【感想・ネタバレ】AI経営で会社は甦るのレビュー

あらすじ

AI革命で「産業構造」「稼ぐ仕組み」が激変する。
企業再生の第一人者による「AI時代の経営論」。


【目次より】

はじめに AI時代の経営とは

技術的にスゴいことと儲ることは違う
L(ローカル)の風とS(シリアス)の風をつかめ
WhatよりもWhen,How,Whoの勝負

第1章 これがAI革命の真相だ

デジタル革命が「バーチャルの世界」から「リアルの世界」へ
「稼ぐ」構造が根こそぎ変わる
産業革命の核心はAIの進化と「S(シリアス)の世界」
大自動化革命ではタブーの少ない日本に勝機あり
オープンイノベーションとブラックボックス化
日本の自動車メーカーは生き残れるか

第2章 なぜ日本企業が有利なのか

ハードとソフトの融合が焦点に
ハイブリッド経営システムを構築せよ
モノづくり日本にチャンスあり
ローカル型産業、中小企業にはもっと巨大なチャンス到来
ターゲティング型の産業政策はもはや通用しない

第3章 日本企業がとるべき戦略

天才技術者を雇うには
一国二制度で異質なものと共存する
プロ経営者の改革がうまくいかない理由
リアルキャピタルからヒューマンキャピタルへ
産学連携で人を育てる

第4章 AI時代のリーダー像・働き方

分断される「Gの世界」と「Lの世界」
真のグローバル人材を目指すには
AI時代に残る仕事、なくなる仕事

おわりに 千載一遇のチャンスをつかめ

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Posted by ブクログ

ネタバレ

最近感じている、「何となく世界ってこんな風に動いてる?」が活字化されていて、すっきりした。ただローカルに対する思い入れは、筆者の現在の立場もあり、やや強すぎるように思う。海外現地法人のローカル化は、新興国では筆者が言うほど進んでおらず(それが弱みであるといえばそうなのだが)、それに一時的にでも対処できる人材(経営×英語or現地語×技術)のニーズは高い。彼らは中継ぎで、世界ランクが多少低くても構わない。そういった人材すら確保できていない日系大手企業は、今後のあり方が求められていると思う。

以下内容メモ
----------------
これからは、デジタル×ローカル×シリアスの世界。

第一期:IBM→wintel(コンピュータ)
第二期:ソニー→アップル(AV、通信)
第三期:IoTがリアルな全産業へ

今後起きること
ビジネスサイクルの短命化
製品・サービス・機能の標準化・モジュラー化
スマイルカーブ現象
(バリューチェーンの真ん中は儲からない)
小さいこと若いことの優位性向上
※疑問)シリアス領域でも??
→経営力の時代へ

これからは限界費用ゼロ→完全競争へ
スイッチコストないため広告モデルも市場原理へ
サイバー空間で完結するネットビジネスの終わり
(唯一ライブコンテンツ配信はコト消費社会なので伸びしろあり)

日本は少子高齢化で人手不足のため、AIで生産性をあげても反発されない稀有な国。既に製造業はカンバン方式などで生産性が高いため、サービス業に効果を見込む。

AIはERPのように皆が使い始める分野なので、使わないと取り残されるが、自社開発は時代遅れになる可能性あり。

先端技術領域はアカデミズムとの連携&投資機会のポートフォリオ化・管理が必要。過去を見ると、製薬業界の再編が参考になる?
自動車はモジュラー化、デンソーもボッシュのようにティア0.5化するべき。
精度と耐久性が必要な分野は長年のノウハウで材料技術へ行き着くため、中国よりドイツや日本に利あり。

オープンで不連続なイノベーション(ソフトウェア)の世界と、クローズドで蓄積的なイノベーション(ハードウェア)の世界の統合がキー。
また同時に、グローバル企業とローカルチャンピオンとが手を組むことになる。

会社の枠を越えたオープンイノベーションスペースをつくれるか?ベンチャー、大企業、研究者…。
日本の組織が変わるのは諦めたとき。外資系経営者の経営Whatの追求は企業文化の変革にはならない。

