書は、「月刊いちかわ」というタウン誌上で、次女の綾さんと5年にわたって
交わされた往復書簡です。

父:手紙の形をとりながら、わたしの小さかったころのことをできるだけ
正確に書くことにしようと、思い立ちました。
娘:ここには小さい頃の父もいて、父の父や、父の母のマスおばあちゃんもいます。
青年期の若い父もいます。・・この「往復書簡」は、亡くなる5ヶ月前まで、
息苦しさや、体力もなくなっていく中で、三人姉妹のまん中の私に書き綴って
くれたものです。

父は、これまで伝えてこなかった自身のことだけでなく、今後何をすべきか、
何をしたいか、と書きます。そして、その言葉に、必死でこたえようとする娘。
あらためて、井上ひさしという作家の、あたたかい、やさしい人間性が伝わってくる一冊です。

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Posted by ブクログ

井上ひさしと次女との5年に渡る往復書簡。
父親の娘に対する優しさが伝わってくる。
彼のように、子どもに語るべき言葉を持っていたいと想った。


★親の務め
 どんな子であれ、やがては一人で生きて行かなければならない。その時に困らないようにしてあげる。
 甘やかすことではない。
 どんないやなことでも、やらなければならないときは、やるしかない。

★私たちの手は、だれか大切な人の心を抱きしめるためにあるのです。(神父様の言葉)

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2019年08月26日

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