あらすじ
「レインマンが出没して、女のコの足首を切っちゃうんだ。でもね、ミリエルをつけてると狙われないんだって」。香水の新ブランドを売り出すため、渋谷でモニターの女子高生がスカウトされた。口コミを利用し、噂を広めるのが狙いだった。販売戦略どおり、噂は都市伝説化し、香水は大ヒットするが、やがて噂は現実となり、足首のない少女の遺体が発見された。衝撃の結末を迎えるサイコ・サスペンス。
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展開もスピード感あるし、キャラクター毎にちゃんと個性があって読みやすかった
最後の最後で思わず、「あぁ」という声が出た
最後の最後
正直なところ中盤にはレインマンが誰なのか分かった。と言うか意図的に気付き易い作りにしてあるような印象を受けた。
結局噂に殺されたのは噂を利用した本人だけと言うのも皮肉が効いてて面白い。
最後のオチも。
Posted by ブクログ
え?!最後え?!となった。
思えば伏線はたくさんあったかも。殺された友人に対して最初は塞ぎ込んでいる様子だったが、復讐を決めたから明るくなっていったのか。こわ〜。
親はいつも、子供のことを全然見れていないのね。どの子の親も。何かあってからでいつも遅い。
思ったより気持ち悪さも多いサスペンスフィクションだったがすごく愉しめた!
Posted by ブクログ
面白かったけど、どんでん返しって言うほどどんでん返しでは無かったかな??
でも菜摘が人殺しをしていたっていう事実は、菜摘の父親の小暮の人格を考えると結構胸に来るものがあるなあ、
そして、なぜ人は人を殺そうとするのかって話を小暮と名島がしてたことも相まって、余計に変な気持ちにさせられた笑
自分は映像化すら出来ないようなどんでん返し叙述トリックが好きだから、この本はめっちゃハマったって訳ではなかったけど、普通に小暮と名島コンビが好きなのと、噂の恐ろしさを知れたから良かった笑
Posted by ブクログ
荻原さんの作品は初めて読んだが、語り手が移り変わる書き方が新鮮であり、慣れるのに時間はかかったが、特に読みにくいということはなかった。また、今はほぼ死後となっている平成初期の若者言葉に時代を感じた。西崎の目星は読んでいる途中になんとなくついていたのだが、最後の1行には衝撃を受けた。あの一言は文中で何回も見かけていたはずなのに、特に気にも留めていなかったから、その分背筋がゾクっとした。所々グロかったため耐性がない方は少しきついかもしれない。
Posted by ブクログ
この本が刊行されたのと同じ2000年代生まれとして、この作品に登場する「渋谷のイケイケな平成女子高生」たちには、どこか懐かしさを覚えた。
幼い頃、分厚くて画質の荒いテレビに映っていたあの頃の渋谷を眺めているような気分で読めたし、まるでタイムスリップしたみたいに楽しめた。
一方で、(ここで使われている最新の若者言葉、今となってはもう完全に死語だよな〜)なんて現代的な視点でも楽しめる。
その時代の最先端の若者を描いた小説が、こんなにも社会学的に面白いとは思わなかった。
図らずもY2Kブームが再燃している今このタイミングで読めたのは、この作品をより一層楽しめた理由のひとつだと思う。
犯人は途中でなんとなく察しがついたし、ラストで衝撃を受けたというよりは、むしろ静かな絶望に包まれた。
いつも菜摘のことを想う小暮の気持ちと、殺された親友を想う菜摘の気持ち。
生活リズムがなかなか合わない2人が、たまに家で顔を合わせる時、やっとお互いの顔を突き合わせて同じ気持ちを共有できる時間が…と思って読んでいたのに、実は違う方向を向いていた。
犯人を憎む気持ちは同じでも、決して交わらない。
家族でも、ましてや父娘であれば、そんなすれ違いはよくある。
自分自身に重ね合わせてこの親子関係に胸を締めつけられ、読後もしばらく2人の今後を考えてしまった。
犯人の動機がフェティシズムであった点は、この前読んだ『殺戮にいたる病』とも通じるものがあった。
ラストで名島が言う「フェティシズム——男性特有の犯罪ですよね。女にはとうてい理解できません」というセリフに共感しつつも、これって科学的な検証はされているのだろうかという疑問も湧いた。調べてみよう。
Posted by ブクログ
面白かったぁ。星は付けられるなら4.5を付けたい。
ゴリゴリのミステリーってよりかは人間社会とかに焦点を当てたサスペンスって感じだったかな。犯人当てが好みの方はちょっと物足りないかも。僕はそれよりもそうだったの!?って展開があれば満足できるからこの本はかなり好みの部類だった。
この本のそうだったの!?ってなったのはサキが死んでたところだった。犯人視点でサキの事は書かれてて、犯人は狂っちゃって生きてるように書かれてるから気づきようがないんだけど、それでもビックリしたし楽しめた。死んでる人を生きてるように書く叙述トリックは、何個か読んだことあって、どれもちゃんと読めば気づけるようになってるけど、今回のは無理だね笑 でも、だからこそ犯人の狂気が伝わるからそれはそれで良かったと思います。
あと終わり方もかなり好み。娘との会話が沢山出てくるから、後半で襲われるところを小暮が助けるパターンかなぁって思ってた。でも全然出てこないし、あれ?と思ってたらこの最後。ゾッとする不愉快な後味が残るミステリーってなんでこんな面白いんだろ。不愉快なのに笑
Posted by ブクログ
最後こわすぎる!!!