企業の中央研究所はクローズドなので、大学に立場を奪われ、産学連携が今後の鍵になる。

AIによってレポート作成は容易になり、中間管理職の仕事は減るため、ローカルな中小企業の経営陣にシフトしていくべき。

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2017年11月03日

Posted by ブクログ

巨人と西武じゃないほうの、「GとL」に関する発言で話題になった、おなじみIGPI(経営共創基盤)の冨山和彦さんの一冊。
GとLに、続いて今回はC(カジュアル)とS(シリアス)という軸で異質な2つの領域をわかりやすく解説し、両者がいかにAIと関わることが今後良い結果を生むか等についてわかりやすく解説されていました。
GとLにしても、CとSにしても、どちらがよくてどちらがわるいという話ではなく、そのいずれもがあってこそ世の中はうまく回るということで、私はこれからもLの世界で生きて行くわけでございます。
付箋は、なんと大量の46枚付きました。

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2017年06月25日

Posted by ブクログ

AIの日本へのインパクトが良く分かる。授業の教科書にも使えるかも。日本が何に注力すべきかが良く分かる。

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2017年06月14日

Posted by ブクログ

2017年の著作を今頃読んでみましたが、4年経った今でも、この考え方は有効だと思う。
人の幸せや価値観は、人それぞれな中、一つの価値観に囚われない全体感をもち、そこから何を自ら選択していくのかという思考は腹に落ちます。
また、新たな進化の段階を迎え、これまでマイナスに作用していたカルチャーが、これからの時代には武器になりうるという着眼に勇気づけられました。

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2021年08月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「コロナショック・サバイバル」「コーポレート・トランスフォーメーション」に続けて休日を利用し一気読みしました。

やばいなぁ...

これが今の正直な気持ちです。

何がやばいか、それは先に読み終えた2冊よりも圧倒的に本作の方が読みやすく、その分少しは血肉となった感覚があるからです。

今から2年8ヶ月(約3年)前に出版された本書の内容は頭に入ってきやすいが、約半年前に出版された「コロナショック・サバイバル」「コーポレート・トランスフォーメーション」はなかなか頭に入ってこなかった。

つまり、私の感覚と知識レベルは今の時代からすでに約3年も遅れているということだと思う。

経営者ではないが、一般社員でもない。

本書の中でまさに8割が不要の対象であると書かれている管理職である自分もしっかりとトランスフォーメーションしていかねばならない時代が来ている。

私が勤めている会社はいわゆる大企業でもなく、グローバルな市場で戦ってもいない。

いわゆる中小企業で、ローカルな市場の中で活動をしている。

すでに始まっているデジタル化というパラダイムシフトの中で、戦い、勝ち残っていく為に、そして何より人生を楽しむためにも今後も学びを続けていきたい。

著者の他の出版本も今後も手にしていこうと思う。


説明
内容紹介
AI時代のビジネスを理解するためのキーワードとは?パラダイムシフトによる千載一遇のチャンスを生かせ!いかにAIを利用し、儲けるか。日本復活、勝利のシナリオ。カギはLとSにあり!企業再生の第一人者が伝授するAI時代の経営論。
内容(「BOOK」データベースより)
AI革命で「産業構造」「稼ぐ仕組み」が激変する。
企業再生の第一人者による「AI時代の経営論」。


【目次より】

◆はじめに AI時代の経営とは

技術的にスゴいことと儲ることは違う
L(ローカル)の風とS(シリアス)の風をつかめ
WhatよりもWhen,How,Whoの勝負

◆第1章 これがAI革命の真相だ

デジタル革命が「バーチャルの世界」から「リアルの世界」へ
「稼ぐ」構造が根こそぎ変わる
産業革命の核心はAIの進化と「S(シリアス)の世界」
大自動化革命ではタブーの少ない日本に勝機あり
オープンイノベーションとブラックボックス化
日本の自動車メーカーは生き残れるか

