あらすじ
「俺はね、(部下を)5人潰して役員になったんだよ」。大手某社に産業医である著者が招かれた際、その会社の常務が言い放った言葉である。このように部下を精神的に潰しながらどんどん出世していく人たちのことを、精神科医の牛島定信氏と彼の教え子である著者は「クラッシャー上司」と名付けた。彼らには「自分は善である」という確信があり、他人への共感性は決定的に欠如している。精神的に未熟な「デキるやつ」なのだ。本書では著者は豊富な経験に基づいてクラッシャー上司の具体例を紹介。さらに精神構造、社会背景を分析し、最終章で対策を考える。(目次より)●第一章 いったい彼らは何者か――クラッシャー上司の実態 ●第二章 クラッシャーの精神構造――未熟なデキるやつ ●第三章 クラッシャーを生む日本の会社――滅私奉公の時代の終わり ●第四章 クラッシャー対策――その暴力から身を守るために
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部下を認めるステップ
①成功までの努力の「経過そのもの」を褒める
②成功した結果を「論理的に評価して」褒める
③成功を共に喜び共感する
④次の成功への期待を表明して課題を呈示する
多くの人は②と④しかできていない
おじさんが怒鳴りまくるのも、雪隠づめと、赤ちゃんが喚くのは本質的に似ている。幼児的全能感である。とは笑った。
レジリエンスとは、①有意味感、②全体把握感、③経験的処理可能感。
本書にはなかったけど、過重労働になると②と③から欠けていくんだろうな。
自身もどちらかと言うとメランコリー型だと気づいたんだけど、朝なんとなく起きにくい、家を出る準備が進まない、という身体的な状態に変化が出る「億劫感」、そしてほんの小さなことでイラッとする「心の余裕のなさ」
これが出てくると抑うつになる前兆なので平日に3日くらい休むべき、ということだった。
もう少し前に、半年〜1年くらい前に読むべきだったかもしれない。
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仕事で出会った上司や取引先を思い返すと、ほとんどこの本に出てくることに見覚えがある。
プレミアムフライデーとかでなくて「クラッシャー上司」という言葉が社会でもっと認知したら世の中もっと変わったろうなと残念に思った。
Posted by ブクログ
クラッシャー上司 平気で部下を追い詰める人たち 。松崎一葉先生の著書。部下や後輩を精神的に潰しながら出世していく人がクラッシャー上司。クラッシャー上司の精神構造や誕生背景をわかりやす解説しています。クラッシャー上司は自分絶対主義で傲岸不遜、共感性欠如だけれど、仕事は出来る。だから余計にたちが悪い。クラッシャー上司に出会うか出会わないかは運次第。だからせめて自分は自分絶対主義で傲岸不遜、共感性欠如のクラッシャー上司にならないようにしないと。
Posted by ブクログ
自分は善であるという確信と他人への共感力の欠如はクラッシャー上司の共通項であるが、結局のところ会社は利益を優先するし、しょせん奴らは承認と賞賛を求めて社内の序列にこだわる一社員なので、個人として自身の身を守るためには可哀想な人…と流すようにしようと思いました。あとは近しい人と被害者感情を共有するのも悪くないんだと思えました。
真面目で自責的な方だと思うので、自分が本当に優先したいものを意識しつつ、自身の限界のサイン(億劫感、認知の歪み)を把握し、思い切って休むといった健康管理(食欲、睡眠)を行いたいです。
あとは、SOC(有意味感・全体把握感・経験的処理可能感)も勉強になりました。
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2016年だから、もう10年近い昔の本である。しかし本書で描かれた職場の問題は全く変わっていない、少なくとも我が社では。途中、最近活躍している勅使川原真衣さんの言いそうな視点もあり、その視点を活かせる人が、我が社にはいなかったのだな、と残念に思う。少しでもマシな会社になるよう、微力を尽くしたいが、逃げる選択肢だけは持っておきたい。
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会社のハラスメント教育コンテンツよりよっぽど面白いしためになる。そうか、ハラスメントの本質は「共感性」のなさ。ハラスメントを受ける立場としても、してしまう立場としても、大変勉強になる。
Posted by ブクログ
能力は高いが鈍感かつ共感力が低く部下を犠牲にして出世して行く上司の事。別名潰し屋。恐らく昭和の会社ではありふれた光景だったと思われる。
事例1のA氏の様に面倒見の良いともとれる人がいたり、職場に合わないと過剰な自信で反抗かつ休職する部下もいるため判定が難しいであろう。また本書で指摘される通り利益を追求する組織としては看過せざるを得ないという面もあろう。
事例3のC氏の様に出来る部下を警戒して潰しにきた挙句ガールズバーの不正出金で降格される下衆や全ての面を兼ね備えたクラッシャーX氏が上司だった場合は正直辛いだろう。ただX氏については異常な精神力の強さで「怪物」と称される様にこのくらいでないと社会的な成功は得られないのかもしれない。
