【感想・ネタバレ】アーサー・ミラーV 代価/二つの月曜日の思い出のレビュー

あらすじ

1930年代、大恐慌のアメリカ。家族への自己犠牲を問う「代価」、自動車修理工の青年たちの希望と絶望を描く「二つの月曜日の思い出」の二篇。「セールスマンの死」作者による今季注目作!

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Posted by ブクログ

代価:もうすぐ壊されるアパートの一室。不要な家具などを査定してもらおうと警察官の弟が待っている。彼は、破産し妻を亡くして茫然自失状態だった父親の面倒を見ながら慎ましく過ごしてきた半生だった。そこへ訪れた鑑定士の老人や家を出たことで一見成功したかに思えた医者の兄。各人を通して見える生き方とは/ちょっとした一言で相手に意思を伝えたと思い込んでいる兄の無意識な傲慢さが目に余る。既に人間関係がどうにもならない状態になってから手を差し伸べても遅いことに気付かされた。

二つの月曜日の思い出:ある部品工場の朝。ささやなか日常が作られ始める瞬間の幸福や切なさを描くドラマ/何でもない日々を積み重ねる大切さ。再三繰り返されるテーマであっても作者の半自伝的な作品となっているせいか、お説教臭いとは感じず伝わるものがある秀作。

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2017年09月02日

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