あらすじ
「努力と才能は報われる」という考えは、幻想である。
「FT & マッキンゼー ビジネス・ブック・オブ・ザ・イヤー」候補の話題作!
世の中には、がんばっても成功しない人もいれば、がんばらなくても成功する人もいます。
経営者や成功者に関するストーリーの多くは、成功の背景にはこんな努力があった、こんな才能があった、と個人の能力を強調しますが、実はそれはまちがっていると著者は言います。
才能と努力なしに成功するのは難しいですが、才能があり努力をしても、経済的に成功する人は一握りで、その明暗を分けているのはささいな「運」や「偶然」でしかないのです。
本書は、経営者からアスリート、さらには著者自身の驚くべき実体験まで、さまざまな事例や実験結果を引きながら、就活から映画・音楽のヒットにいたるまで、「偶然」や「運」がいかに大きな役割を担っているかを考察します。
著者はニューヨークタイムズの名コラムニストで、名門コーネル大学の人気教授。軽快で読みやすい書き口とともに、しっかりとした経済学の裏付けから、どうすれば偶然や運を味方につけ、より「幸運」な社会をつくることができるのか、政策にまで踏み込みつつそのヒントを提示します。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
成功のためには運も重要と認識することは「謙虚であること」でもあると思う。謙虚は周囲への感謝の気持ちをもたらし、よい縁を運び、結果として成功へと繋がる。
人との関わりの中で大切なことを気づかせてくれた1冊。
Posted by ブクログ
タイトルをみると、運を引き寄せて成功を収める方法を教えてくれるかと思ったが、そうではなく、運が成功に占める要素の大きさを著名人の例を引き合いにだし説明している。最初はなぜこのような説明をするかと思ったが、後半の累進消費税のくだりで納得。たしかに凸凹な道路でフェラーリを乗るなら、整備された道路でポルシェを乗るほうが自分も選ぶ。
Posted by ブクログ
成功は偶然に大きく左右されるのに、最近は成功と不成功の差がでかくなってるから、累進的消費税で是正してはどうか、みたいな感じか。累進的消費税はたしかにおもしろいなあ。
Posted by ブクログ
能力が高く、努力した人が成功するのではない。運も必要な要素であると言うことを、様々な事例を示して説明している本。そりゃそうだ。
成功した人は、後付けバイアスでいかにも運ではなく実力で成功したと説明してしまう事が多々あるのは、とても面白いと思った。
運は大事であり、周りの今ある環境に感謝する事こそ大事だと改めて思った。
Posted by ブクログ
「成功は能力と努力のおかげ、失敗は不運のせい」としたほうが努力は続けやすい。しかし、成功には運が大切だということを認め、運に感謝するほうが、他人の自分への評価は上がる。
成功が自分の努力の成果としてしまうと、稼ぎに対する権利意識が強くなりすぎる。
本書は、運の話というよりは、幸運にも富を得た人は累進課税で納税しよう、そうすれば社会全体の幸せに繋がると言いたいらしい。
Posted by ブクログ
政策的なことも書いてあるので何とも言えないが、今の境遇に対して運が良くないと嘆くのではなく、むしろかなり運が良いなと思い、前向きな気持ちを論理化する上で役に立った。日本に生まれて運が悪い訳はないか。
Posted by ブクログ
確率の面から論じる内容に心理(学)を絡めてくると一気にとりとめのない内容になるんだな、というのを思いっきり示している内容。
確率について学びたいと思って読む人にとっては少し肩透かしを食らう内容だと思う。
Posted by ブクログ
成功した人は、自分の力で成功したと思っている人が多いけれど、実は全く逆で、成功はたまたまであり環境や運の良さがあったと考えるべきという。会社が儲かるのも、資本主義という社会があって、景気が良かったりトレンドに乗ったり様々な要因が偶然上手く行ったからで、自分独りの力ではどうにもならない。それを認識しておくべき。
経営者は自分の実力を信じ、社員は運に縋る。居酒屋で愚痴る巷のサラリーマンはよく判っています。
Posted by ブクログ
幸せについて考えてみた。
・凄い人達の争いでは、運が最終の決め手になる
・幸運に感謝する方が、周りからの信頼が得られ、信頼が得られれば成功確率が上がる
・累進消費税を導入すれば、社会の幸福度が上がる
能力と努力で上位に上り詰められる。けれども、上位に上り詰めた後、勝負するには運が必要なのである。
情報化社会は生き残るのは1つだけ。2番が得る利益は圧倒的な差がある。
例えば、無名の人の本がヒットするには内容が良いのは大前提だが初期の段階で有名な人に推薦されたりするという「運」が必要だといったように。
また、幸運に感謝することでより幸運を呼びやすくなる。自分の成功が「努力」や「能力」によるものだというより「運」によるという態度を示したほうが、周りの人ももその人の事をよく思うというデータが示されていた。