◆第2章 なぜ日本企業が有利なのか

ハードとソフトの融合が焦点に
ハイブリッド経営システムを構築せよ
モノづくり日本にチャンスあり
ローカル型産業、中小企業にはもっと巨大なチャンス到来
ターゲティング型の産業政策はもはや通用しない

◆第3章 日本企業がとるべき戦略

天才技術者を雇うには
一国二制度で異質なものと共存する
プロ経営者の改革がうまくいかない理由
リアルキャピタルからヒューマンキャピタルへ
産学連携で人を育てる

◆第4章 AI時代のリーダー像・働き方

分断される「Gの世界」と「Lの世界」
真のグローバル人材を目指すには
AI時代に残る仕事、なくなる仕事

◆おわりに 千載一遇のチャンスをつかめ
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
冨山/和彦
経営共創基盤(IGPI)代表取締役CEO。1960年生まれ。東京大学法学部卒、スタンフォード大学経営学修士(MBA)。ボストンコンサルティンググループ、コーポレイトディレクション代表取締役を経て、産業再生機構COOに就任。カネボウ再建を成功させる。解散後の2007年、IGPIを設立。現在、経産省が取り組む官民共働型のIoT化推進組織であるIoT推進ラボ座長、建設現場の生産性革命を狙った国交省主導のi‐Construction推進コンソーシアム委員を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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2021年01月02日

Posted by ブクログ

読んでいて膝を打つことの多い、冨山本。伝統的な日本企業が劇的に変わるのは、外圧しかないのかな。今回もソフバンがアームをどうするのかという報道の時期に読んだ。

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2020年08月02日

Posted by ブクログ

IGPI冨山さんの著作。AI・デジタル革命において、日本企業が真に見極めるべきは何かを伝えている。

AI革命による大波は、デジタル革命から遠かった医療介護現場や建設現場など、労働集約産業、さらには第一次産業にまで到達している。この波を梃子にして、飛躍的に生産性の高い産業に生まれ変わる現場も出てくる
IoTはビジネスプロセスのオープンプラットフォーム化を促す技術なので稼ぐための差別化領域にはならず、出遅れていても経営論的に致命傷にはならない。しかしながら、世の標準に乗り遅れる可能性があることを危惧しなければならない。
デジタル革命で起きる、ほぼ確実なことと不確実なこと。ビジネスサイクルの短命化、製品サービス機能の標準化・モジュール化、スマイルカーブ現象、小さいことや若いことの優位性の向上、トップの経営力の時代。
ネットビジネスの世界では、スイッチングコストが低く、参入障壁を作りにくいため、完全競争に近い状況になる。パクるのが容易であるゆえ、ウーバーのようなイノベーターでさえ、容易に苦戦を強いられる。
ITスタートアップやアメリカ大手ITのリアル進出はうまくいかない見通しが立ってきている。日系メーカーのハードウェア設計では安全性、耐久性、信頼性を強く志向する一方で、IT企業は快適性や利便性を前面に押し出す。人命に関わる機器になると、IT企業では太刀打ちできない。また市場ストックはメーカーにプラスに働くため、メーカーの牙城を崩すのは容易ではない。

ー以下、メモー
メーカーの安全性を追求する姿勢が、IT企業の侵入を防ぐことになろうとは予想だにしなかった。本書はメーカーのコア領域とは何かを考えさせる。設計・生産の技術はもちろんのことだが、目に見えないところに差別化要因があるように思う。地域の販売サービスネットワークしかり、安全性に配慮した設計プロセスしかり。
AIビッグデータの領域で真にカネになる技術・アイデアは希少。国内IT企業が様々AIプロジェクトを立ち上げているが、どれもうまく行っていないように映る。業務効率化の域を出ない技術が多く、夢のないコスパの悪いプロジェクトが量産されている。自社の将来像を描き、新しい顧客体験を生みださなければ生き残っていけない。

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2019年01月30日

Posted by ブクログ

AIと銘打ってはいるが、本書はモノづくりについての本、とも言える。
まずもって、数多の関連本が出版される中、AI革命=大自動化革命、とシンプルに言い切った人は私の知る限り今までいなかった。

