【感想・ネタバレ】Gマン 宿命の銃弾(下)のレビュー

あらすじ

1934年、シカゴ。保安官チャールズ・F・スワガーは、司法省捜査局からの要請を受け捜査官たちに銃器の訓練を施しながら、彼らとともにデリンジャーとその仲間の強盗一味を追っていた。
中でも、その凶暴性と狡猾さで恐れられていたのはベビーフェイス・ネルソンだった……。
トンプソンvsコルトのひりつくようなガンバトル。狩るものと狩られるものの壮絶な銃撃戦。
実在のギャングと捜査官たちをモチーフに、巨匠ハンターが圧倒的筆致で描き出すガン・アクションの決定版!
(解説・古山裕樹)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

久々に「スワガー・サーガ」を読んだ。いつものハンター節で描かれるのは、なんとボブのおじいちゃん、チャールズ・スワガーである。

舞台は1934年、世界恐慌の余波が残り、禁酒法が終わり、イタリアン・マフィアの全盛期にも陰りが見えてきた頃で、その影響で裏社会の秩序も乱れている。
銀行強盗が盛んに行われたこの時代の、実話を下敷きにして、チャールズ・スワガーの活躍劇が描かれる。

スワガー一家のマッチョぶりは、このチャールズも変わらず(というか、遺伝的には先)なんだが、彼には第一次世界大戦を退役して以降、大きな秘密を一つ抱えていて…とこれは主筋から離れていることなのだが…圧倒的強さを誇るチャールズが、後半どうなっていくのか?「悪徳の都」で出てきたアールの冴えない父親像に、どういう風につながっていくのか。

銀行強盗団(パブリックエネミーズ)達との息詰まるガンファイトが圧倒的魅力にあふれている裏で、こういう登場人物の葛藤を描く技法もいいなぁ。そしてさらに、その秘密を追う現代のボブの描写も複層的な効果があって面白い。

基本的には荒っぽいガンファイト系アクション小説なのだが、重層的な構成を読み解いていく楽しみも含まれていて、一筋縄ではいかない小説。ただその重層さが単純にガンアクションを楽しむには少々クドく感じられてしまう部分もあったのは若干残念だった。

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2019年09月21日

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