あらすじ
反乱の首謀者として陰陽寮に身柄を拘束され、裁きを待つ身となった在野の陰陽師・芦屋道代。だが、思いもよらぬ発言で仮釈放の特別措置を引き出す。三枝介や幾多郎、さらには陰陽寮からの監視役を伴って彼女が向かった先は、自らの故郷である芦屋道満に縁の地。一方、そんな道代の後を追って帝都を出奔した夜統は、旅先で雨宮潤という霊媒の少女と出会い、平安の世に名を馳せた二人の大陰陽師へと繋がる雨宮家の宿業に踏み込んでいく。だが、その夜統の後を追って澄香内親王殿下までが皇居を抜け出したことで、多忙な晴見の心労は続々と重なり……。疾風怒濤の第二幕、開演!
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Posted by ブクログ
うーん、これは、ちょっと微妙だなあ。
もちろん、物語の語り口は堅実。
キャラもちょっとドジッ娘の潤の登場で楽しく読めた。クライマックスの神龍との戦いもわくわくと面白かった。
でも、物語の構成がなんとも微妙なんだよなあ。
ラストに神龍退治を持ってくるのであれば、この話は本来道代を主人公にすべきだった。
でも、前半の主人公は明らかに夜統べだし、途中、長い昔語りの主人公は芦屋道満だ。
これでは、物語の焦点がずれてしまう。
前巻でも平将門の長い昔語りが描かれたのだけど、この構成は本編の勢いと印象を薄くしてしまって、よくない。
いっそ、道満と晴明の件は別に伝奇ものとして書けばよかったのにと思う。
で、500ページを超える物語の最後に、その先まだ続くのを知って、まじかと思ってしまった。
長い昔語りが入ったこともあって、話の展開が遅いのだ。
さて、この先、どうしたものかなあ。