【感想・ネタバレ】リセット〈下〉のレビュー

あらすじ

十五年目の、真実。

上十条の事件を機に再会した橘田と倉橋。
高平をはじめとする捜査員たちが手詰まり感を覚え始めた頃、三人を揺るがす新たな事実が…

……俺は弱い。それを認めて、強くあろうと努力できたのは、君のお陰だ。
上十条一家殺害事件の管理官を任された橘田は、かつて関係を持ったが二度と会わないと誓った義弟の倉橋と再会する。大人になり経験値の増した倉橋の優しさは、仕事に邁進し人のぬくもりさえ忘れていた橘田の心に、六年間ずっと認められなかった感情を呼び起こす。一方、高平に消えない傷を負わせた放火殺人事件は時効を迎え、時の流れがすべてを風化させていくかに思えたが…。私欲にまみれた犯罪、繰り返される悲劇、それでもやってくる明日を生きるため――過去から始まる再生の物語、解決編。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

現在の事件と橘田の過去の事件がどう展開していくのか読み応えがあってとても面白かった。倉橋の心情はわかりやすいものの橘田、高平の本質的なものが見えにくいため一見、トライアングルにも思えるが、それぞれの心の動きや関係性の類似点、相違点を読み解いていくと見えてくるものがあるという運びも良かった。時効という法律による強制的な一区切りと被害者の心情とのズレや、あとがきにある時効撤廃による別の重荷というものを考えると「リセット」というタイトルがとても深い。明日を生きるために必要なればこそ。

0
2011年08月27日

Posted by ブクログ

もう二度と会う事は無い筈の過去の事件に拘った人物とのピースが次々埋まって行きます。
元暴力団員で金貸しだった中尾一家殺人事件を端に発して、事件は意外な展開を見せます。
橘田と高平の人生をも変えてしまったあの殺人事件が時効を過ぎた途端、再び手がかりが見つかって。
橘田の義弟でありルポライターである倉橋が事件の手がかりを掴むのに大活躍します。彼の関西弁は頑な心も癒しますね、憎めないんです。
彼も突然橘田に捨てられて、受かった大学も中退し、その後上京して編集になったはいいけれど会社が倒産で今に至る。という感じで結構苦労しているのにも拘らず他人に優しくできる良い性質の男です。
恨み言の一つでも言っていいのに、再会したら焼け木杭に火なのか少しお痛をしてしまうのですが、それでも忙しくて留守がちな橘田の為にお部屋の掃除、洗濯、アイロンがけと立派な奥さんですよね〜
そんな二人のほのぼのとした関係も事件が進むにつれシリアスに。
時効の壁は未だ高い、犯罪被害者には犯人検挙も時効も身に請け負った傷は癒せないんです。
独りよがりの犯罪の陰に泣かされた沢山の人々を思うと切なくて仕方ないです。
中判迄夢中で読んでいて、これは面白い刑事物だと思ったのですが??いやいや、これ女性向けファンタジーの部類ですよね?
そして真犯人は静かに長い間身近に居たのです。。。
どちらにしろ深みのある面白い作品でした☆〜

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2011年08月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

上巻を読んだかぎりでは、個人的に橋田は幼馴染の高平を選ぶんだと思ってたよ・・・。なんだ、そっちかぁーっていうのが第一印象。弟クンもすごくいい子だし、一緒にいるうちにほだされたのはわかるんだけど、橋田と高平の関係って、それくらいで切れるようなやわな関係じゃないよなと思ってたんだけど。たとえ、一緒に生きていこうみたいなハッピーエンディングじゃなくても、心も体も込みで、他に誰も変わりのいない唯一無二の存在じゃないのかよ。。弟クンっていう素敵な嫁を得た橋田はまだわかるけど、大人になった途端、急に橋田への執着が無くなってしまった高平の心情がまるでわからん。当て馬はてっきり弟クンの方だと思ってたのに。。。ううう・・
事件に焦点を当てた刑事モノとしては秀逸。でも恋愛面ではなぁ・・・私的には微妙かな。
それにしても奈良千春さんの画風はどうしてこんなふうになっちゃったんだろう。こわいよ、顔が。そしてみんな同じに見えるよ

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2012年05月21日

Posted by ブクログ

ほとんどがサスペンスで BL少々。…自らが被害者で時効になった事件と現在の事件が結び付くかも?というドキドキと、 受けのエリート橘田の心がどこにあるか解らないモヤモヤが並行して進む。
所轄の刑事と義弟と警視庁の管理官。

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2013年04月25日

Posted by ブクログ

読み応えがあり考えさせられる一冊でした。サスペンス小説にちょっとBLの要素を入れた感じ。奈良さんの絵がいいですねえ。

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2011年12月03日

Posted by ブクログ

リセット下巻、解決編です

こういう、推理・サスペンスを上手に書くことができる作家さんは凄いなって思います
もしかしなくても、BL要素が無くても、面白いんだろうな…

この下巻は、いくつかの事件の紐を解いていくうちにたどり着く真実が描かれています
主人公たちの結末も、かなり良かったです

上巻に手間取りましたが、下巻はその分一気に読めました

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2011年11月14日

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