そして、筆者が最も伝えたかったのは「社会全体の幸福度をあげるために累進消費税を導入せよ」
という事だろう。
人がモノを買うのは周りの基準によってなので、周りが豊かになればなるほど高価なものを持ちたがる。例えば、結婚式の価格などでも、周りの相場に合わせて行うだろう。それが、例えば結婚式はホームパーティでするという文化が広まれば、結婚式に使われるお金は減るだろう。
そう言ったお金を公共政策にまわすことで、社会全体が豊かになり幸福な人が増えるというのだ。
ふーむ。
幸せの定義をひとりひとりが考えなくてはいけないかな。
でも、まもなくに迫った消費増税を少しポジティブに見られたのは良かったな。
Posted by ブクログ
成功には、才能や努力だけではなく、運の要素も大きい。特に、些細な差が、大きな差になる現代では。成功者は、自分の幸運をもたらした環境に気づき、感謝し、維持するための負担をしよう。
タイトルだと、自分の力で偶然を味方にしたようなイメージを受けます。でも、ふろくシミュレーションでは、才能や努力と、運は、別次元の因子です。
Posted by ブクログ
私たちが何を信じるべきと思うかは、会話する相手が何を信じているかに影響を受ける マタイ効果とは、いわば人生における好循環悪循環の原則のことで、持っている人はさらに与えられて豊かになるが、持っていない人は持っているものまでも取りあげられると言うマタイによる福音書の一節にちなむ 望むものを手に入れるための1番確かな方法は、それにふさわしい人になろうと努力することだ 才能と努力が劣っても、幸運な者が勝者になる
Posted by ブクログ
題名と内容が違う。ハウツー本みたいな部分もあるにはあるが、累進所得税をかかげる経済学者である著者が、成功、特にお金を稼いでいるということに関して、運が大きく働いており人々の後講釈的な実力に結びつける認識とは大きく異なるという、社会科学的には広く認識されていることを改めて有名な本の引用し、だから累進的所得税が必要だというところに落とし込む主張をする。
タレブやモーブッサンの本を読んでいれば十分に知っている話しかない。
Posted by ブクログ
成功するには運が大事、だからやたら設けた人に累進消費税をかけましょう、という話。後半の累進消費税がなかなか面白いんだが、これだけではひとが集まらないのかな。
Posted by ブクログ
成功する人は、実力を挙げる事は当然だが、その上で些細な偶然が人生を変えるきわめて重要な要素だと言う事を書いている。
以前TVでビートたけしさんと、明石家さんまさんが対談していて「もう一度同じスタートをしても、今の人生にはなっていない」と言っていたのは、彼らが今の地位にいるのは、実力もさることながら運や偶然もあったと思っているという点においては、本書の内容と同じだと思った。
気に入った言葉
・才能と努力なしに成功するのは難しいが、才能があり努力をしても、経済的に成功する人は少ないと言う事だ。
・性差木全体のうち運による部分がわずかだとしても、運がよくない勝者はめったにいないと言う事である。
・多くの勝者が運の良さだけで成功したと言いたいわけではない。厳しい競争の場では、きわめて有能勝勤勉でなければ競争に参加する事すらできないだろう。
・望むものを手に入れすために一番確かな方法は、それにふさわしい人になろうと努力することだ
Posted by ブクログ
・3人の参加者に対して、4枚のクッキー。4枚目を誰が食べたか?リーダーが食べた。「リーダーに特に優れた点があったわけではありません。30分前にたまたま選ばれ、偶然その地位を得たのです。それなのに、リーダーになったことで、クッキーは自分のものだと思ったのです。」
・「マタイ効果」持っている人はさらに与えられて豊かになるが、持たないものは持っているものまでも取り上げられる
・チャーリーマンガー「望むものを手に入れるための一番確かな方法は、それにふさわしい人になろうと努力すること」
・有能なセールスマンであれば、子供靴を販売するよりも、金融商品を政府系投資機関に販売する方が生産性がずっと高くなる
・情報革命で「偶然の力」が益々強くなる
・一流音楽家と二流音楽家の技術の差はわずかしかないが、報酬の差は歴然としている
・勝者が誰よりも有能で勤勉であることはない。
(=敗者が誰よりも有能で勤勉である可能性もある)
・長い人生のうちには、信じられない経験をすることもある(運)
・成功を妨げる最大の障害のひとつ=実現が不確実だったり遅かったりするできごとを軽視してしまう。時が経てばより大きな報酬を得られるのに、自制心がきかず目の前の報酬に飛びついてしまう P117
・人は追い風のおかげで前に進める。しかし、背中を押してくれるものよりも、行く手を阻むものの方が意識に残りやすい P123
・努力して獲得したものであろうとなかろうと、自分の強みに喜びを感じれば成功できる分野を見つけやすくなる
・自分が有能だと思い込んだときは、多くの分け前を主張する権利があると強く感じ、相手が有能だと思ったときには、分け前を主張しない P141