あらすじ
君を…そういう意味で好きだと思ったことはないよ
橘田の心を埋めようとした親友の高平と、義弟の倉橋。
とある事件によって再会した三人が行き着く先とは――
一九八九年、とあるマンションの一室で起きた放火殺人。当時十三歳だった橘田と高平は事件に巻き込まれて以来、互いしか知りえぬ思いを共有する。しかし橘田の心の空隙は次第に二人の関係を歪ませ始めていた――。大学進学後、高平との関係を断ち切り、一人事件の悪夢にうなされ続ける橘田の前に現れたのは、義弟の倉橋だった。倉橋もまた橘田の苦しみを知り、心を砕くようになるのだが…。時を経て起きた新たな事件が、それぞれの道を歩んでいたはずの三人の男たちを呼び寄せる。そこに待つのは悲劇か、過去との決別か。
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Posted by ブクログ
この小説はBLって言っちゃいけない気がする。刑事もの小説的なテイストで甘み成分はとても低いです。この作家さんのシリアス系はほんっと読みごたえあるなぁ。。でも冒頭の数ページ、三人の男が登場するんだけど、すべて彼、男などの代名詞。まだストーリーの背景もわかっていない立場から言えば、誰が誰やねん!ってツッコミいれたくなるぐらいわかりづらい。ここで固有名詞出しちゃうと軽くネタバレしちゃうからしょうがないのかもしれないけど。下巻まで読み終わって、・・・で、あれは誰と誰と誰なんだっけ?って読み直した人が大勢いるはずだ!!事件にも気持ちにも一区切りつきましたってことで、入れておきたいシーンだったのかもしれないけど、登場人物複数で固有名詞も出せないなら、ラストに持ってきてもよかったんじゃないのかな。そんぐらいひっかかりを感じた。
メインのお話自体はすごくおもしろかった。よくできてるな~と感心しきりです。