あらすじ
大切な人の死から、どこかなげやりに生きてる僕。高校生になった僕のクラスには、「発光病」で入院したままの少女がいた。月の光を浴びると体が淡く光ることからそう呼ばれ、死期が近づくとその光は強くなるらしい。彼女の名前は、渡良瀬まみず。余命わずかな彼女に、死ぬまでにしたいことがあると知り…「それ、僕に手伝わせてくれないかな?」「本当に?」この約束から、止まっていた僕の時間がふたたび動きはじめた――。読む人みんなが涙――この圧倒的感動に、山口幸三郎、綾崎隼、loundrawも大絶賛! “今を生きる”すべての人に届けたい、最高のラブストーリー。
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Posted by ブクログ
この本がとにかく好きだと思った。
こういう本は、今まであまり読まなかったが、ぜひ、みんなに読んでもらいたい。
人の死、というものを、すごく考えさせられた。
一番心を動かされた文が
「テンポ正しく握手するんですよ。」
という岡田の一言だった。
まみずの死を、前に向かって進んでいけるようにするための彼の精一杯の気持ちを全部全部含んでいるようで、その一言に考えさせられるように巧に構成されたこの話に感動せずにはいられなかった。本当にデビュー作か、、、?と疑った。
スノードーム、タバコ、ジェットコースター、メイドカフェ、亀、海、タクシー、ロミオとジュリエット、、、
たくさんこの本の中で出てきた言葉達の話を、最後綺麗に終わらせていく、私はこの本は、傑作だと思う。
Posted by ブクログ
姉が亡くなってから生きているのに死んでいるようだった岡田と、発光病に冒されて余命僅かとなったまみず。二人が出会って、生きているうちにやりたいことリストを作って、叶えていくうちに、生や死について真剣に考えるようになる流れが良かったです。特に最後のまみずが岡田にぶつけた「あなたの中に生き続ける私に、生きる意味を教え続けてください」という言葉が、とても胸を熱くさせました。とても素晴らしかったです。
Posted by ブクログ
死期が迫る少女と、死ぬことに憧れを持つ少年の恋愛小説。
死期が近づくにつれて心が荒れていく少女の姿が生々しく、胸が締め付けられる思いをしました。
今ある恋人との時間を大切にしないとなと思わせてくれる、そんな作品でした。
Posted by ブクログ
高校生のとき(7年前)に読んだ小説を再読。
改めて読みやすいなぁと思った。
没入しやすくて、一部始終が純粋で、綺麗なストーリーだと思う。
中原中也の詩が印象に残っている。
残った人たちは手を取り合って、支え合いながら生きていくことを形容している詩。
Posted by ブクログ
ノルウェイの森の逆方向を読んだ感じ。
まみずは卓也に愛があるところ、
登場人物が全然孤独じゃないところ、
これからも生きていく最愛の人を想えるところが素敵。
もうすぐ亡くなってしまう娘を抱える母、亡くなってしまった娘がいる母、どちらも随所に描かれていて泣きそうになった。卓也が、姉とまみずの死を受け入れられて、母の隣で泣いている場面が泣けた。亀、かわいい(笑)
まみずと卓也の軽快な会話が面白かった。
加山と卓也を中心に学校生活が詳細に描かれていたのが、青春を感じられてとても良かった。まみずも卓也のおかげで学校生活の中に入っている場面が、全く孤独を感じられず、とても良かった。あぁ…卓也もまみずのおかげで学校生活の中に入れたんだった。すごく理想的な関係でほっこりした。
図らずもサイドストーリーから読んだけど、正解だった。
加山と卓也の奇妙な関係を理解してから読んだほうが、卓也の言動の理解が深まる。まみずと出会ったこと、出会えた時期もお互いにとって最良だったんじゃないかな、と思えた。
わたしもまみずのように、自分は幸せだと、愛する人たちの幸せを祈りながら、眠るように死にたい。
Posted by ブクログ
姉の死からどこか投げやり生きるようになってしまった主人公と、不治の難病に侵された同級生の女の子のお話。
恋人の死に堪えられず、自殺なのか事故なのか、自分の前から死んでいなくなってしまった姉。
進んで死のうと思っていたわけではないものの、好きだった姉の死後生きていることが後ろめたくて、心のどこかで『生きていたくない』と感じてしまっている主人公。
『恩人』の同級生にわけもわからず押し付けられたお見舞いで出会った、難病に罹っている同級生の女の子。
色々な人の生死感が入り乱れて、生きていることと、死んでいくこと、どちらの方が幸せなのかと考えさせられる面もありました。
付き合っているわけでもない、無理矢理にお見舞いを押し付けられるまで会ったこともなかった同級生の無茶振りに、文句を言いながらも挑戦をしていくうちに、主人公がどんどん『生』を感じていく気がしました。
地の文の感情表現が豊かになって、彼女と出会っていなかったらこんなこと絶対しなかった、と思うようなことにもチャレンジして。
それなのに、そうして行きついたのがあの屋上だったことが、甘く優しいものだけではない『恋』とすぐそばにある『死』を感じさせてドキッとしました。
ラストまでを含めて、すっきりと映画を見終わったような心地になりました。