終わりにクラッシャー上司への対応も書いてあるのが親切。見て見ぬ振りをする同僚にならぬ様反面教師としたい。
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悪気がないのに下を潰してしまう上司。よくいる。クラッシャー本人が見るべきだけど、クラッシャーは自分がクラッシャーであることに気づかないから難しい
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パワハラ、セクハラ、モラハラという行為が取り沙汰されて久しい。社会現象にもなった。
その中にあってこの「クラッシャー上司」というのはインパクトが大きい。
クラッシャー上司というのは、組織において仕事ができる人である。そして自らの成功体験を背景に、自分のようにできない部下を「善意で」叱咤激励する。他者に対する共感力が全くないので、部下がそれをどう感じるかに全く無頓着である。
「私は部下を三人潰して、役員になったんだ」ということを平気で公言する。
仕事面では、へたに有能なので、組織としても、このクラッシャー上司を簡単に切れないという事情もあり、部下に救いがない。
組織において重要なことは目先の業績をクリアすることではない。人材を育て、十年、二十年先の組織を見据えることだ。だからクラッシャー上司には、意識変革していただくより他に路はない。そうでなければ排除されるべき存在である。
クラッシャー上司の酷さを知って溜飲を下げるより、そもそも自分がクラッシャー上司ではないのか、と自らを振り返ることが必要であることを反省すべきだだなぁ、と思ってしまった。
Posted by ブクログ
奇天烈な上司の奇行を列挙し嘲笑する本かと思いきや、「クラッシャー上司」となる要因や家庭環境を分析しつつ、作者なりの仮説や解決策を考えている点に好感がもてる良書です。
Posted by ブクログ
文字通り、部下をうつ病などに追い込む上司について書いた本。
これまで部下や当事者がうつ病に追い込まれる話は数多く読んだけど、逆に発達障害などの上司を扱った本はなかったので、とても新鮮だった。
それと同時に、そういう人がどの企業でもはびこっており、それから逃れるのは至難の業だと感じた。
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クラッシャーにならないためには、共感性を忘れないこと。
意味のない事も、面白いところを見つける意味づけ力や、全体を把握して今が全てだと思わない事、助けを求めることは、メンタルを強くする。
Posted by ブクログ
部下を精神的に潰しながら出世していく「クラッシャー上司」。精神科産業医として活躍する著者が豊富な経験に基づいて、クラッシャー上司の具体例を紹介し、その精神構造、社会背景を分析しながら対策を述べる。
優秀かどうか分からないけれどそんな上司と働いていました。
自分が未成熟というところも感じるところがある。
Posted by ブクログ
個人として能力が高く仕事が大変できて、それが出世して管理職になっていって更に実績を出して上に上り詰めていく。それ自体はビジネスで、あるいは組織で生きるものとして良いことであるが、部下を犠牲にして独善的に出世していくタイプの人間がいる。そういった"クラッシャー上司"を中心にその病理と対処方法、あるいは現代の労働心理を記した新書がこの本である。おそらくは臨床経験が抜群にあるであろう著者が実経験を通じて書いているだけに、具体的かつ意見が奔放でなかなか面白い。というか、自分も多かれ少なかれそういう要素はあるのであろうし、モロにそういうタイプの人間も多数見てきているだけに苦笑が止まらない、でもちゃんと読まなければいけない本だと思えた。
兎にも角にも、自分がクラッシャー上司にならないためには、自分のそういう病理が無意識の内にないか、自分の育った環境や思いも含めて見つめなおすことと、日頃から"共感力"を育て置くことに尽きるかと思う。クラッシャー上司は部下を壊し続けるので最終的にはTOP of TOPにはなれないし、その独善性と共感力の低さは家庭崩壊おも招くことがこの本には書かれているので、ことは出世のみの話ではないとも思える。
そういう自覚症状が少しでも持つ管理職の人、あるいは明確なクラッシャー上司に悩む人、あるいはクラッシャー上司を部下に持つ社長さん、そういった方々はこの本を読んで自分なり、自社なりの処方箋をもたれるとよいと思います。
ああ、願わくばこういう上司になりませんよーに。
Posted by ブクログ
人をクラッシュさせうるかそうでないかの2択だと、私は前者に当てはまるような気がしたので…読んでみた。
もし分類するならば私はクラッシャーAかなぁ。まぁ自己評価上は、Aよりももっと軽度ではありそうだが(と、信じたい)。そしてたしかに、私もあまり子ども時代に褒められた記憶は、ない。部活に勉強にと、わりと忙しい生活の中で通っていたピアノの発表会でうまく弾けず、観に来ていた母が小1時間程度、ぶつぶつと悪態を呪文のように唱えていた記憶がまざまざと蘇る。