AIがもたらす新しい自動化を考える上で著者が提示するのは、「Sの世界」という概念。Sは「シリアス」。ネットに対するリアル、そのさらに内数として「間違いが許されない」レベルの精度が要求されるリアル領域、と私は理解した。典型例としては自動運転や介護。
ネットの世界でGlobal giantになるには多少の不具合をものともしない推進力が必須だったが(例えばFacebook)、Sの領域ではハードとソフトとのすり合わせに最高レベルの技術が必要になる、と。これは日本企業の得意分野でもある。

とは言え、ではソフトもハードも内製化しようというのが正しいのかというと、結局は状況次第、といういつもの話になる。この点、著者の八艘飛び的議論を勝手に咀嚼するならば、AI時代に日本企業がめざすべき(あくまで)ひとつのモデルは以下のようなものだ。
すなわち、基礎R&Dは無理に抱え込まずにグローバルトップの大学にアウトソースし、あるいはシーズ段階では世界のトップ技術者たちを破格の条件で単発雇用し、作って売るにあたっては(まさにRealization?)M&Aも含め自社内に築き上げたピカピカのリアルアセットで臨もう、と。で、そうした柔軟な経営をするにはDNAレベルから会社を変革する必要があるね、と。

総じて、頭のいい人が興に乗ってしゃべくり倒しているときのドライブ感が心地よい。
「自動運転でドイツメーカーのほうが先行しているのは、フォルクスワーゲンを中心にモジュラー化の進展ペースが早いからだ。コンチネンタルもボッシュも企業規模が大きいので、投資額が半端ない」(P.84)。
「半端ない」って(笑)。どこまでも堅苦しく書ける部分でこの調子。あえてそのままにしておく編集姿勢もナイス。

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2019年01月01日

Posted by ブクログ

AIがホワイトカラーの仕事を奪うかもしれないが、飛脚の仕事が、鉄道や自動車にとって代わられたが、人類全体から見れば、苦手な部分を機械に任せ、むしろ発展し、仕事が増えたように、また、大きな発展の時期が来ているのだと思う。急激な変化が起きる時、取り残されそうな人達は、ブレーキをかけようとする。そういった規制はしたところで、時代の変化は押しとどめられない。この人の本をもっと読みたい。

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2018年09月08日

Posted by ブクログ

今月の課題図書。
バーチャル・サイバーで成長したテクノロジーがリアル・フィジカルの世界へ、これを使いこなして成長するには、仕事のやり方をことごとく変えなければ!
改めて気合と勇気を与えてくれる一冊です。

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2018年05月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

カジュアル(facebook)な世界からリアルでシリアスな世界へ。ソフトからハードの世界へ。何故ならAIやロボットなどが主流になってくるから。アルゴリズムは天才で作れるが、今後AIやロボットで必要なのは、ハードな技術とリアルな情報。そのため、ハード技術を持っている企業と顧客情報を握っているローカル企業にチャンスがある。
また、研究費が膨大になってきているため、オープンな場での開発が重要になってくる。例えば、産学連携など。

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2018年03月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