主人公と女性刑事がいい感じになってめでたしめでたしで終わるのかと思ったら
主人公の娘さんも捕まるしミートパイのカフェも終わり
Posted by ブクログ
ミステリ部分は軽いノリで、荻原さん得意の滑らかな味のある作品。軽いといっても独特の雰囲気があり、重々しい警察小説に比べて親しみやすかったということで。
ユニバーサル広告社を舞台にした「オロロ畑でつかまえて」は小説すばる新人賞をとり、デビュー作ながら絶妙な舞台装置と語り口だった、続く「なかよし小鳩組」までも鮮烈ユーモア小説だった。
こういった話(地球を回すギャングとか三匹のおじさんとか)大好き人としては、完成度の高い作品でデビューしたのだから、続きがでるだろうと期待して待っていたが「シャッター通り」までで、路線変更するとは思わなかった。まだ続きを諦めてはいないけれど。
荻原さんを気にしていると耳に入ってくる。
「明日の記憶」山本周五郎賞。「二千七百の夏と冬」で山田風太郎賞「海の見える理髪店」はとうとう直木賞。それからも次々に新刊が出ている。うれしい。
私は「オロロ畑」が忘れられず、といって続いて出る作品も追いかけられず、「明日の記憶」の映画化の評判を聞いていたが原作を読みもしないで、そのうち読もうと積んできた。
これを読む機会が来たのは♯新潮文庫夏の100冊に入っていたから。よぉし読むべし読むべし。
裏表紙にはサイコ・サスペンスとある。嫌いなジャンルではないし。荻原さんのその後はいかに。
のこぎりで足首を切られた女子高生の遺体が見つかった。目黒署管内は小暮の縄張りで、本庁から応援の戸高が来てコンビになった。むさいおっさんの小暮は妻に先立たれていて娘が高校生。家に一人で残しているのが気が気でない。応援できた戸高は若く見えるがバツイチ子持ち。小暮の上司に当たる階級だが周りには逆にみえる。
さて、本題は
香水のミリエルを売るために、集めた女子高生からクチコミ、メール ネットを使って噂を拡散させようという広告社の企画で、渋谷でモニターを集める。つけていると恋がかなうとかレインマンに襲われないとか、聞いたような話だがうまく広がっていく。それで商品は大ヒットするという話がプロローグ風に始まる。
それを狙ったように女子高生の猟奇殺人が起きる。
暫くしてもう一人足首から先のない殺人が起き、すわ、連続殺人事件か。レインマンの仕業か。
小暮と戸高のコンビは、目黒署に立ち上がった捜査本部で地味な敷き鑑捜査に当たる。このコンビが面白い。人物造形の上手さに乗せられた。
くたびれた中年とバリバリの美人刑事。二人の家庭事情も話を和らげていて読みやすい。
暗い猟奇殺人に凝った固さがない。
このあたりが、荻原さんがミステリに参入した時にインパクトに欠けたのかもしれない。この「噂」の噂はこのミスでも見なかった気がする。
それでも、ちょっとありきたり感もありながら、相手が今時の女子高生。渋谷あたりで群れている連中、知り合ってみると個々にポリシーもありつつ、個性的でちょっとアホでかわいい。
もう中年のおじさん刑事は、揉まれてなつかれてちょっと嬉しかったりする。殺されたのはモニター仲間だったし、この子たちがいい感じの機動力で核心に近づいていく。
取調室に、関係者として呼んだ少女たちを集めたら
「ドラマと違ぁう」
「お腹減った」
「早くしようよ~」
仲間同士で来たものは勝手に大声で喋りあっている。そうでなければ携帯で誰かと話をしている。ポテトチップスの袋を抱えている少女もいた。小暮はホワイトボードの前に立ち、咳払いをしてから話し始めた。
「あ、今日はどうも。ごくろうさまです。え~みなさんに集まっていただいた理由は、もうわかっていますね……あの、携帯は後にしてくれないか……言うまでもないが君たちに何かの嫌疑がかかっているわけではないし、迷惑をかけるつもりもない……トイレ?……この部屋を出て右の突き当りだ……え~いま捜査中の事件に関係したことで、いろいろ話を聞きたいんです。君たちの証言が犯人逮捕の決め手になるかもしれない」
おだてたりすかしたり苦労して話をしたのだが、気にするほどのことはなかった。誰も話を聞いちゃいない。
「みんな、静粛に!」
小暮が声を張り上げると、ようやく全員がこちらに顔を向けた。
「セイシュクってなぁに?」
「静かにしゅくしゅくすることだ」
「しゅくしゅくって?」
「知らん、いいか静かにしてくれ」少し取り調べ口調になってしまう。
「分かっていますね?」
「わかんなぁ~い」
「じゃもう一度説明する、いいか……いや、いいですか」
でもこれから話が解決に向かって雪崩こむのだが。
隅で名高がちいさなガッツポーズで励ましている。
このおもしろいミステリがなぜ軽い印象を受けるか、後からなら何でも言えるが、どうも最初の部分で伏線らしい部分が見え見えの人物の動きが気になる。そして犯人のそれなりの事情はあるけれどサイコ独特の語りが長い。
あれ?この人という意外な人物の消え方が少し唐突かな。始まりは存在感のあるいいキャラクターだっただけにこの人の心理描写も少し遅すぎた感じがした。
でも荻原さんは好きなので映画化もされた話題の本を読みたくなった。