あらすじ
1984年、帝都東京。若くも卓越した陰陽師として働く女性・土御門晴見は、ある日、かねてより陰陽寮による日本の呪的業界の一元的支配に不満を募らせていた在野の術士・芦屋道代から呪力蜂起の宣言を受ける。誘拐を予告された皇族の姫君・澄香内親王殿下を守るため、古くより皇室に仕える退魔の一族の末裔・殿克夜らと共に事態へ備える晴見らだったが、相手の思惑は彼女らの想像を超えたところにあった。一方、姫君の身代わりに攫われた華族の少年・継実夜統は、道代らと行動を共にしながら、帝都の裏側に隠された歴史の闇を知り……。壮大なる伝奇譚、ここに語りの口を切る。
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Posted by ブクログ
面白かった!呪術が残ったifの世界の現代東京で、安倍晴明と芦屋道満の子孫の知略バトル?かな。
平将門の話は詳しく読んだことが無いからどこまで正しいかわからないけど、そこそこ詳しかった。その辺うまく絡めてて良かったかな。
続きが気になる(´ー`)
Posted by ブクログ
帝都東京を舞台に陰陽師やら浄瑠璃傀儡師やら怨霊将門が活躍する伝奇物語。
450ページを超える大部で読み応えもあり、まあ、楽しく読めた。
ただ、物語としてはいろいろ残念な面が気になったかな。
ひとつには、二人のヒロインに等分に書かれていて、物語としてはどっちつかずになってしまったような気がすること。
陰陽寮に挑む道代の側から描いて爽快な結末とするか、反乱を阻止する晴見の側から描いてホッとする結末にした方がよかったんではと思う。
二つ目は、その結末があっけなかったこと。
怨霊将門の解放だけなのは、あれ?と思ってしまった。
もっとカタルシスが欲しかったかな。
三つ目は、物語のかなりの部分を将門の生前の話に費やされていて、物語としてはちょっとと思ってしまった。
これ、むしろ将門の事を書きたかったんじゃないかなあ?
それならそれで、真っ正面から時代小説にした方がよかったんではないかと。
そんなこんなでちょっとすっきりしなかったけど、次巻はどうなるのかな?
最後まで夜統の正体については明かされなかったので、次巻は彼の物語になるのかな?