富山節が炸裂した、AIによる日本の可能性と取り組む道、考え方についてしるされた良著。

<メモ>
・革命的なイノベーションの波に飲み込まれた業界においてビジネスの世界での勝ち負けはあくまでも急速に変化する環境の中で、構造的持続的に稼ぐことのできるビジネスモデル、競争モデルを先に構築できたかどうか。
・確率論としてはイノベーションを起こすのは自社以外である確率の方が圧倒的に高い。
・新鮮なリアル性を持たなければマネタイズが難しい時代になってきている。日本のライブイベントは唯一無二の競争障壁ともいうべきタイムゾーンの優位性を持っている。
・世界中の多様な投資機会をポートフォリオ的に捉え、投資管理する能力を競う世界。
・社内のやっかみを生まないために特区は海外にあった方が安全。いかに必要最小限の的確なガバナンスを効かせられるか。いかに優秀な人を白けさせないか。ケイパビリティをいかに高めるか。
・地域の領域は、いかに地域や顧客との関係で密着度と密度を高めるかが重要。密度の経済性をいかに高めるか。地域の覇者、商圏の覇者になることが重要。拡大時は先に密度を高め、確固たるポジションを確立してから隣接地域に滲み出して、新たな地域ドミナントを築いていくこと。
・物流も電話もラストワンマイルは基地局設置などベタな商売なのでグローバル化することにシナジーがほとんどない。コストの大半がローカルで生じていて、国際的な共有コストがあまりないからグローバル化するメリットがない。
・エコシステムとして経済社会全体を捉え、G型企業とL型企業の共存・相互補完モデルはもちろん、デジタル革命の中でさらに多様化し、流動化するビジネスモデルや経営モデルが全体として国民経済の持続的発展に資するよう機能させることが重要。
・世界中で集約産業化が進んでおり、高い生産性、高い賃金を実現し、高い企業価値を作っていこうと思えば、大量生産モデルを頭から排除しなければならない。

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2018年03月03日

Posted by ブクログ

しょせん当たらない予測に時間とカネを使うことよりも、予測不可能なイノベーションがもたらす変化に迅速かつ鮮烈に対応できる組織能力、経営能力、すなわちwhen,how,whoに関わるもっと根源的な戦闘能力を高めておくことのほうが、革命期においては重要な意味をもつ

過度の焦燥感や無用な悲観論に流された情緒的な経営判断の誤りは、確実に「負ける」原因、「稼げなくなる」理由になるのだ

イノベーションを起こすのは自社以外である確率であることが圧倒的に高い

事業ポートフォリオ、機能ポートフォリオの入れ替えを常態的かつ臨機応変におこなえない企業は、非常にヤバイ状況に追い込まれる

人間の苦手のところから置き換わるのが道具の基本原則

超優秀はエンジニアに働いてもらうには
 人材のシェアリングエコノミー
 人を雇い入れるとしても、ライフタイムxフルタイムで囲い込むことは最初から諦める。このテーマで5年間やってください。場合によっては副業もOKですよ。という形にすればいい

世界選抜のリーグ戦 会社組織モデルと相性がよくない
チーム単位で動く トヨタの人工知能研究所TRIがギルプラットを採用すると彼の仲間がごそっりついてくる

超優秀は人材が楽しんで働ける環境を用意する

プロフェッショナル型組織とサラリーマン型組織



日本的経営とは、同質性、連続性、すり合わせ、ボトムアップ、コンセンサスの経営、「あれも、これも」の経営。
「あれか、これか」の選択のための経営リーダーシップ、トップダウン的要素を適時、的確に作用させるしかない

スマイルカーブ現象 

大胆にすてる経営が求められる

不確実なものは不確実なものとして経営すること、これが私たちが賢者となるための「歴史からの学び」なのである

従来型のネットビジネスの活路は、「ライブ」x「タイムゾーン」戦略にあり

ローカル経済園を構成する産業の多くは対面型で、サービスを提供する人間がリアルかつリアルタイムでそこにいなくてはならない同時同場型のビジネスなので、グローバル化が進んでも空洞化しにくい。ユーロ安、低い法人税率、労働市場改革で製造業絶好調に見えるドイツでさえ、ほぼ日本と同じで、約8割の労働者はローカルな産業で働いている

インダストリー4.0とは、トヨタが系列内でやっていることを、欧米のよりオープンな環境でもできるかという問なのだ

AIが人間に勝ったこと自体は驚くに値しない。あえていえば、この勝利はAI開発者が棋士に勝ったというのが正しい

コマツ 競争領域と協調領域のメリハリをはっきりつけ、かつ産業構造の変化を先取り

ハードウエアのメカニズムの部分、中でも生産技術で圧倒的なノウハウをもっており、そこが自分たちの唯一無二の強みだと知っているから、コアになるダントツコンポーネントは国内のマザー工場で徹底的に作り込み、その核心部分はだれにも明かさない。しかし勘定系猫舞はもちろん、生産管理でさえ協調領域と位置づけ、ERP(統合基幹業務システムソフト)の標準ベストプラクティスを徹底的の取り入れる。
その一方で、稼働状況のモニタリングを通じた市場動向の早期把握、盗難対策、販売与信やメンテナンス、さらには無人運動サービスといった、付加的だが、産業のサービス可(スマイルカーブ化)が進めば、競争上、決定的な意味をもつサービスについてh,自分たちに強みがないことがわかっているから、どんどん外部の技術を取り入れて、自前のハード技術にGPSやAIといってデジタル技術を連動させて、サービスを先行的に展開する