わりとこの本で取り上げられるクラッシャー像は、ロジカルで仕事はデキる人が多い印象だったが…個人的には、非ロジカル上司から非常にストレスを与えられるケースが多いので、その上司の例も欲しかった感はある。十人中九人は「その意見よくわからんし、間違ってる気がする」と言いそうなノーロジックの独自案を正しいと信じ込み、それをゴリ押ししてくる上司、ですな。このタイプの人って大抵、1度言ったことも覚えておらず、上司の指示で動いた後に「私はそんなこと言ってない」と違うこと言い出すんだよな。偉いのかなんだか知らないが、まず己の過ちを認めるところから、幼稚園児から立ち返って出直して欲しいと思うことがしばしば、ですなぁ。てかシンプルに、頭悪っ、て思っちゃうんだよな。で、なんでそんな年上の頭弱い人に、部下の私が工数使ってうまく対応しないとだめなんだよ、と思っちゃうんだよな。ま、悪口はいったんここで置いといて。
クラッシャー人物の例示やそのバックグラウンドに踏み込んだ分析は、ふむふむなるほどと思ったが、クラッシャーに対する解決策が、果たして本当にできるのかなぁ、という疑問は湧いたかな。ストレスを受けやすい真面目な人って、著書が書くこの一見姑息にも見えるずる賢い技にも自責の念を感じてしまってストレスを感じるような。これがすんなりするのが難しいから、被害を受けるような気もするんだよなぁ。クラッシャーをするような上司からすらも嫌われたくない、だから頑張る、でメンブレする、的な循環になっているような気もする。そういう意味では、よく聞く「嫌われる勇気」なるものを備える必要もある気がする。私の場合、夜8時頃になったら「じゃ、ジム行くんで」と言ってMTGから堂々と抜けてたり、説教ちくな話をする先輩のリモートMTG中は画面オフしてご飯食べてたり、「その会話、セクハラまがいで非常に気持ち悪いんですが」と上司に直接言ってたり、わりと被害をうけにくい、著書の言う「レジリエンスの高い人物」のような気はする。が、しかし、それが災いして自分がクラッシャー因子を持ちやすい、ような気もする。
突拍子もなくいきなり持論を提するが、どの人間も睡眠食事運動を人生の最優先として生きてれば、加害者にも被害者にもならないんじゃいんすかね。強い体と心って、まじで大事、だと思います(まっじでまとまってない感想文になったな。ま、いいか)。
Posted by ブクログ
●読んで得たもの
滅私奉公の考え方が古いということ。
ジョブ型の雇用体制も必要であること。
●感想
本書の内容から、戦後の復興で頑張ってきたやり方は現代では通用しないと読み取れる。
通用しないというそのような変化が起きた要因は何か。
近年の変化として、人口の増加から減少への転向、働き方改革という考え方の出現、など様々な変化を挙げることができるが、何がそうさせるようになったのか要因の本質、そしてなぜ変化の時期が今なのか、突き詰めていくと誰も気付いていない何かが見えてくるのでないだろうか。
そこを追求しなければ、多くの本で書かれている相反する内容のうち、何が正しいのか理解できないと考える。
Posted by ブクログ
「俺はね、(部下を)5人潰して役員になったんだよ」。大手某社に精神科産業医である著者が招かれた際、その会社の常務が言い放った言葉である。このように部下を精神的に潰しながらどんどん出世していく人たちのことを、精神科医の牛島定信氏と彼の教え子である著者は「クラッシャー上司」と名付けた。彼らには「自分は善である」という確信があり、他人への共感性は決定的に欠如している。精神的に未熟な「デキるやつ」なのだ。
本書では著者が豊富な経験に基づいてクラッシャー上司の具体例を紹介。ネチネチ論理的に責める男、部下が憔悴しきっていることに気づかない鈍感男、家庭まで壊してしまう男……。さらに部下の心を攻撃する本当の理由や、「我が身可愛さで公に尽くさないことは恥である」とする日本人に特徴的な精神構造など、クラッシャー上司を生み出す要因を分析。そして最終章で、会社と部下にとっての最善の対策を提案する。
共感性の欠如。確かに言える。
Posted by ブクログ
本人は「正義はわれにあり」「あなたのだめだから」と強烈な使命感をもって過剰にがんばるが、客観的に見るとそれははげしく部下に高い品質や強烈な指導をしすぎてるだけにすぎない。そういう上司をクラッシャー上司と命名。豊富な実例のなかで紹介。読むにつれて、これあるある、とか自分にもおもいあたるところが、、と背筋が寒くなる箇所も多数。
後半の「なぜ死ぬまで働かせる会社が存在するのか?なぜそこまでする上司の存在が許されてるのか?」これはおもいといだ。
仕事ができる、できないという分類を会社ではしがちだが、もうひとつ、人間的に成熟してる、未成熟という分類を提示。危険なのは、仕事ができて未成熟なタイプの上司(や部下)。仕事はできるが他人との関係性がうまくつくれなかったり、相手の気持ちへの共感性が欠如してるケースがおおくクラッシャー上司になったり未熟性うつになる。
未熟さは時として会社のみならず家庭すら崩壊させていくケースもあり、仕事ができる未熟な人よりも仕事のできない成熟した人のほうがよりよい生き方だ。
なぜクラッシャーを放置するのか?は日本企業全体が過労死などでゆれるいまこそ問われる問いだ。働き方改革で新しい制度をいれるのもやるべきだが、いまそこにいるクラッシャー上司への対処をまずやらねば、問題の先送りになるであろう。