オープンイノベーションといいながら、またぞろそのためのAIを自分たちで開発しようとする傾向が見て取れる。すでに有効な技術があるのだから、それをパクればいいのに、自力で画期的なAIを作ると言い出すのは、日本企業の悪い癖だ

スマイルカーブ ある製品のバリューチェーン全体を見た時に、川上(企画、設計、部品)と川下(販売、メンテナンス)側の利幅が厚くなる一方、真ん中の製造工程(組み立て)はほとんど利幅がとれなくなる現象 口角を上げた口の形にみえることからそう呼ばれる

ドイツは2面作戦 従来型 ダイムラー、BMW
モジュラー型 フォルクスワーゲン、ボッシュ、コンチネンタル
コンチネンタルはマイナーなタイヤメーカーだった。いつのまにか買収でモジュラーメーカとなる

日本ならデンソー

メカトロニクスの分野は、見える化しにくいアナログ的なノウハウがたくさん詰まっている。製品を分解したからと言って、量産ベースで同じものが作れるわけでないというところが、メカトロニクスの産業障壁になっている

中国はドローン止まり

日本企業にトワえるのは、割り切れるかどうか、捨てるべきものを捨てられるかどうか、日本企業がもっとも苦手としてきた捨てる経営ができるかどうかなのである

よそから持ってきて済むものは、自社開発をやめて外部から調達すると割り切れるかどうか。ライセンスを買ってきたり、人材を引き抜いたり、そうした技術を取り入れたりやり方は様々だ

自前主義との戦いは人間本性との戦い
 コマツ コムトラックス ロシアのベンチャーの技術 自動運転ダンプ、地形そ測定するドローン 米国のベンチャーの技術

コマツはおそらく、ソフトウエアやアルゴリズムの世界には自社固有の優位性がないとわかっているから、どんどん外部から買ってくればいいと考えているのではないか

M&Aがうまくいかないのは、買収した企業に対する社内ん反発ややっかみを抑えきれず、自分たちと同じ土俵に載せようとするからだ

社内のやっかみをうまないために特区は海外にあったほうが安全だ
向こうのテック系ベンチャーに日本式の整理整頓を強要するな

ソフトウエアアルゴリズムの世界はスピード勝負なので、いかに高速に失敗できるかにかかっている

ローカル型産業こそがリアルで、シリアスな世界のビジネスの極地 小売、飲食、宿泊、運輸、物流、建設、医療、介護、農業といった地域密着型の産業群は、まさにリアルな人間がリアルな現場において対面型で財やサービスを提供する、最もリアルなビジネスばかり

デジタル革命の波が押し寄せても、生身の人間や現物で構成されるリアルな世界はどこまで行ってもリアルだ

個別企業の戦略としても、お互いに思いっきり差別化していかないと、共倒れの危険がある。個別企業としてもレッドオーシャンでの消耗戦を回避できるという意味で正しい。「稼ぐ力」をもっとも減殺するのは、何と言っても競争、特に過当競争状況なのだ

ゲゼルシャフト的 機能的組織、利益集団
ゲマインシャフト的 共同体的組織、ムラ社会

日本人が変わるときは諦めた時
我慢して、我慢して、我慢しきれなくなったら、一斉に変わる

ダサい日本の企業を受けに行くのはイマイチな東大生が多い

テキストベースでAIに最初に置き換わるのは報道だ

半沢直樹は権力闘争をしているだけ、「住友銀行秘史」「バブル」を読んでも、出てくるのは本質的な改革を先送りするためのダーティ・ワークと権力闘争で、これだけ優秀な人たちが収益と関係ないことばかりやっていれば、日本経済が衰退するのも、あるいみ当然なのかもしれない

ソフトバンク 3兆円でARM買収 生産設備はまったく持たず、設計に特化した開始 人的資本が企業価値の大半をしめる つまり、アームというブランドらライセンスに価値があるのではなく、それを生み出す3000人のエンジニアに価値があるのであって、個人的には、純粋に人的資本の会社をあれだけ大枚をはたいて買う意味がわからない。
それだけお金があるのであれば、優秀なエンジニアを全員引き抜けばいいのだ
人に投資するのであれば、企業買収よりも引き抜きのほうが効果的

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2017年05月03日

Posted by ブクログ

デジタル革命の主戦場はバーチャル・サイバーからリアルフィジカル、G(グローバル)からL(ローカル)、C(カジュアル)からS(シリアス)に遷りつつある。すなわちfacebookのようなバーチャルだけで成立していて世界を巻き込む潮流を起こす娯楽性の高いITではなく、現実社会でローカルな市場でのビジネスをデジタルツインにするITが日本の発展に繋がると語る。AIやIoTをどのように活用するかということについて、テクノロジーの問題というより経営課題として日本型経営の良いところ(連続的かつ集合知的な技術の蓄積など)を生かしつつ、悪いところ(何でも独自、自前主義など)を改めてクローズドとオープンのハイブリット経営でいかに儲けるかを指南します。

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2017年04月16日

Posted by ブクログ

「GとL」という形でグローバリゼーションとローカライゼーションを、競争ルールや戦い方が全く異なる社会であるということを明示して見せた著者が、AI・IoT・ビッグデータ時代における日本の競争戦略についての考えを示した一冊。

私なりに要約すると、著者の主張は以下のようになっていると思われる。

・これまでのデジタル革命(Digitalization)は、垂直統合から水平分業への産業構造のシフトにより、顧客フロントを握ったPFer(Google、Apple等)や、標準化/デファクト化されたキーコンポーネントを持つ企業(Intel、Qualcomm)といった一部の水平レイヤーに大きな収益が集中する格差を生み出した。具体的には「第1期:コンピュータ業界(IBMからウィンテル)」や「第2期:BtoCのエレクトロニクス/情報通信・メディア業界」が該当する
・来るべきデジタル革命の第3期は、これまでとは異なり、「リアル」で「シリアス」な世界、つまり自動車や医療、重電のような業界が対象となる。これらの業界の特徴は人々の生命や安全に直結する業界が多く、かつソフトとハードをすり合わせる必要があり、ハードの運用保守も必要になるなど、第2期におけるtoC事業を主体するweb系企業がそのままでは参入しにくい特徴を持つ
・むしろtoC主体の第2期では負けたものの、自動車・製造業など「リアル」で「シリアス」な世界に強い日本にとって、第3期は十分主役に躍り出れるポテンシャルを有している。そのためには、グローバルで活躍する天才技術者を特別な人事設計の元で囲い込み、大学との産学連携で技術や人を育てるなど、これまでとは異なる競争戦略を急ぎ取るべきである

第2期と第3期でプレーヤーの様相が変わるはず、という指摘は私としても非常に強く同意するところである。例えば、バーチャルかつtoCが主体の第2期の世界で戦ってきたDeNAは、第3期を代表する自動車産業に自動運転技術の開発という形で参入しているものの、個人的に上手くいくとは思えない。「welq」の騒動を思い起こすまでもなく、webの世界とリアルな世界ではそこで求められる安全性や信頼性が桁2つ・3つは違うという点を、彼らはどこまで真摯に考えていることか。

最後に、タイトルは編集者が決めたのではないかと思うが、偏差値40レベルの頭の悪いタイトルであり、本書の内容と完全にずれている点が残念。

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2017年04月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「いつ、どの産業で、どれくらいのインパクトで何が起こるか」まで予測できないと儲けにならないし、そんなこと的中できやしないとバッサリ。そんなことより、予測可能な「いつ、どうやって、誰と」に関わるタスクをしっかり管理していこう、というのは潔くて腹落ちた。このほか「小さいこと、若いことが優位になる」「機能の標準化、モジュール化の加速」「省力化、自動化」も予測可能な方向とのこと。

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2019年05月07日

Posted by ブクログ

AIとビジネスの関わり、というところを日本や世界の動きと絡めて知ることができた。 終盤のAIと雇用に関する話は、個人的に少し甘い見通しに感じたが、グローバルに生きるか、ローカルに生きるかという観点は確かに重要と思う。

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2018年12月31日

Posted by ブクログ

今後、Lの世界(ローカル)かつSの領域(シリアス)にビジネスが進んでいくことは超納得。グローバルITプラットフォーマーが参入しづらい領域で、どう面倒くさいことを厭わずに足場を築けるか。それには旧来のスキルや戦い方だけではだめで、AIを始めとしたテクノロジーをうまく活用しましょう、ということ

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2017年08月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

タイトルに騙された。何やら「AI経営」というものを活用した企業再生ストーリーを創造したが、実際は表紙を開けたブックカバーにある、「起業再生の第一人者が伝授するAI時代の経営論」が適切。この手のストーリーについて、著者の冨山さんはブレなく一貫としており、その主張も非常に腹落ちする一方、他の著作との違いがはっきりしない。読みながら、「この前に読んだ、冨山さんの書籍と何が違うのかな?」というクエスチョンが常に脳内に付きまとう。

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2017年07月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

○デジタル革命がバーチャルの世界からリアルな世界へ移ってきており、「シリアス」(人の命に関わる)(自動車、機械、重電、サービス業、農業)へ。
○インダーストリー4.0は生産管理をIoTによって個別の工場や企業の枠組みを超えて最適化し、資産の活用効率や回転効率を飛躍的に高めようとしている話にすぎない(在庫などの流動資産についてはトヨタのカンバン方式と同様であり、固定資産であればシェアリングエコノミーのようなもの)。
○デジタル革命ではビジネスサイクルの短命化、製品・サービス・機能のモジュラー化、スマイルカーブ現象、小さいこと・若いことの優位性の向上、トップの経営力の時代はほぼ確実に起こる。
○日本は人手不足であるためAIによる労働代替を進めるチャンス。ロボット好き文化(宗教的タブーなし)も逆に無駄につながる可能性はある。
○多くの先端技術領域で、開発競争は既存の企業単位での競争要因ではなくなっている。世界中の多様な投資機会をポートフォリオ的にとらえて投資管理する能力を競う世界へと変質している。
○ハードウェア技術に関してはクローズド型組織のほうが有利であり、比較的同質な集団が長期間にわたって連続的に働く日本企業が有利。
○ローカル型産業、中小企業こそがAIによる労働生産性工場の恩恵を受けられる。
○伝統的なターゲティング政策は通用しない。他方でレッセフェールであっても市場は失敗し、企業単位の最適化が国民経済的な全体最適につながるとは限らない。国の役割は、それぞれの事業者が唯一無二の独自路線をいくことを歓迎すること、すなわち、余計な指針やターゲットを設定しないこと。次に規律が経営に働くような制度整備すなわち企業統治の強化が必要。破壊的イノベーションを無理に押さえつけても世界の別のところでそれを達成したプレイヤーに国内の既存プレイヤーは滅ぼされることを歴史が証明している。イノベーターがいち早く社会実装に挑めるように規制改革などの制度整備を行うことや、産学連携・産学協働を含めたイノベーション
・エコスシステムの整備が(攻撃は最大の防御の観点から)重要。
○企業は、超優秀な人材が楽しんで働ける環境を用意するべき。そうした人材は一つの企業に固執しない。
○一握りのグローバルエリート以外はローカルに居場所を見つけられるようにすべき。国の7、8割の経済はローカルな産業が占める。Gの世界とLの世界はますます分断されていく。
○歴史的に見れば、人間にとって快適なことが仕事になっていく。

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2017年05月21日

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